• この表をプリントする
  • ポートフォリオ機能


追加

関連ワード 意匠の実施 /  実施権の設定 /  物品 /  意匠に係る物品 /  権利能力 /  本意匠 /  登録意匠 /  差止請求(差止) /  専用実施権 /  通常実施権 /  商標権 /  権利濫用(権利の濫用) / 
元本PDF 裁判所収録の全文PDFを見る pdf
元本PDF 裁判所収録の別紙1PDFを見る pdf
事件 平成 11年 (ワ) 28596号 意匠権侵害差止等請求事件
原告 有限会社小沢工業右代表者代表取締役 A右訴訟代理人弁護士 田中平八
被告 株式会社和孝右代表者代表取締役 B右訴訟代理人弁護士 吉田裕敏
被告 有限会社フロンティア右代表者取締役 C
被告 株式会社アネックス右代表者代表取締役 D右両名訴訟代理人弁護士 加藤貞晴
裁判所 東京地方裁判所民事第四七部
判決言渡日 2000/08/29
権利種別 意匠権
訴訟類型 民事訴訟
主文 一 原告の請求をいずれも棄却する。
二 訴訟費用は、原告の負担とする。
事実及び理由
請求
一 被告らは、別紙目録一及び二記載の組立屋根を製造、販売又は販売のために展示してはならない。
二 被告らは、別紙目録三記載の標章を組立屋根及びその包装に付し、又はこれを付した組立屋根を販売し若しくは販売のために展示してはならない。
三 被告らは、別紙目録一及び二記載の組立屋根並びに別紙目録三記載の標章を使用して製造した組立屋根の製品、半製品及び仕掛品を廃棄せよ。
四 被告株式会社和孝は、原告に対し、別紙登録事項目録記載の通常実施権の抹消登録手続をせよ。
事案の概要
一 争いのない事実 1 株式会社ダイモン(以下「ダイモン」という。)は、次の意匠権及び商標権(以下、右本意匠及び類似意匠に係る意匠権を「本件意匠権」、右本意匠及び類似意匠を「本件意匠」、右商標権を「本件商標権」、その商標を「本件商標」といい、本件意匠権と本件商標権を合わせて「本件意匠権等」という。)を有していた。
(一) 意匠権 (1) 本意匠 出願 平成一年九月一八日 登録 平成四年三月二七日 登録番号 第○八四〇九〇六号 意匠に係る物品 組立て屋根 登録意匠 別紙四意匠公報記載のとおり (2) 類似意匠 出願 平成一年九月一八日 登録 平成四年四月一三日 登録番号 第○八四〇九〇六号の類似一 意匠に係る物品 組立て屋根 登録意匠 別紙五意匠公報記載のとおり (二) 商標権 出願 平成一年四月一四日 登録 平成四年三月三一日 登録番号 第二三八八三八八号 指定商品 屋外装置品、家具、畳類、建具、屋内装置品(書画および彫刻を除く)、記念カップ類 登録商標 別紙六商標公報記載のとおり 2 ダイモンは、本件意匠の実施品である組立て屋根に本件商標を付して販売し、多数の業者との間で右商品の販売代理店契約を締結し、契約金を受領していたものの、平成八年一〇月、銀行取引停止処分を受けて事実上倒産した。
3 ダイモンに契約金を支払ったまま商品の供給を受けられなくなった右業者らの一部は、同年一一月、支払済みの契約金の返還、未払分の支払停止、商品の安定供給等を求めて、「株式会社ダイモン被害者の会」(以下「ダイモン被害者の会」という。)を結成し、原告がその代表幹事となった。
4 本件意匠権等は、東京国税局から差押えを受けており、また、複数の者が本件意匠権につきダイモンから通常実施権の設定を受けていたので、誰かが本件意匠権等をダイモンから譲り受け、右差押えを解除し、右通常実施権者との問題も解決した上で、ダイモンが製造販売していたのと同様の組立て屋根(以下「本件製品」という。)を安定供給していくことが必要であった。
5 原告は、ダイモンとの間で、平成九年六月九日付けで、原告はダイモンから本件意匠権等を譲り受ける旨の契約書を作成した。そして、原告は、移転登録を経て、本件意匠権等の登録名義人となった。
6 原告は、被告株式会社和孝(以下「被告和孝」という。)との間において、平成九年八月二五日付けで、原告は被告和孝に対して本件意匠権の通常実施権を設定する旨の契約書を作成し、その設定登録をした(以下、右通常実施権を「本件通常実施権」という。)。
7 原告は、平成一一年二月一九日、ダイモン被害者の会の代表幹事を辞任し、E(以下「E」という。)が代表幹事に就任した。
8 原告は、被告和孝に対し、平成一一年三月三日付け書面により、本件通常実施設定契約を解除する旨の通知をし、右通知は、同月五日、被告和孝に到達した。
9 被告和孝は、別紙目録一及び二記載の組立て屋根(以下「被告製品」という。)を製造し、これに別紙目録三記載の標章を付して販売していたが、平成一一年六月ころから、被告有限会社フロンティア(以下「被告フロンティア」という。)に被告製品の製造をさせ、被告株式会社アネックス(以下「被告アネックス」という。)に、被告製品の販売をさせるようになった。
二 本件は、本件意匠権等を右一5の契約によりダイモンから譲り受けたと主張する原告が、本件意匠権等に基づいて、被告らに対し、前記第一請求一ないし三記載の差止め及び廃棄を求めるとともに、被告和孝に対し、本件通常実施権の登録の抹消登録手続を求める事案である。
争点及びこれに関する当事者の主張
一 争点 1 原告が本件意匠権等をダイモンから譲り受けたか 2 原告が本件意匠権等に基づき差止め等の請求をすることが権利濫用として又は信託法50条1項の趣旨から許されないか 二 争点に関する当事者の主張 1 争点1について (原告の主張) 原告は、ダイモンから、前記第二の一5の契約により、本件意匠権等を譲り受けた。
右各権利の譲受人が原告であって、ダイモン被害者の会又はその会員ではないことは、以下の各事実から明らかである。
(一) 右譲渡の契約書の譲受人の表示には、「有限会社小沢工業」と記載されており、ダイモン被害者の会代理人有限会社小沢工業などとは記載されていない。原告がダイモン被害者の会の代理人であれば、非顕名にする理由はない。また、その後原告が被告和孝と締結した本件通常実施権設定契約の契約書においても、原告が意匠権者であると表示されている。
(二) ダイモンの倒産により被害を受けた代理店は約七〇〇社以上あり、ダイモン被害者の会に入っていない被害者が多数いることから、ダイモンの代表取締役は、同会に本件意匠権等を譲渡することに強い難色を示していた。
(三) 原告は、本件意匠権等の取得、維持に要する費用を負担しているが、
右費用につきダイモン被害者の会又は同会の会員から何らの支払も受けていないし、原告に対して右支払の申出もない。
(四) ダイモン被害者の会は、単なるダイモンに対する債権者の集まりであって、権利能力なき社団としての実体を有していない。また、同会の会員からの本件製品の注文は事実上期待できないから、同会は、現在では、本件製品を安定供給するという目的を失っており、事実上消滅している。本件意匠権等をダイモン被害者の会が有しているという話がされたことはこれまでない。
(五) 本件意匠権等をダイモン被害者の会の会員が共有しているという話がされたことはこれまでないし、その共有持分の割合について話が出たこともない。
また、共有の意匠権に専用実施権を設定するときは、共有者全員の同意が必要であるところ、Eは、平成一一年七月に、本件意匠権に専用実施権を設定した際に、共有者全員の同意を得ていないし、総会の議題にさえしていない。
(六) 原告代表者は、平成一一年二月一九日に被告らの主張する「確認書」を作成したが、これは、原告代表者が、Eらに、三時間以上にわたってつるし上げられ、疲労困憊した結果、作成させられたものである。
(被告和孝の主張) 原告がダイモンから本件意匠権等を譲り受けた事実は否認する。
本件意匠権等を譲り受けたのは、原告ではなく、ダイモン被害者の会又はその会員である。原告は、その非顕名の代理人として、本件意匠権等を譲り受ける契約を締結したものであって、譲渡人たるダイモンもこれを知っていた。このことは、以下の各事実から明らかである。
(一) 本件意匠権等の東京国税局による差押えを解除するための交渉に、譲受人として臨んだのは、原告ではなく、ダイモン被害者の会の代理人の池田桂一弁護士(以下「池田弁護士」という。)であった。
(二) 本件意匠権等の譲渡人であるダイモンの代表者は、原告がダイモン被害者の会の代表者であるから、右譲渡に応じるとの意向であった。
(三) 本件意匠権等の譲渡代金の領収証の名宛人は、原告ではなく、ダイモン被害者の会の代表である原告とされていた。
(四) 原告代表者は、平成一一年二月一九日、本件意匠権等は「有限会社小沢工業代表取締役A氏の所有ではなく、株式会社ダイモン被害者の会の所有であることを確認する」との記載文言がある「確認書」と題する書面に署名捺印した。
(被告フロンティア及び同アネックスの主張) 原告がダイモンから本件意匠権等を譲り受けた事実は否認する。
本件意匠権等を譲り受けたのは、原告ではなく、ダイモン被害者の会又はその会員である。原告は、その非顕名の代理人として、本件意匠権等を譲り受ける契約を締結したものである。このことは、以下の各事実から明らかである。
(一) 被告和孝の右主張(一)ないし(四)のとおり。
(二) 本件意匠権等の譲渡については、関係者間で協議した結果、ダイモン被害者の会名義で右譲渡を受けることが望ましいが、法人格のない団体名義での意匠権等の登録は認められておらず、また、会員全員の名義で右登録するのはあまりに煩雑であることから、形式上及び登録上は、原告が譲り受けた形にするとの結論に達したものである。
(三) 原告は、ダイモン被害者の会に対し、本件意匠等の移転に要した費用を支払うよう要求しており、また、自己名義だと何かと費用が発生するので、名義も移転してほしいとも述べていた。
2 争点2について (被告らの主張) 仮に、原告がダイモンから本件意匠権等を譲り受けたとしても、原告は、ダイモン被害者の会の代表幹事という立場において、同会の会員のために本件製品を継続的に供給するという目的の下に、同会の意向を受けて本件意匠権等の譲受人になったものであるから、原告は、右目的に従って財産の管理行為等を行うために、
同会又はその構成員全員の受託者の地位において、本件意匠権等の譲受人となったものであって、信託的に権利を取得したものである。
そうすると、原告は、既に同会の代表幹事の地位を失ったから、信託法50条の趣旨を考慮すると、そのような場合に、受託を受けていた財産である本件意匠権等を原告固有の財産であると主張して、同権利に基づく差止め等を求めることは、許されないというべきである。
(被告フロンティア及び同アネックスの主張) 原告は、あくまでダイモン被害者の会の代表幹事として本件意匠権等を譲り受けたにすぎないものであり、既に、右代表幹事を辞任しているのであるから、もはや形式的な名義人にすぎない。このような地位にある原告が同権利に基づく差止めを求めることは、権利の濫用である。
(原告の主張) 被告らの右主張はいずれも否認又は争う。原告は本件意匠権等を信託的に譲り受けたものではない。
当裁判所の判断
一 争点1及び2について 1 前記第二の一の事実に証拠(甲一、二の各一、甲四、五、甲一二の二、甲一三、一八、二〇、二一、甲二二、二三の各一、二、甲二七、二八、三〇、三三ないし三五、三八、三九、乙一、二、四ないし六、丙一、五、七、一一、一三、一六、一九、二三ないし二八、三〇、三一ないし三四、三六、三八ないし四一、四三、四五、五〇、五三、五五、五六、六二、六四、六六、六七、七〇、七三)と弁論の全趣旨を総合すると、以下の事実が認められる。
(一) ダイモンは、平成八年一〇月、事実上倒産した。
同年一一月に、ダイモン被害者の会が結成され、原告が代表幹事になった。同会は、ダイモンに契約金を支払ったまま商品の供給を受けられなくなった業者らに広く呼びかけ、それに賛同した業者ら一二〇社余りによって結成されたもので、同会では、一社当たり三万円、合計三六三万円を同会の活動資金として集めた。
(二) 本件意匠権等は、東京国税局による差押えを受けており、また、複数の者が既にダイモンから本件意匠権について通常実施権の設定を受けていたので、
誰かが本件意匠権等をダイモンから譲り受け、右差押えを解除し、右通常実施権者との問題も解決した上で、本件製品を安定的に供給していくことが必要であった。
(三) ダイモン被害者の会では、池田弁護士に、右(二)の本件意匠権等に関する事務を委任した。池田弁護士は、本件意匠権等の譲渡について、ダイモンらと交渉を行い、譲渡先を選定した。池田弁護士は、同弁護士が預かる形で譲渡を受けることも考えたが、ダイモンの代表取締役が、譲渡先がダイモン被害者の会の代表幹事である原告であれば、譲渡する旨の意向を示したこともあって、ダイモン被害者の会の代表幹事である原告に譲渡することにした。
(四) 原告は、同年六月、ダイモンに対し、「当社は、標記商品を貴社が取り引きしていた代理店等の要望に基づいて、生産し、供給するものです。」、「本件譲渡について、第三者より当社が訴訟等を起こされても当社の責任において解決し、貴社に御迷惑をおかけしません。」などと記載した確認書を交付した。
(五) 原告は、ダイモンとの間で、同月九日付けで、本件意匠権等の譲渡契約書を作成し、その対価としてダイモンに対して一五三万四二〇〇円を支払ったが、そのダイモン作成の領収書には、原告名に続けて、「被害者の会代表」と明記されていた。
また、ダイモンは、滞納していた国税のうち一五三万四二〇〇円を、右代金をもって東京国税局に納付し、右差押えの登録は抹消された。
(六) 原告は、同年八月二五日付けで、被告和孝との間で、本件通常実施権設定契約書を作成した。また、原告は、被告和孝から委託されて、本件製品の取り付け工事を行った。
(七) 原告は、平成一一年二月一九日、同会の代表幹事を辞任し、Eが新たな代表幹事となった。その際、原告代表者は、本件意匠権等がダイモン被害者の会のものであることの確認を求められ、「『あっ晴れさん』意匠登録第〇八四〇九〇六号及び商標登録第二三八八三八八号は有限会社小沢工業代表取締役A氏の所有でなく、株式会社ダイモン被害者の会の所有であることを確認する。」との内容の確認書に署名押印した。また、原告代表者は、同会の幹事会において、本件意匠権等の名義を原告から移転すること及び原告が本件意匠権等を譲り受ける際に支払った金員を同会で負担することを求めた。
2 右1認定の事実によると、原告は、ダイモンから、平成九年六月九日付けの契約によって、本件意匠権等を譲り受けたものと認められる。
しかし、右1(一)ないし(三)認定の事実によると、本件意匠権等の譲渡は、本件製品を安定的に供給するという目的の下にされたもので、ダイモン被害者の会の代理人である池田弁護士を中心として、譲渡先の選定等が進められて、原告に譲渡することに決定したものと認められ、原告がダイモン被害者の会の代表幹事であったこと以外に、原告に決定した積極的な理由は認められないこと、右1(五)認定の領収書の記載や右1(七)認定の確認書の記載、右1(七)認定のとおり、原告代表者は、本件意匠権等の名義を原告から移転することや原告が本件意匠権等を譲り受ける際に支払った金員をダイモン被害者の会で負担することを求めていたこと、法人格のないダイモン被害者の会名義での意匠権等の登録は認められておらず、また、ダイモン被害者の会の会員全員の名義で右登録するのはあまりに煩雑であるから、誰か一名の者がダイモン被害者の会又はその会員に代わって譲り受けるという形をとらざるを得なかったと考えられることを総合すると、原告は、ダイモン被害者の会の代表幹事という立場において、本件製品を安定的に供給するという目的の下に、同会又は同会の会員に代わって、本件意匠権等を譲り受けたものと認められ、原告が、ダイモン被害者の会又は同会の会員とは別個の独自の立場で本件意匠権等を譲り受けたとは認められない。
そうすると、原告は、ダイモン被害者の会の目的に従って財産の管理行為等を行うために、同会又はその会員全員の受託者の地位において、本件意匠権等を譲り受けたものであって、信託的に右各権利を取得したものと解される。
3(一) 原告は、ダイモンの倒産により被害を受けた代理店は約七〇〇社以上あり、ダイモン被害者の会に入っていない被害者が多数いることから、ダイモンの代表取締役は、同会に本件意匠権等を譲渡することに強い難色を示していたと主張し、それに沿う陳述書の記載(甲二七、三三)が存する。しかし、ダイモン被害者の会は、右1(一)認定のような手続を経て結成されたものであって、一二〇社余りの業者が加入しているのであるから、ダイモンの倒産により被害を受けたすべての業者が加入していないとしても、ダイモンの倒産により被害を受けた業者の代表を見なすことができるのであって、それに譲渡することに、右のとおり登録ができないことを除けば、特に問題があるとは考えられない。そして、そのことに右1(三)認定のダイモンの代表取締役が示した意向や右1(五)認定の領収書の記載を総合すると、右の原告の主張に沿う記載は直ちに信用することができず、他にこの事実を認めるに足りる証拠はない。
(二) 原告は、ダイモン被害者の会は、権利能力なき社団としての実体を有していないし、事実上消滅していると主張する。しかし、仮に、ダイモン被害者の会が権利能力なき社団ではないのなら、その構成員全員が委託者であるから、右2の認定が左右されるものではない。また、証拠(甲二〇、丙五〇、五六、五八、六三、七二)によると、ダイモン被害者の会は、活動していることが認められ、事実上消滅したとは認められない。
(三) 右1(五)認定の事実に証拠(甲二七、三三)と弁論の全趣旨を総合すると、原告は、本件意匠権等の譲渡の対価及び移転登録の費用等を負担したことが認められるが、右費用は、前記委託の趣旨に従って清算されるべき筋合のものにすぎず、右1(七)認定のとおり原告自身もそれを求めたことがあったのであるから、
右事実は、右2の認定を左右するものではない。
(四) 右1(四)認定の確認書の記載は、原告が、ダイモンとの関係では、譲受人となることから、ダイモンに対する関係で記載したものと認められ、原告とダイモン被害者の会又はその会員との関係に関する右2の認定を左右するものではない。また、右1(六)認定の本件通常実施権設定契約も、原告が本件意匠権等の譲受人となったことから、締結されたものと解され、その事実は、原告とダイモン被害者の会又はその会員との関係に関する右2の認定を左右するものではない。
(五) 原告は、右1(七)認定の確認書について、これは、原告代表者が、Eらに、三時間以上にわたってつるし上げられ、疲労困憊した結果、作成させられたものであると主張するが、右確認書が、原告代表者の意思に基づくことなく作成された事実を認めるに足りる的確な証拠はない。
4 右2認定のとおり受託者である原告は、前記第二の一7のとおりダイモン被害者の会の代表幹事の地位を失ったのであるから、信託法50条1項の趣旨を考慮すれば、そのような場合に、受託を受けていた財産である本件意匠権等に基づいて差止めや通常実施権の登録の抹消を求めることは、許されないものというべきである。
二 したがって、その余の点について判断するまでもなく、原告の請求はいずれも理由がない。
裁判長裁判官 森義之
裁判官 岡口基一
裁判官 男澤聡子
  • この表をプリントする