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関連ワード 物品 /  形状 /  意匠に係る物品 /  3条1項2号 /  記載された意匠 /  類似の意匠 /  登録意匠 /  差止請求(差止) /  損害賠償 /  無効審判 / 
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事件 平成 18年 (ワ) 3563号 意匠権侵害差止等請求事件
原告株 式会社国元商会
訴訟代理人弁護 士藤川義人
同 清水良寛
被告 A
訴訟代理人弁護 士土井廣
補佐人弁理 士森脇康博
裁判所 大阪地方裁判所
判決言渡日 2006/11/30
権利種別 意匠権
訴訟類型 民事訴訟
主文 原告の請求をいずれも棄却する。
訴訟費用は原告の負担とする。
事実及び理由
全容
第1請求1被告は,別紙イ号物件目録記載の物件を製造、販売、販売の申込み及び販売のための展示をしてはならない。
2被告は、別紙イ号物件目録記載の物件を廃棄せよ。
3被告は、原告に対し,1230万円及びこれに対する訴状送達の日の翌日(平成18年4月16日)から支払済みまで,年5分の割合による金員を支払え。
第2事案の概要本件は,被告によるコンクリート型枠支持金具の製造販売行為が、原告の有する意匠権を侵害することを理由とする差止め、廃棄及び損害賠償請求訴訟である。
1基礎となる事実(証拠等によって認定した事実は末尾に証拠を掲げた。それ以外は争いのない事実である。)(1)原告の意匠権原告は,次の意匠権(以下「本件意匠権」といい,その意匠を「本件意匠」という。)を有する。
ア登録番号第1043396号イ意匠に係る物品コンクリート型枠支持金具ウ出願日平成9年7月28日(意願平9-63021)エ登録日平成11年4月16日オ登録意匠別紙意匠公報のとおり(2)被告は,業として、別紙イ号物件目録記載の物件(以下「イ号物件」といい、その意匠を「イ号意匠」という。)を製造販売している。
(3)イ号物件は、コンクリート型枠を支持するのに使用される金属製品である。(甲6の1)(4)イ号意匠は、別紙「パネルレベラーダイワ産業」のとおりである。
2争点(1)イ号意匠が本件意匠と類似するか。
(原告の主張)ア本件意匠とイ号意匠は、アーム先端部からフック部第1屈曲部までの距離(すなわち、アーム部上側辺と平板部上側辺の長さを合わせた距離)と、
他の箇所の長さとを比較した場合における比率が相違するが、いずれも目視によっては判別がほぼ不可能なほどの微差というべき程度の相違であり、
また、両意匠全体の構成がほぼ同じであることを併せて考慮すると、看者に異なった美感を与えるものではない。
イ本件意匠とイ号意匠には、本件意匠は、(a)平板部下側辺が傾斜していないこと、(b)平板部下側辺がアーム部下側辺との間で段差をつけてつながっていること、(c)フック部下側辺も傾斜していないこと、(d)したがって、平板部及びフック部における上下側辺間の長さ(高さ)が一定していること、という構成であるのに対し、イ号意匠は、(a')平板部下側辺が傾斜していること、(b')平板部下側辺がアーム部下側辺と直線的につながっていること、(c')フック部下側辺も傾斜していること、(d')平板部及びフック部における上下側辺間の長さ(高さ)は前者よりも後者の方が長い(高い)こと、という構成であるという相違がある。しかし、イ号意匠の平板部下側辺及びフック部下側辺は、その傾斜の有無によって物品の性質、
目的、用途及び使用態様に影響を与えることはほとんどなく、他の構成部分に比べると相対的に看者に注目される程度が小さい。したがって、これらの相違は、看者に異なった美感を与えるものではない。
ウ上記ア、イ以外の点では、本件意匠とイ号意匠は共通する。
エよって、本件意匠とイ号意匠は、共通点が圧倒的に多いのに対して相違点は僅かであり、しかもその相違点は微差であって、異なった美感を与えるものではないので、両意匠は類似する。
(被告の主張)ア本件意匠とイ号意匠は、@帯状金属板を屈曲形成してなるコンクリート型枠支持金具(パネルレベラー)の基本形態と、A型枠支持部が平板部から同一平面上に延出している点は共通するが、B帯状金属板の形、C平板部の付け根に切欠き状の段差を付けた点、Dフック部の巾と形状の点が異なる。また、E型枠支持部の一側辺が先が細くなるように傾斜している点も、本件意匠は平板部以外の部分では傾斜しているが、平板部では傾斜していないのに対し、イ号意匠では、一側辺全長が傾斜している点でも異なる。
イ@の点は周知に属する形状であるから要部ではない。本件意匠のうち、
A及びEの点に係る意匠は、実開昭57-196741号公報(以下「乙第2号証刊行物」という。)に記載された意匠から容易に創作できたものであるから、実質的に本件意匠の要部になり得ない。本件意匠のうち、B及びDの点に係る意匠は周知の形状であるから要部になり得ない。本件意匠の要部は、Cの点に係る意匠である。
ウ他方、イ号意匠の要部は、B、D及びEの点に係る意匠である。
エしたがって、イ号意匠は、本件意匠と混同することのない美感を異にする非類似の意匠である。
(2)本件意匠登録は、無効審判により無効とされるべきものか。
ア本件意匠は、本件意匠登録出願前に頒布された原告のカタログ「資材事典’95年/’96年版」(以下「乙第9号証刊行物」という。)62頁の「KSパネル浮かし」として「鉄筋を利用した浮かし型枠用受金具」に記載された2種の意匠と同一ないし類似か。
イ本件意匠は、乙第2号証刊行物に記載された意匠から容易に創作できたものか。
(3)原告の損害(原告の主張)被告は、本件意匠の意匠登録後、イ号物件の製造販売によって少なくとも1230万円の利益を得ている。したがって、同額が原告の損害である。
第3当裁判所の判断1争点(2)について判断する。
証拠(乙9)によれば、乙第9号証刊行物は、原告の1995〜96年用の製品カタログであること、同刊行物62頁には「KSパネル浮かし」「鉄筋を利用した浮かし型枠用受金具」として、2種(品番♯100及び♯160)のコンクリート型枠支持金具の意匠が記載されていること、このうち、♯100の意匠は本件意匠と明確な相違点が識別できず、同一か、少なくとも類似することが認められる。そして、乙第9号証刊行物は、1995〜96年用の製品カタログであるから遅くとも本件意匠登録出願前である1995年(平成7年)中には頒布されたものと推認される。
したがって、本件意匠は、意匠法3条1項2号又は3号に該当するから、その意匠登録は、無効審判により無効とされるべきものであって、意匠権者が相手方に対しその権利を行使することができないものである。
2以上の次第で,原告の請求はいずれも理由がないから棄却することとして,主文のとおり判決する。
裁判長裁判官 山田知司
裁判官 高松宏之
裁判官 村上誠子
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