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事件 平成 22年 (ワ) 13746号 意匠権侵害差止等請求事件
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裁判所 大阪地方裁判所 
判決言渡日 2011/12/15
権利種別 意匠権
訴訟類型 民事訴訟
判例全文
判例全文
平成23年12月15日判決言渡 同日原本交付 裁判所書記官

平成22年(ワ)第13746号 意匠権侵害差止等請求事件

口頭弁論終結日 平成23年10月3日

判 決

原 告 ニューメディカ・テック

株式会社

同訴訟代理人弁護士 小 松 陽 一 郎

同 辻 村 和 彦

同 井 口 喜 久 治

同 川 端 さ と み

同 森 本 純

同 中 村 理 紗

同 山 崎 道 雄

同 辻 淳 子

同 藤 野 睦 子

被 告 ニューメディカ・テック

販売株式会社

(以下「被告NMT販売」という。)

被 告 株式会社 大 倉

(以下「被告大倉」という。)

被告ら訴訟代理人弁護士 川 下 清

同 今 田 晋 一

同 高 橋 幸 平

主 文

1 被告NMT販売は,別紙被告製品目録記載の各製品を製造し,販売し,

1
又は販売の申出(販売のための展示を含む。)をしてはならない。

2 被告大倉は,別紙被告製品目録記載の各製品を販売し,貸し渡し,又は

販売若しくは貸渡しの申出(販売又は貸渡しのための展示を含む。 をして


はならない。

3 被告NMT販売は,別紙被告製品目録記載の各製品及びその半製品(別

紙被告製品目録記載の基本的構成態様及び具体的構成態様を具備している

が製品として完成に至らないもの)並びにこれらの製造に用いる金型を廃

棄せよ。

4 被告大倉は,別紙被告製品目録記載の各製品を廃棄せよ。

5 被告NMT販売は,原告に対し,1131万6373円及びこれに対す

る平成22年10月13日から支払済みまで年5%の割合による金員を支

払え。

6 被告大倉は,原告に対し,343万0116円及びこれに対する平成2

2年10月10日から支払済みまで年5%の割合による金員を支払え。

7 原告のその余の請求をいずれも棄却する。

8 訴訟費用は,被告NMT販売に生じた費用の5分の3と原告に生じた費

用の5分の2を被告NMT販売の負担とし,被告大倉に生じた費用の5分

の3と原告に生じた費用の5分の1を被告大倉の負担とし,その余を原告

の負担とする。

9 この判決は,1項ないし6項に限り,仮に執行することができる。

事 実 及 び 理 由

第1 当事者の求めた裁判

1 原告

(1) 被告らは,別紙被告製品目録記載の各製品(以下「被告各製品」という。)

を製造し,販売し,貸し渡し,又は販売若しくは貸渡しの申出(販売又は


2
貸渡しのための展示を含む。)をしてはならない。

(2) 被告らは,被告各製品及びその半製品(別紙被告製品目録記載の構成を

具備しているが製品として完成に至らないもの)並びにこれらの製造に用

いる金型を廃棄せよ。

(3) 被告NMT販売は,原告に対し,2414万円及びこれに対する平成2

2年10月13日から支払済みまで年5%の割合による金員を支払え。

(4) 被告大倉は,原告に対し,600万6000円及びこれに対する平成2

2年10月10日から支払済みまで年5%の割合による金員を支払え。

(5) 訴訟費用は,被告らの負担とする。

(6) 仮執行宣言

2 被告ら

(1) 原告の請求をいずれも棄却する。

(2) 訴訟費用は,原告の負担とする。

第2 事案の概要

1 前提事実(いずれも当事者間に争いがない。)

(1) 当事者

ア 原告

原告は,浄水器・浄水装置等の輸入,製造,販売,設計及び取付工事

並びに保守点検等を目的とする株式会社である。

イ 被告ら

被告NMT販売は,浄水器・浄水装置等の輸出入,販売及び取付工事

並びに保守点検等を目的とする株式会社である。

被告大倉は,建設業,宅地造成業の外,浄水器のレンタル及び販売等

を目的とする株式会社である。

(2) 本件意匠権

原告は,次の登録意匠(以下「本件意匠」という。)について,意匠権

3
(以下「本件意匠権」という。)を有している。

登録番号 第1218817号

出 願 日 平成15年11月21日

登 録 日 平成16年8月20日

意匠に係る物品 浄水器

登録意匠 別紙本件意匠目録記載のとおり

(3) 被告らの行為

被告NMT販売は,被告各製品を業として製造し,販売し,及び販売の

申出(販売のための展示を含む。)をした。

被告大倉は,被告各製品を業として販売し,貸し渡し,並びに販売及び

貸渡しの申出(販売及び貸渡しのための展示を含む。)をした。

(4) 本件意匠と被告各製品

被告各製品は,型番を異にする同一形状の製品であるところ,被告各製

品と本件意匠とは,意匠に係る物品が同一であり,被告各製品の意匠は,

本件意匠と同一である。

2 原告の請求

原告は,被告各製品の製造・販売・貸渡し等が本件意匠権を侵害するとし

て,@ 被告らに対し,意匠法37条1項に基づく被告各製品の製造・販売・

貸渡し等の差止めと,同条2項に基づく被告各製品及び半製品並びに金型の

廃棄を,A 被告NMT販売に対し,不法行為に基づき,損害の一部である

2414万円の賠償及びこれに対する平成22年10月13日(訴状送達の

日の翌日)から支払済みまでの遅延損害金の支払を,B 被告大倉に対し,

不法行為に基づき,損害の一部である600万6000円の賠償及びこれに

対する平成22年10月10日(訴状送達の日の翌日)から支払済みまでの

遅延損害金の支払を,それぞれ求めている。

3 争点

4
(1) 原告の損害(争点1)

(2) 差止め及び廃棄の要否(争点2)

第3 争点に関する当事者の主張

1 原告の損害(争点1)について

【原告の主張】

(1) 被告NMT販売関係

被告NMT販売の行為により被った原告の損害は,以下のとおり1億1

373万2400円となる(意匠法39条2項)。

ア 販売台数

被告NMT販売は,被告大倉に対し,被告各製品を,少なくとも60

0台販売した。

イ 販売価格

被告各製品の被告大倉に対する販売価格は,税抜き27万2000円

である。

ウ 利益率

被告各製品の製造原価は多くとも8万2446円であるから,被告各

製品の利益率は次の計算式による率を下らない。

〔計算式〕(272,000−82,446)÷272,000≒0.6968

損害額

前記アないしウによれば,原告の損害額は,少なくとも1億1373

万2400円となる。

〔計算式〕272,000×600×前記ウの利益率=113,732,400

(2) 被告大倉関係

被告大倉の行為により被った原告の損害は,以下のとおり,販売分につ

いて4032万4000円(主位的に意匠法39条2項,予備的に同条3

項),レンタル分について2184万円となる(意匠法39条2項)。

5
ア 販売台数及びレンタル台数

被告大倉は,平成20年9月から平成23年9月までの36か月間で,

被告各製品を,少なくとも593台販売し,100台レンタルした。

イ 販売価格及びレンタル価格

被告各製品の販売価格は税抜き34万円以上であり,被告各製品のレ

ンタル価格は税込み月額1万3650円以上である。

ウ 利益

被告各製品の仕入価格は27万2000円であるから,販売に係る利

益率は20%を下らない。

また,本件意匠に係る実施料率は20%である。

レンタルの場合は,20か月経過により仕入代金(27万2000円)

の回収が終わるから,以後はレンタル代金全てが利益となる。

損害額

前記アないしウによれば,原告の損害額は,少なくとも合計6216

万4000円となる。

〔計算式〕

販売分:340,000×0.2×593=40,324,000

レンタル分:13,650×100×(36−20)=21,840,000

【被告らの主張】

(1) 被告ら共通の主張

ア 損害の二重計上について

原告は,被告各製品の販売及びレンタルについて,別訴で商標権侵害

を主張し,本訴と同様の算出方法により,本訴と同額の損害賠償を請求

している。

しかしながら,被告各製品の販売及びレンタルが,法的に複数の評価

を受け得るとしても,同一内容の損害が複数生じることはない。

6
したがって,損害額の認定にあたっては,別訴に係る損害額について

も考慮されるべきである。

イ 寄与割合について

本件意匠権の侵害が問題となるのは専ら筐体であるから,浄水器全体

における寄与割合を乗じた額が,損害として認定されるべきである。

そして,被告各製品の売上げは,被告らの営業努力に拠るところが大

きく,本件意匠の寄与はほとんどない。

(2) 被告NMT販売の主張

ア 販売台数について

製造台数は600台であるが,3台は廃棄しており,販売台数は59

7台である。

イ 販売価格について

販売価格は税込み27万2000円である。

ウ 利益率について

被告各製品の販売に係る利益率は50%である。

(3) 被告大倉の主張

ア 販売台数及びレンタル台数について

販売台数は593台であるが,レンタル台数は4台である。

イ レンタル価格について

レンタル価格は税込み月額1万2600円である。

ウ 利益について

レンタルの場合,利益が出るのは設置後2年からである。

2 差止め及び廃棄の要否(争点2)について

【原告の主張】

被告NMT販売,同大倉の行為は,本件意匠権を侵害する(前提事実(2)

ないし(4))。

7
被告NMT販売は,過去に少なくとも400台もの販売実績を,被告大倉

は過去に少なくとも100台ものレンタル実績を,それぞれ有しており,金

型や多数の在庫品が存在することも推認されることから,被告各製品につい

て製造,販売等を再開することは極めて容易である。

したがって,被告らは,
「本件意匠権を侵害するおそれのある者」に該当す

る。

【被告らの主張】

被告NMT販売は,現在,被告各製品について,製造,販売,貸渡し,販

売若しくは貸渡しの申出のいずれもしていない。

被告大倉も,被告各製品の販売,貸渡し及びそれらの申出をしていない。

第4 当裁判所の判断

1 本件意匠権の侵害

前提事実(4)のとおり,被告各製品の意匠はいずれも,本件意匠と同一で

あり,意匠にかかる物品も同一であるから,被告らの行為(前提事実(3))

は,本件意匠権を侵害する。

2 原告の損害(争点1)について

(1) 被告NMT販売関係

ア 販売台数

被告NMT販売が被告各製品を600台製造したことは,当事者間に

争いがない。

もっとも,被告NMT販売は,このうち3台は廃棄しており,販売台

数は597台であると主張しているところ,甲25の資料2には,表番

号29,225,226の3台について,本来であれば設置業者名が記

載されるはずの「納品者」欄に,被告NMT販売が引き取った旨の記載

があり,かつ「設置先」欄も空欄である。

したがって,上記3台は販売されなかったものと考えられるから,販

8
売台数は597台と認める。

イ 1台当たりの利益

被告各製品は,全て被告大倉に販売されているところ(甲28),甲2

5の資料3の1によれば,被告各製品の被告大倉に対する販売価格は2

7万2000円(税抜き)と認められる。

被告各製品に係る製造原価は8万2446円であるところ(甲25),

他に限界利益の算定にあたって控除すべき経費は認められないから,被

告各製品1台当たりの利益は18万9554円となる。

〔計算式〕272,000−82,446=189,554

ウ 被告NMT販売の受けた利益

前記ア,イによれば,被告NMT販売の受けた利益は1億1316万

3738円となる。

〔計算式〕189,554×597=113,163,738

エ 本件意匠の寄与割合

被告NMT販売が被告各製品を製造したのは,本件意匠の実施品を分

譲住宅に標準装備する予定であった被告大倉に対し,同じサイズのもの

を納品する必要があったため,モデルチェンジをすることもなく,本件

意匠に類似する被告意匠による被告各製品を製造することとなったから

である(甲24)。

もっとも,被告大倉が本件意匠の実施品を採用したのは,逆浸透膜浄

水器だったからであり(甲14,18の2),必ずしも,本件意匠に着目

したからとはいえない。実際,被告NMT販売が,本件意匠の実施品と

同型(アンダーシンクタイプ)の浄水器について,平成21年12月2

1日に新たに意匠を出願し(乙1),その実施品(GW−2000,同E

X)である逆浸透膜浄水器の製造を開始した後は,被告大倉も,アンダー

シンクタイプの逆浸透膜浄水器として,これをレンタルに供している(甲

9
5)。

また,浄水器自体,購入にあたってデザインが重視される物品ではな

い上,被告各製品はアンダーシンクタイプであり,通常は目に触れない

場所に設置されるものであるから,本件意匠が売上げに寄与することは

少ないといえる。

このように,一般的な取引を念頭に置いた場合は,本件意匠の寄与割

合は低いといえるが,冒頭に述べたような事情から,本件で問題となっ

ている被告大倉への販売については,本件意匠の寄与割合は低くないと

考えられ,これを10%とみるのが相当である。

オ 原告の損害

以上のとおりであるから,原告の損害額は,1131万6373円(1

円未満切捨て)と認められる。

〔計算式〕113,163,738×0.1=11,316,373

(2) 被告大倉関係

ア 販売台数及びレンタル台数

(ア) 販売台数

被告大倉が被告各製品を593台販売したことは,当事者間に争い

がない。

(イ) レンタル台数

甲25の資料2には,被告NMT販売が販売した被告各製品のうち,

表番号84,85,214,215の4台は「EX」である旨の記載

があるところ,被告各製品のうち,CVQ−2000が販売用であり,

CVQ−2000EXがレンタル用であることは,当事者間に争いが

ない。

また,4台がレンタルされたとすれば,被告大倉の総仕入台数が前

記(1)アのとおり597台であり,販売台数が前記(ア)のとおり593

10
台であることとも整合する。

したがって,被告大倉のレンタル台数は4台であると認められる。

イ 原告の損害

(ア) 販売について

a 意匠法39条2項に基づく請求について

原告は,被告大倉は,被告各製品を34万円以上で販売している

と主張するが,これを認めるに足りる証拠はない。

また,被告大倉は,被告各製品のうちCVQ−2000を,その

分譲するマンションや戸建て住宅に標準装備して,浄水器付き住宅

として販売しているところ,住宅の販売価格や,販売価格における

浄水器の占める割合を認めるに足りる証拠もない。

したがって,意匠法39条2項に基づく原告の請求は認められな

い。

b 意匠法39条3項に基づく請求について

前記aのとおり,CVQ−2000の販売により被告大倉が得た

利益額は不明であるが,その売上額は,仕入価格である税込み28

万5600円に販売台数である593台を乗じた1億6936万0

800円を下回らないと認められる。

そして,既に述べたとおり,一般の取引を念頭に置いた場合,本

件意匠は売上げにほとんど寄与しないと考えられるから,その実施

料率も低いと考えられ,2%を相当と認める。

したがって,意匠法39条3項により算定される原告の損害は,

338万7216円となる。

〔計算式〕169,360,800×0.02=3,387,216

(イ) レンタルについて

a 利益額

11
被告大倉は,被告各製品のうちCVQ−2000EXを,27万

2000円(税抜き)で仕入れ,月額1万3650円でレンタルし

ているが,上記レンタル料は消費税込みであることが窺える(甲4)。

そして,原告は,20か月経過により仕入代金の回収が終わると

主張するが,消費税込みの仕入代金は28万5600円であるから,

レンタル収入の合計額が仕入代金を超えるのは,21か月経過後で

ある。

また,CVQ−2000EXの出荷日は,それぞれ,平成21年

2月9日(1台),同月19日(1台),同年4月6日(2台)であ

るところ(甲25の資料2),乙2によれば,レンタル開始時期は,

同年2月12日,同月21日,同年4月27日,同年7月5日と認

められ,本件口頭弁論終結時までにおけるレンタル期間は,31か

月(2台),29か月(1台),26か月(1台)である。

したがって,レンタルに係る利益は,合計42万9000円とな

る。

計算式:13,000×2×(31−21)=260,000

13,000×1×(29−21)=104,000

13,000×1×(26−21)=65,000

b 寄与割合

既に述べたとおり(前記(1)エ) 一般の取引を念頭に置いた場合,


浄水器のレンタルによる売上げに対する本件意匠の寄与は少ないと

考えられるが,被告大倉において,本件意匠を使用する必要性を有

している以上,結果として,その寄与割合は前記(1)エと同様10%

とみるのが相当である。

損害額

以上のとおりであるから,原告の損害額は,4万2900円(1

12
円未満切捨て)と認められる。

〔計算式〕429,000×0.1=42,900

(ウ) まとめ

以上のとおりであるから,原告の損害は,前記(ア)bの338万7

216円と前記(イ)cの4万2900円との合計額である343万0

116円となる。

3 差止め及び廃棄の要否(争点2)について

(1) 被告NMT販売関係

差止請求について

甲24の資料1によれば,被告NMT販売が被告各製品を製造してい

たのは平成21年12月までであり,現在は製造していないと認められ

るが,将来における本件意匠権侵害のおそれまでは否定できない。

もっとも,被告NMT販売が,被告各製品を貸し渡していた事実は認

められないから,被告NMT販売に対する差止請求のうち貸渡しに係る

部分には理由がない。

イ 廃棄請求について

被告NMT販売は,製造した被告各製品600台のうち3台を販売し

ていない上(廃棄したことは証拠上明らかでない。 ,被告らは,販売済


みの597台を回収したと主張しているので,原告の廃棄請求には理由

がある。

(2) 被告大倉関係

差止請求について

被告大倉は,被告NMT販売が製造した被告各製品を仕入れた上,販

売ないし貸渡しを行っていたのであって,被告各製品を自ら製造してい

た事実は認められないから,被告大倉に対する差止請求のうち被告各製

品の製造に係る部分には理由がない。

13
イ 廃棄請求について

前記アのとおり,被告大倉が,被告各製品を自ら製造していた事実は

認められず,したがって,その半製品や金型を所有しているとも認めら

れないから,被告大倉に対する廃棄請求のうち被告各製品の半製品及び

金型の廃棄を求める部分には理由がない。

なお,被告各製品の廃棄請求については,前記(1)イのとおり回収さ

れたという被告各製品の所有者が,被告らのいずれであるかが明らかで

ないため,被告大倉に対しても廃棄を命じることとする。

第5 結論

以上のとおりであるから,原告の請求は,主文記載の限度において理由が

ある。

よって,主文のとおり判決する。

大阪地方裁判所第26民事部



裁 判 長 裁 判 官 山 田 陽 三




裁 判 官 達 野 ゆ き




裁 判 官 西 田 昌 吾




14
(別紙)

被告製品目録



製品名 浄水器

型 番 CVQ−2000EX及びCVQ−2000

構 成

(基本的構成態様)

A 全体は縦長の直方体形状であり,正面,背面及び左右両側面は縦長の長

方形で,上面及び底面は横長の長方形である。

(具体的構成態様)

B−1 正面及び背面は,その高さと幅の比がそれぞれ概ね4:3であり,

B−2 背面には,右上方に円形線が表されている。

C−1 左右両側面は,その高さと幅の比がそれぞれ概ね8:3であり,

C−2 右側面は,右縦辺の上下各端部寄りに,小さな円形及び2本の平行

線が表されており,

C−3 左側面も右側面と対称である。

D−1 上面及び底面は,その縦と横の長さ比がそれぞれ概ね1 2であり,


D−2 上面には,上下辺の約7分の5の長さと,左右辺の約3分の2の長

さからなる長方形の線模様が表され,

D−3 かつ,上面の上辺側には,左右2個の同型の管接続部2組が膨出し

ている。

以 上




15
(別紙)

本件意匠目録



意匠の説明】左側面図は,右側面図と対称に表れるので省略する。



【斜視図】 【正面図】 【背面図】




【右側面図】 【平面図】 【底面図】

以 上



16