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審判番号(事件番号) データベース 権利
平成19ネ10097損害賠償請求控訴事件 判例 意匠
平成21ネ2110損害賠償請求控訴事件 判例 意匠
平成17行ケ10135審決取消(意匠)請求事件 判例 意匠
平成17ネ617損害賠償請求控訴事件 判例 意匠
平成22行コ10004異議申立棄却決定取消請求控訴事件 判例 意匠
関連ワード 物品 /  形状 /  3条1項2号 /  必然的形状 /  完成品 /  登録意匠 /  差止請求(差止) /  類似性(類否判断) / 
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事件 平成 13年 (ネ) 2616号 意匠権侵害差止等請求控訴事件

控訴人(1審原告) A
同訴訟代理人弁護士 石井成明
被控訴人(1審被告) 相生精機株式会社
同訴訟代理人弁護士 鳩谷邦丸
同 別城 信太郎
裁判所 大阪高等裁判所
判決言渡日 2001/12/06
権利種別 意匠権
訴訟類型 民事訴訟
主文 1 本件控訴を棄却する。
2 控訴費用は控訴人の負担とする。
事実及び理由
当事者の求めた裁判
1 控訴人 (1) 原判決を取り消す。
(2) 被控訴人は,原判決添付別紙イ号物件目録に記載したフープ材カッターの製造,販売,又は販売若しくは貸渡しの申出をしてはならない。
(3) 被控訴人は,その本店,営業所及び工場において所有する前項記載のフープ材カッター(完成品)及びその半製品を廃棄せよ。
(4) 被控訴人は,その本店,営業所において所有する第(2)項記載のフープ材カッターの販売の申出のためのカタログを廃棄せよ。
(5) 訴訟費用は,1,2審を通じ,被控訴人の負担とする。
2 被控訴人 主文同旨
当事者の主張
次に控訴人の原判決に対する不服の主張を付加するほか,原判決「事実」中の「第2 当事者の主張」に記載のとおりであるから,これを引用する。
ただし,原判決5頁23〜24行目の「丸棒状の脚枠」を「丸棒状の2個の脚」と,6頁17行目の「たいして」を「対して」と各改め,8頁1行目の「モータと」を削り,9頁5〜6行目の「丸棒状の二個の脚枠」を「丸棒状の2個の脚からなる脚枠」と,原判決添付の別紙「(イ)号物件目録」を「イ号物件目録」と各改める。
1 原判決は,箱型本体について,本件登録意匠では,長方形で二段になっており,側面から見た場合,左右に長く,また,モータが配設されている側が円弧状になっているのに対し,イ号意匠では,一体型の長方形であり,側面から見た場合,前後に長い点で,相違するとし,次に,当てつけ板とガイド板について,本件登録意匠では,ガイド板の傾きが水平方向に近い傾きになっており,また,ガイド板の長さが側方から確認できる程度に長いのに対し,イ号意匠では,ガイド板の傾きが垂直方向に近い傾きになっており,また,ガイド板の長さが短く側方から確認できない点で,相違するとし,さらに,脚枠について,本件登録意匠が丸棒状であるのに対し,イ号意匠が1枚の鋼板からなり,また,キャスターが付設されている点で,相違するとしている。
しかしながら,原判決の挙げるこれらの各相違点は,いずれも微差にすぎず,看者に与える視覚的印象は相当程度類似する。
2 原判決は,本件意匠の要部の認定にあたり,乙1により,箱型本体の上側におけるモータ,フープ材投入口とこれらの配置状態が,本件登録意匠の登録出願時において新規なものとは認められないとして,本件意匠のスタンドタイプの意匠を要部と認めない。
しかし,乙1は特許公報であって,スタンドタイプの意匠までが本件登録意匠の登録出願時において公知であったとはいえない。
3 原判決は,本件意匠の要部の認定上,基本構成が新規なものでないと誤認するとともに,両者の類否判断において,相違点が微差であるにもかかわらず,看者に与える視覚的印象が相当程度異なるものと判断したもので,取り消されなければならないものである。
理 由1 次に付加,訂正するほか,原判決「理由」に記載のとおりであるから,これを引用する。
(1) 原判決10頁18行目の「弁論の全趣旨」の次に「並びに上記争いがない事実」を加え,11頁2行目の「斜めに傾斜する」を「水平方向に近く斜めに傾斜する長板の」と,同8行目の「対をなして」を「一対をなして」と,同18行目の「乙8の1ないし3」を「甲6,7,乙7,8の1〜3」と各改め,同22行目の「箱型本体を」の次に「,コの字型の鋼板の一部をなす幅広の支持板を介して,」を加え,同24行目の「斜めに立設するガイド板と」を「垂直方向に近く斜めに立設する長方形の短片のガイド板と,箱型本体及び当てつけ板に垂直に設置されて」と改める。
(2) 12頁1行目冒頭から同4行目末尾までを次のとおり改める。
「(エ) 幅広の支持板には,箱型本体を傾斜させつつ支持するための弧状のガイド溝が配設されている。
(オ) 脚枠は左右一対のコの字型の鋼板と下部のコの字状の枠杆とからなり,また,脚枠の下部にはキャスターが左右各2個接続されているとともに,後側部には左右各1個のずれ防止用固定ボルトが配設されている。」 (3) 12頁14行目の「美観」を「美感」と改め,同21行目の次に改行して,次のとおり加える。
「証拠(乙1〜3。なお,乙1の特許公報は,意匠法3条1項2号の刊行物に当たる。)によれば,フープ材投入口を前側部に,モータをその後側部に配設するという配列は,機能上からくる必然的形状であり,少なくとも,かかる配列は,公知となっていて,ありふれた形状というべきであり,次に,長方形の箱型本体を左右一対の脚枠に支持してなるというスタンドタイプの構成も,公知の事実となっていて,ありふれた形状というべきである。
したがって,本件登録意匠の要部は,箱型本体,支持板及び脚枠の各形態とその結合形態に求められる。」 (4) 12頁22行目の「このような本件物品の特徴に」を「以上のような点に」と,13頁2行目の「,比較的大きくて目立つ」を「長板の」と,同5行目の「丸棒状の二対」を「丸棒状の2本の脚からなる一対」と,同15行目の「原告主張のような限定を加えることは相当ではない。」を「控訴人主張部分の意匠が本件登録意匠の要部とはいえない。」と各改め,同17行目の「以上の点」から14頁5行目末尾までを次のとおり改める。
「ア 本件登録意匠の構成とイ号意匠の構成とを対比すると,次の点において共通している。
(ア) 正面から見て,長方形の箱型本体の上側に,フープ材の投入口を前側部に,モータをその後側部にそれぞれ配置するとともに,前記箱型本体を,支持板を介して,左右の脚枠で支持したスタンド型を呈してなるものである。
(イ) 前記フープ材の投入口は,垂直に立設する当てつけ板と,これの前側に,フープ材の投入間隔を置いて,ガイド板と,箱型本体及び当てつけ板に垂直に設置されてガイド板の左右に配設された2枚の板からなる。
(ウ) モータは円筒状をなす。
(エ) 支持板には,箱型本体を傾斜させつつ支持するための弧状のガイド溝が配設されている。
(オ) 左右一対の脚枠がある。
イ 本件登録意匠の構成とイ号意匠の構成とを対比すると,次の点において相違している。
(ア) 箱型本体が,正面から見て,本件登録意匠は,前後方向に長く,後方を円弧状とした二段からなっているのに対し,イ号意匠は,左右方向に長くなっている。
(イ) ガイド板が,本件登録意匠は,水平方向に近く斜めに傾斜する長板であるのに対し,イ号意匠は,垂直方向に近く斜めに立設する長方形の短片である。
(ウ) モータが,本件登録意匠は,円筒状というだけであるのに対し,イ号意匠は,円筒側面部に縦方向のヒダがある。
(エ) 支持板が,本件登録意匠は,長方形の短片であるのに対し,イ号意匠は,コの字型の鋼板の一部をなす幅広の板である。
(オ) 脚枠が,本件登録意匠は,丸棒状の2本の脚からなるのに対し,イ号意匠は,コの字型の鋼板と下部のコの字状の枠杆とからなり,また,脚枠の下部にはキャスターが左右各2個接続されているとともに,後側部には左右各1個のずれ防止用固定ボルトが配設されている。
ウ 上記相違点(ア)は,本件登録意匠の要部@に,(イ)は,要部Aに,(エ)及び(オ)は,要部Cにそれぞれかかるものであり,イ号意匠は,同各相違点において,本件登録意匠の要部をなす構成を備えておらず,その相違は,視覚を通じての美感において異なった印象を与えるというべきである。」2 結論 よって,原判決は正当であり,本件控訴は理由がないから,主文のとおり判決する。
(口頭弁論終結日 平成13年10月4日)
裁判長裁判官 竹原俊一
裁判官 若林諒
裁判官 山田陽三
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