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審判番号(事件番号) データベース 権利
平成19ネ10097損害賠償請求控訴事件 判例 意匠
平成21ネ2110損害賠償請求控訴事件 判例 意匠
平成17行ケ10135審決取消(意匠)請求事件 判例 意匠
平成17ネ617損害賠償請求控訴事件 判例 意匠
平成22行コ10004異議申立棄却決定取消請求控訴事件 判例 意匠
関連ワード 意匠の実施 /  意匠の創作 /  物品 /  形状 /  模様 /  意匠に係る物品 /  創作非容易性 /  新規性 /  公然知られた(3条1項1号) /  頒布された刊行物 /  記載された意匠 /  意匠の類否 /  登録意匠 /  類似性(類否判断) / 
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事件 平成 18年 (ネ) 10084号 謝罪広告等請求控訴事件
控訴 人(原審原告)X
被控訴人(原審被告)横浜ゴム株式会社
訴訟代理人弁護士上谷清,永井紀昭,萩尾保繁,山口健司,薄葉健司
補佐人弁理士水野みな子,川崎典子
裁判所 知的財産高等裁判所
判決言渡日 2007/03/27
権利種別 意匠権
訴訟類型 民事訴訟
主文 本件控訴を棄却する。
控訴費用は控訴人の負担とする。
事実及び理由
全容
第1当事者の求めた裁判1控訴人「原判決を取り消す。被控訴人は控訴人に対し,原判決添付別紙1「謝罪広告指定内容」記載の謝罪広告を,スポーツ新聞紙各紙(サンケイスポーツ,日刊スポーツ,東京スポーツ,デイリースポーツ,西日本スポーツ,中日スポーツ,スポーツ報知,スポニチ大阪)及びゴルフ関連情報誌各誌(ゴルフトゥディ,アルバ,週間,,,, パーゴルフ 週間ゴルフダイジェスト 月刊ゴルフダイジェスト ゴルフワッグル,, )。 ゴルフトライ ゴルフクラシック ティアップゴルフマガジン に各3回掲載せよ訴訟費用は,第1,第2審とも被控訴人の負担とする 」との判決。。
2被控訴人主文と同旨の判決。
第2事案の概要本件は,ゴルフ用ボールマーカー(以下,単に「ボールマーカー」ともいう )。
に係る意匠権(以下「本件意匠権」といい,本件意匠権に係る登録意匠を「本件登録意匠」という )を有する控訴人が,被控訴人に対し,被控訴人が製造し譲渡し 。
たボールマーカーの意匠(以下,このボールマーカーを「被控訴人製品」といい,被控訴人製品の意匠を「被控訴人製品意匠」という )が,控訴人の本件意匠権を 。
侵害すると主張して,意匠法41条,特許法106条に基づき,謝罪広告を求めた事案である。
原判決は,被控訴人製品意匠は本件登録意匠に類似せず,被控訴人製品の製造及び譲渡は本件意匠権を侵害する行為でないとして,控訴人の請求を棄却した。
1当事者間に争いがない事実( )本件意匠権1控訴人は,下記意匠権(本件意匠権)を有している。
登録意匠番号:登録第1217691号出願日:平成16年2月18日登録日:平成16年8月6日意匠に係る物品:ゴルフ用ボールマーカー(「」。) 登録意匠の構成:原判決添付別紙2の意匠公報 以下 本件意匠公報 というに記載のとおり( )被控訴人製品の製造・譲渡2被控訴人は 「プロギアボールマーカー」と称するボールマーカー(被控訴人 ,製品)を製造し,平成16年10月ころから,販促品として無償譲渡していた。
( )被控訴人製品意匠の構成3被控訴人製品意匠の構成は,以下のとおりである。
ア基本的構成球体の一部を切り取ってできた円盤状であって,上面は,膨出する表面に円凹弧面状のディンプルが複数配されており,底面は,水平状かつ同心円状に表れる。
イ具体的態様 上面に配されたディンプルは,いずれも略同径である。
 ディンプルの配列は,略同径のディンプルが複数相互に近接して配されている。
 上面と底面際の間に周側面を形成する滑面状立ち上がり壁がある。
 底面は,外輪郭線の内側に二重の同心円が表れる態様である。
 上面の略同径ディンプル群の中央に,個々のディンプルの径より天地が長い4個の大文字「「「「 」が横直線状に近接して刻み込まれており,さPRGR」,」,」,らに,当該文字の下方に当該文字と平行に「」という小さな大文字が横直線GOLF状に刻み込まれている。
2争点控訴人は,被控訴人製品意匠が本件登録意匠と類似するものであり,被控訴人が被控訴人製品を製造して譲渡した行為は,本件意匠権の侵害に当たると主張し,被控訴人は,被控訴人製品意匠が本件登録意匠と類似することを争い,被控訴人が被, 。 控訴人製品を製造して譲渡した行為は 本件意匠権の侵害に当たらないと主張するしたがって,本件の争点は 「被控訴人製品意匠が本件登録意匠と類似するか否 ,か」という点である。
3争点についての当事者の主張(控訴人の主張)被控訴人製品意匠は,下記のとおり,本件登録意匠と類似するものであり,被控訴人が被控訴人製品を製造,譲渡した行為は,本件意匠権の侵害に当たるものである。
( )本件登録意匠は,全体がドーム形状であり,表面にエンボス加工を施して,1複数の凹陥部(ディンプル)を形成し,内部にマグネットを有するという点に特徴がある。
( )従前の市販のボールマーカーは,コインのような円板形状をしており,これ2は,グリーン上に置いて,視線を低くして見た場合に見え難くなるという欠点を有していた。このような円板形状のボールマーカーは,あくまで,ゴルフボールの位置をマークするという役割だけを果たすものであった。
これに対し,本件登録意匠に係る実施品は,隆起したドーム形状であるために,距離を置いて見た場合にも容易に見ることができ,そのために,グリーン上をボールが転がるラインを予測することができ,ボールとカップを挟んだ逆方向からのライン読みも可能となったものである。
このように,ボールマーカーをドーム形状としたことは,画期的なことである。
( )被控訴人製品意匠は,上記( )の本件登録意匠の特徴をすべて備えるもので3 1ある。原判決は,ディンプルの細かいデザインや「「」等のロゴを PRGRGOLF 」,問題とするが,そのようなものは,距離を置いて見た場合には識別が不可能であって,問題とすべきものではない。
したがって,本件登録意匠の特徴をすべて備える被控訴人製品意匠が,本件登録意匠と類似することは明らかである。
(被控訴人の主張)原判決の判断は正当であって,被控訴人製品意匠は,本件登録意匠と類似するものではなく,したがって,被控訴人が被控訴人製品を製造して販売した行為は,本件意匠権を侵害する行為ではない。
( )控訴人の主張( )は否認する。本件登録意匠の要部は,原判決が認定したと11,「,, , , , おりその上面の具体的態様 すなわち 上面に配されたディンプルに 大 中小の3種類の大きさがあり,大ディンプルは,縦横十文字に合計9個,当該十文字の中間45度の位置の上面外縁付近に合計4個が,それぞれ配され,小ディンプルは,上面の中心の大ディンプルとその周囲の4個の大ディンプルが作る隙間に,等間隔に4個配され,中ディンプルは,上面外縁付近に配された4個の大ディンプル, ,, と 縦横十文字に配された大ディンプルとの間に各5個 合計20個配されておりこれらディンプルは,上面と底面との際まで表されているという構成」にある。そして,被控訴人製品意匠は,本件登録意匠の要部である上記「上面の具体的態様」, ,, との対比において ディンプルの大きさや配列などの点で 相当程度異なっており両意匠は全く異なる美感を呈するものであって,類似しないことは明らかである。
( )同( )のうち,従前の市販のボールマーカーがコインのような円板形状をし22ていたことは否認する。ゴルフ用ボールマーカーにおいて,球体の一部を切り取ってできた円盤状で,上面は,膨出する表面に円凹弧面状のディンプルが複数配されている構成を採用することは 実開平6-44568号公報 乙第5号証 以下 乙 , (。「5文献」という )に示されているとおり,公然知られていたものである。 。
,。, , 同( )のうち その余の事実は不知 なお 本件登録意匠の実施品に係る主張が2そのとおりであったとしても,それらは本件意匠公報の記載から判別し得ない事項であり,かつ,意匠権の保護対象ではない機能に関するものであるから,本件登録意匠の要部とは無関係である。
( )同( )の主張は争う。
33第3当裁判所の判断1争点(被控訴人製品意匠が本件登録意匠と類似するか否か )について。
( )本件登録意匠の構成及び要部1ア本件登録意匠の構成本件意匠公報(乙第1号証)によれば,本件登録意匠の基本的構成及び具体的態様は,以下のとおりであると認められる。
 基本的構成球体の一部を切り取ってできた円盤状であって,上面は,膨出する表面に円凹弧面状のディンプル(凹陥部)が複数配されており,底面は,水平状で,同心円状の模様が表れている。
 具体的態様a上面に配されたディンプルには,おおむね大,中,小の3種類の大きさがある。
, (), b大ディンプルは 上面の中心を通過するように垂直 縦 方向に直列に5個同じく上面の中心を通過し,上記垂直方向の直列と中心の1個を共通にして十文字を形成するように水平(横)方向に直列に5個,合計9個が配され,さらに,上記十文字の中心から,縦横の直列がなす直角の中間45度の方向で,上面外縁付近に各1個,計4個配されている。小ディンプルは,上面の上記十文字の中心である大ディンプルとその周囲の4個の大ディンプルが作る隙間に,等間隔に4個配されている。中ディンプルは,上面外縁付近に配された4個の大ディンプルと縦横十文字に配された大ディンプルとの間に各5個,合計20個配されている。
cディンプルは,上面全体に底面の際まで配されている。
d底面には,外輪郭線の内側に一つの同心円が表れている。
イ本件登録意匠の要部 意匠の類否判断に当たっては,意匠全体の観察を要するものの,意匠に係る物品の各部位における構成に対する判断の比重がすべて等しいというわけではなく,取引者・需要者の注意を最も惹きやすい部分を意匠の要部として把握し,両意匠が要部において構成態様を共通にするか否かを中心に観察して,両意匠が全体として美感を共通にするか否かを判断すべきものである。そして,この場合に,意匠の要部は,意匠に係る物品の性質,用途,使用態様等を考慮するほか,その意匠の各部が公然知られた意匠に係るものと同一の意匠に係る部位であるか,新規な創作の意匠に係る部位であるか等を斟酌して,認定すべきものである。
したがって,意匠の要部の認定は,意匠に係る物品の取引者・需要者がどのような者であるか,その用途や使用態様がどのようなものであるか,意匠の各部位が公然知られたものであるか否か等の事実の認定を経て行うこととなるものである。
 取引者・需要者乙第3,第4号証及び弁論の全趣旨によれば,ゴルフ競技において,ボールマーカーは,ボールがグリーンに載った場合,その他ルールによって必要とされる場合に,地表からボールを拾い上げる際,ボールのあった位置を示す目印として地表に置くものであること,また,ボールマーカーは,ゴルフ場にも備えられているが,その意匠を趣味や楽しみの対象として個人用のものが使用されることも多いことが認められ,この事実によれば,ボールマーカーの取引者・需要者は,主として,趣味又はスポーツとしてゴルフを行う一般の競技者であることが認められる。
 用途・使用態様ボールマーカーの用途及び使用態様は上記 のとおりであるから,ボールマーカーの主な需要者である一般のゴルフ競技者は,自己の趣味や粋を意匠として表現し得る上面に最も注意を惹かれる反面,その使用時に地表と接着し,視認し得ない底面に注意を惹かれることはないものと推認される。
 公知事実乙5文献は,名称を「ゴルフ用マーカーの携帯機構」とする考案に係る公開実用新案公報であって(考案の詳細な説明の段落【】の記載によれば 「ゴルフ用0001 ,マーカー」は,ボールマーカーを意味することが認められる,公開日を平成6年。), (【】 6月14日とするものであるが 考案の詳細な説明の実施例に係る記載 段落0010〜【)中に 「図1ないし図3において,1はゴルフ用マーカーで,本体2は 0015 】,金や銀,プラチナ等の貴金属やプラスチックその他の素材で作成されている。そしてその表面にはゴルフボールの表面状態に類似したディンプル3が形成され,使用時の滑りを防止している(段落【)との記載があり,図1〜3には,球体 。」】0011の一部を切り取ってできた円盤状であって,上面は,膨出する表面に円凹弧面状のディンプルが複数配された構成の意匠に係るボールマーカーが図示されている。
そうすると,ボールマーカーにおいて 「球体の一部を切り取ってできた円盤状 ,で,上面は,膨出する表面に円凹弧面状のゴルフボールの表面のディンプルに類似したディンプルが複数配されている」構成を意匠の一部として採用することは,本件登録意匠出願(平成16年2月18日)前に公然知られていたものであることが認められる。なお,乙5文献は,上記のとおり,公開実用新案公報であり,かつ,上記実施例を含め,上記考案が実施されたか否かも明らかではないが,乙5文献が頒布された刊行物であることは明らかであるから,上記事情は,乙5文献に記載された上記意匠が公然知られていたと認めることの妨げとはならない(平成18年法律第55号による改正前の意匠法3条参照 。) 上記  〜  の各事実によれば,本件登録意匠において,取引者・需要者の注意を惹かない底面の意匠は要部とはならず,また,上面の意匠のうちでも,本件登録意匠の登録前に公然知られていた 「球体の一部を切り取ってできた円盤状で, ,上面は,膨出する表面に円凹弧面状のゴルフボールの表面のディンプルに類似したディンプルが複数配されている」構成自体も,創作性が低いから本件登録意匠の要部とはなり得ないものといわざるを得ない。そして,上記乙5文献の存在にもかかわらず,本件登録意匠の登録がなされたことにかんがみると,本件登録意匠は,専ら,上面のディンプルの大きさ及び配置の態様に創作非容易性が認められたものと推認され,このことは,ディンプルの形状(円形か六角形かなど ,大きさ,配置)の態様等にのみ差異があるゴルフボールにつき,複数の意匠登録がなされ(乙第6号証の1,2,乙第7号証の1〜8 ,ゴルフボールの創作非容易性がこれらの点 )において認められているものと推認されることと符合するものである。
そうすると,本件登録意匠の要部は,上記アの の具体的態様のうちの,a〜cに係る上面に配されたディンプルの大きさ及び配置の態様(下記に再説する )に。
あるものと認められる。
a上面に配されたディンプルには,おおむね大,中,小の3種類の大きさがある。
b大ディンプルは,上面の中心を通過するように垂直(縦)方向に直列に5個,同じく上面の中心を通過し,上記垂直方向の直列と中心の1個を共通にして十文字を形成するように水平(横)方向に直列に5個,合計9個が配され,さらに,上記十文字の中心から,縦横の直列がなす直角の中間45度の方向で,上面外縁付近に各1個,計4個配されている。小ディンプルは,上面の上記十文字の中心である大ディンプルとその周囲の4個の大ディンプルが作る隙間に,等間隔に4個配されている。中ディンプルは,上面外縁付近に配された4個の大ディンプルと縦横十文字に配された大ディンプルとの間に各5個,合計20個配されている。
cディンプルは,上面全体に底面の際まで配されている。
 控訴人は,本件登録意匠につき,全体がドーム形状であり,表面にエンボス加工を施して,複数の凹陥部(ディンプル)を形成し,内部にマグネットを有するという点に特徴があると主張するところ,この主張は,これらの点が,本件登録意匠の要部であるとの趣旨と解される。
しかしながら,まず,内部にマグネットを有するという点は,本件意匠公報に全く表されていない点であり,本件登録意匠の要部はおろか,本件登録意匠の構成をなすものと認めることもできない。なお,控訴人は,本件登録意匠の実施品であるとして,検甲第2,第3号証を提出するところ,仮に,これらが本件登録意匠の実施品に当たり(実際には,実施品にも当たらないことは後記のとおりである,。)かつ,内部にマグネットを有するとしても,登録意匠と,その意匠権を侵害すると主張された他の意匠との類否判断は,当該登録意匠に係る意匠公報に記載された意匠に基づいて行われるべきものであるから,本件意匠公報に,本件登録意匠が,内部にマグネットを有するものとして表されていない以上,この点を本件登録意匠に係る構成・要部と主張することはできない。
次に,表面にエンボス加工を施し複数のディンプルを形成する点は,本件登録意匠の上面について見られる点であるが,上記のとおり,上面の表面にディンプルを複数配する構成自体は,乙5文献に記載され,公然知られたものであって,それ自体が本件登録意匠の要部とはいえず,単に,当該ディンプルの大きさ及び配置の態様が要部と認められるものである。
さらに,全体がドーム形状であるとは,本件登録意匠の基本的構成のうち,球体, , の一部を切り取ってできた円盤状であって 上面が膨出する点をいうものであるがこの点も,上記のとおり,乙5文献に記載され,公然知られたものであって,本件登録意匠の要部と認めることはできない。なお,この点に関し,控訴人は,本件登録意匠がドーム形状であるために,その実施品は,距離を置いても容易に見ることができ,グリーン上をボールが転がるラインを予測するライン読みが,カップの反, , 対側からも可能となったものであって ボールマーカーをドーム形状としたことは画期的なことであるとも主張する。しかしながら,乙5文献に記載されたボールマーカーの意匠も,球体の一部を切り取ってできた円盤状であって,上面が膨出するもの(控訴人のいう「ドーム形状」のもの)であるから,仮に,本件登録意匠が主張の効果を奏するのであれば,乙5文献に記載されたボールマーカーの意匠も同様,, 。, の効果を奏するはずであり 当該効果は 新規のものということができない また意匠法によって保護される「意匠」とは 「物品・・・の形状,模様若しくは色彩 ,又はこれらの結合であつて,視覚を通じて美感を起こさせるものをいう(意匠法。」2条1項)のであるから,意匠に係る特定の部分の構成によって生起する美感により,技術的な効果も併せ生ずるような場合であっても,当該特定の部分の意匠に係る構成が要部たり得るかどうかは,当該美感を生起させる構成であるという点のみを考慮して判断すれば足りるものであって,技術的な効果を考慮の対象として含める必要はない。したがって,控訴人の上記主張も失当である 甲第3号証(弁理士作成の所見書)には,乙5文献の図1〜3記載の意匠においては,円状の模様箇所(ディンプル)が隆起した上面の表面全体に占める割合(甲第3号証には「非模様箇所に占める割合」と記載されているが,誤記であると認められる )が圧倒的に小さいのに対し,本件登録意匠では,凹陥部箇所(ディ 。
ンプル)が隆起した上面の表面全体に占める割合(甲第3号証には「非凹陥部箇所に占める割合」と記載されているが,前同様,誤記であると認められる )が圧倒。
, , 的に大きく その相違がそれぞれの意匠から受ける美感の中で特に印象に残るとし上記の点に創作非容易性(甲第3号証では「新しさ」と記載されているが,新規性ではなく,創作非容易性の趣旨であるものと認められる )が認められて,本件登 。
録意匠の登録がなされた旨の記載があるところ,この記載は,凹陥部箇所(ディンプル)が隆起した上面の表面全体に占める割合が大きい点をもって,本件登録意匠の要部であるとする趣旨を含むものと解される。
しかしながら,ディンプルの上面の表面全体に占める割合が圧倒的に大きいか,圧倒的に小さいかという点に創作非容易性が認められて,本件登録意匠の登録がさ,, , , れたとの点は 上記乙第6号証の1 2 乙第7号証の1〜8によって認められるゴルフボールに係る意匠登録における創作非容易性の判断と明らかに齟齬するものであるが(上記乙第6号証の1,2,乙第7号証の1〜8記載のゴルフボールの意,, 。), 匠は すべて ディンプルの表面全体に占める割合が圧倒的に大きいものである上記甲第3号証には,その齟齬につき何らの説明もなく,そうであれば 「表面に,はゴルフボールの表面状態に類似したディンプル3が形成され (段落【)た」】0011乙5文献記載のボールマーカーとの関係における,本件登録意匠創作非容易性の判断の根拠として,上記甲第3号証の記載は首肯し難く,したがって,凹陥部箇所(ディンプル)が隆起した上面の表面全体に占める割合が大きい点をもって,本件登録意匠の要部であるとする点も,前提を欠くものであって,採用することはできない。
( )被控訴人製品意匠の構成2被控訴人製品意匠の構成は,上記第2の1(当事者間に争いがない事実)の( ) 3のとおりである(下記に再説する。。)ア基本的構成球体の一部を切り取ってできた円盤状であって,上面は,膨出する表面に円凹弧面状のディンプルが複数配されており,底面は,水平状かつ同心円状に表れる。
イ具体的態様 上面に配されたディンプルは,いずれも略同径である。
 ディンプルの配列は,略同径のディンプルが複数相互に近接して配されている。
 上面と底面際の間に周側面を形成する滑面状立ち上がり壁がある。
 底面は,外輪郭線の内側に二重の同心円が表れる態様である。
 上面の略同径ディンプル群の中央に,個々のディンプルの径より天地が長い4個の大文字「「「「 」が横直線状に近接して刻み込まれており,さらに,当該文字の下方PRGR」,」,」,に当該文字と平行に「」という小さな大文字が横直線状に刻み込まれている。
GOLF( )類否判断3ア本件登録意匠を,その要部において,被控訴人製品意匠と比較すると,以下のような相違点がある。
,, , 上面の膨出する表面に配されたディンプルが 本件登録意匠においては 大中,小の3種類の大きさがあるのに対し,被控訴人製品意匠においては,いずれも略同径である。
 本件登録意匠においては,大ディンプルは,垂直(縦)方向と水平(横)方向の十文字に計9個が,上記十文字の中心から,縦横の中間45度の方向の上面外縁付近に計4個が配され,小ディンプルは,上面の中心の大ディンプルと周囲の大ディンプルが作る隙間に,等間隔に4個配され,中ディンプルは,上面外縁付近に配された4個の大ディンプルと縦横十文字に配された大ディンプルとの間に各5個,計20個配されているのに対し,被控訴人製品意匠においては,略同径のディンプルが複数相互に近接して配されており,その数は約45個である(被控訴人製品意匠におけるディンプルの数につき,検甲第4号証,検乙第1号証 。) 本件登録意匠においては,上面にディンプル以外,何も表されていないのに対し,被控訴人製品意匠においては,上面のディンプル群の中央に,個々のディンプルの径より天地が長い4個の大文字「「「「 」が横直線状に近接しPRGR」,」,」,て刻み込まれており,さらに,当該文字の下段に2番目の「 」の文字の左端からR4番目の「 」の左端にかけて当該文字と平行して,天地の長さを個々のディンプ Rルの径のほぼ2分の1とする大文字により「」と刻み込まれている(被控訴 GOLF人製品意匠の「」との文字の位置及び大きさにつき,検甲第4号証,検乙第 GOLF1号証 。) 本件登録意匠は,ディンプルは,上面全体に底面の際まで配されているのに対し,被控訴人製品意匠は,上面と底面際の間に周側面を形成する滑面状立ち上がり側壁があり,当該側壁にはディンプルは表されていない(被控訴人製品意匠の側壁にディンプルが表されていない点につき,検甲第4号証,検乙第1号証 。)イ以上のとおり,被控訴人製品意匠と本件登録意匠とは,基本的構成を同じくするものの,要部の構成において相違しており,その相違は,ボールマーカーの上面全体に及んでいて,微小なものとはいえないから,被控訴人製品意匠は,全体として本件登録意匠とは美感を異にするというべきである。
ウなお,控訴人は,本件登録意匠の実施品であるとして,検甲第2,第3号証のボールマーカーを提出するが,これらのボールマーカーは,検甲第2号証のものにおいて,ディンプルが上面全体に底面の際まで配されている点を除き(検甲第3号証のものは,上面と底面際の間に周側面を形成する立ち上がり側壁が認められる,上記本件登録意匠の要部の構成をもたないものであるから,本件登録意匠の 。)実施品とはいえず,これと被控訴人製品意匠とを比較しても,本件登録意匠と被控訴人製品意匠との類否判断において意味をもち得ない。
2以上によれば,控訴人の請求は,その余の点について判断するまでもなく理由がないから,これを棄却した原判決は相当であり,本件控訴は理由がない。
裁判長裁判官 塚原朋一
裁判官 石原直樹
裁判官 野輝久
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