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審判番号(事件番号) データベース 権利
平成21ワ2726意匠権侵害差止等請求事件 判例 意匠
平成20ワ13282損害賠償 判例 意匠
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事件 平成 18年 (ワ) 8794号 不正競争行為差止等請求事件
原告株式会社カクタスコーポレーション
訴訟代理人弁護 士平野和宏
訴訟代理人弁理 士岸本忠昭
被告株 式会社ファブレス
訴訟代理人弁護 士室谷和彦
補佐人弁理士中谷武嗣
裁判所 大阪地方裁判所
判決言渡日 2009/12/10
権利種別 意匠権
訴訟類型 民事訴訟
主文 1 原 告 の 請 求 を い ず れ も 棄 却 す る 。
2 訴 訟 費 用 は 原 告 の 負 担 と す る 。
事実及び理由
全容
第1請求の趣旨【主位的請求】1被告は,別紙被告商品目録1第1項(商品名)及び第2項(対応車種)に記載の自動車のフロントテーブルを製造し,販売し,又は販売のために展示してはならない。
2被告は,前項記載の自動車のフロントテーブル及び別紙被告商品目録2記載のカップホルダ用装飾リングの製造用金型を廃棄せよ。
3被告は,前項記載のカップホルダ用装飾リングを装着した自動車のフロントテーブル,センターテーブル及びサイドテーブルを製造し,販売し,又は販売の申出(販売のための展示を含む )をしてはならない。 。
4被告は,前項記載の自動車のフロントテーブル,センターテーブル及びサイドテーブル並びにカップホルダ用装飾リング製造用金型を廃棄せよ。
5被告は,原告に対し,5796万4556円及びこれに対する平成19年9月5日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
6訴訟費用は被告の負担とする。
7仮執行宣言【主位的請求第3項及び第4項に対する予備的請求】8被告は,別紙被告商品目録2記載のカップホルダ用装飾リングを製造し,使用し,譲渡し,貸し渡し,又は譲渡若しくは貸渡しの申出(譲渡又は貸渡しのための展示を含む )をしてはならない。 。
9被告は,前項記載のカップホルダ用装飾リング及びその製造用金型を廃棄せよ。
第2事案の概要1当事者間に争いのない事実等(末尾に証拠等の掲記のない事実は当事者間に争いがない )。
1当事者()原告は,自動車及び自動車用品の製造販売等を行う株式会社である。
被告は,自動車及び自動車部品の輸出入,販売,修理等を行う株式会社である。
2原告商品の販売()ア原告は,平成15年8月4日より,別紙原告商品目録1の各第1項(商品名)及び第2項(対応車種)記載のフロントテーブル(以下「原告商品1」という )のうち,別紙原告商品目録1-1(A),1-2(A),1- 。
3(A)及び1-4(A)の各第1項(商品名)及び第2項(対応車種)に記載の各商品(以下,同各商品を同目録の標記に対応させて「原告商品1-1A」などといい,これらを併せて「原告商品1A」ともいう )の販売。
を開始した(甲1,2 。)イ原告は,平成16年7月1日より,原告商品1Aのカップホルダ用装飾リングを,ロゴ入りフランジを有する装飾リングに変更した別紙原告商品目録1-1(B),1-2(B),1-3(B)及び1-4(B)の各第1項及び第2項に記載のフロントテーブル(以下,同各商品を同目録の標記に対応させて「原告商品1-1B」などといい,これらを併せて「原告商品1B」ともいう )の販売を開始した(弁論の全趣旨 。 。 )ウ原告は,平成17年7月1日より,カップホルダ用装飾リングの内側に保持部材(以下,単に「保持部材」ともいう )を設けたカップホルダ用 。
装飾リングを装着した別紙原告商品目録1-1(C),1-2(C),1-3(C)及び1-4(C)の各第1項及び第2項に記載のフロントテーブル(以下,同各商品を同目録の標記に対応させて「原告商品1-1C」などといい,これらを併せて「原告商品1C」ともいう )の販売を開始した(弁 。
論の全趣旨 。)3原告の意匠権()原告は,次の意匠登録(以下「本件意匠登録」といい,その登録意匠を「本件登録意匠」という。)の意匠権者である(以下,本件意匠登録に係る意匠権を「本件意匠権」という。。)登録番号第1257568号出願日平成17年5月31日登録日平成17年10月21日意匠に係る物品カップホルダ用装飾リング登録意匠別紙本件登録意匠の図面のとおり4被告商品の販売()ア被告は,平成18年1月より,別紙被告商品目録1記載のフロントテーブル(以下「被告商品1」という )を製造販売している。 。
イ被告商品1には別紙被告商品目録2記載のカップホルダ用装飾リング(以下「被告商品2」という )が装着されているが,被告は被告商品2 。
のみを独立して販売していない。
ウ被告は,被告商品1のほかにも被告商品2を装着した別紙被告商品目録3記載のフロントテーブル(以下「被告商品3」という )を販売してお。
り,また,同様に被告商品2を装着した別紙被告商品目録4記載のセンターテーブル(以下「被告商品4」という )及び別紙被告商品目録5記載 。
のサイドテーブル(以下「被告商品5」という )を販売している(甲4 。
6〜49 。)エ被告は,被告商品2の製造用金型を所有している。
2原告の請求原告は,?被告商品1(1-1ないし1-4)を製造販売する被告の行為は周知な商品表示である原告商品1の形態と類似し同商品と混同を生じさせるおそれがあるものであり,不正競争防止法2条1項1号の不正競争に当たること,?被告商品1(1-1ないし1-4)を製造販売する被告の行為は他人の商品である原告商品1(1-1ないし1-4)の形態を模倣した商品を譲渡する行為に当たり,同項3号の不正競争に当たること,?被告商品2の意匠は本件登録意匠に類似し,被告商品2を製造し被告商品1及び被告商品3ないし5に装着して販売等する被告の行為は本件意匠権を侵害すること,?仮に?の主張が認められないとしても,被告商品2を製造販売する被告の行為が本件意匠権を侵害すること,?被告商品2を装着した被告商品1及び被告商品3ないし5を販売する被告の行為は他人の商品である別紙原告商品目録2-1記載の商品(以下「原告商品2-1」という )又は別紙原告商品目録2-2記載の商品 。
(以下「原告商品2-2」といい,原告商品2-1と併せて「原告商品2」ともいう )の形態を模倣した商品を譲渡する行為に当たり,不正競争防止法2 。
条1項3号の不正競争に当たること,以上をそれぞれ主張して,被告に対して以下の請求をしている。
【主位的請求】1不正競争防止法3条1項に基づく被告商品1の製造販売等の差止め並びに()同条2項に基づく同商品及び被告商品2の製造用金型の各廃棄(上記?関係)2意匠法37条1項に基づく被告商品1の製造販売等の差止め並びに同条2()項に基づく同商品及び被告商品2の各廃棄(上記?関係)3意匠法37条1項に基づく被告商品3ないし5の製造販売等の差止め並び()に同条2項に基づく同商品及び被告商品2の製造用金型の各廃棄(上記?関係)4不正競争防止法4条に基づく損害賠償請求(上記?,?,?関係)及び意()匠権侵害の不法行為に基づく損害賠償請求(上記?,?関係)として,5796万4566円及びこれに対する平成19年9月3日付け訴え変更申立書送達の日の翌日である平成19年9月5日から支払済みまで民法所定年5分の割合による遅延損害金の支払。
【主位的請求第3項及び第4項に対する予備的請求】5意匠法37条1項に基づく被告商品2の製造販売等の差止め並びに同条2()項に基づく被告商品2及びその製造用金型の廃棄(上記?関係)3争点1被告商品1に係る不正競争防止法2条1項1号該当性(争点1) ()………………… ア原告商品1の形態に係る周知商品表示性(争点1-1)…………………………………………………………… イ類似性 (争点1-2)…………………………………………………… ウ混同のおそれ (争点1-3)………………………………… エ営業上の利益侵害の有無等 (争点1-4)2被告商品1に係る不正競争防止法2条1項3号該当性(争点2) ()…………………………………………………… ア実質的同一性 (争点2-1)…………………………………………………………… イ依拠性 (争点2-2)………………………………………………………… ウ保護期間 (争点2-3)3被告商品1ないし5に係る本件意匠権侵害の成否(争点3) ()……………………………………………………… ア意匠の類否 (争点3-1)…………………… イ意匠法3条2項違反の無効理由の有無(争点3-2)…………………………………………… ウ意匠権侵害の成否 (争点3-3)4被告商品1及び被告商品3ないし5に係る不正競争防止法2条1項3号該()当性 (争点4)…………………………………………………… ア他人の商品性 (争点4-1)…………………………………………………… イ実質的同一性 (争点4-2)…………………………………………………………… ウ依拠性 (争点4-3)5不正競争行為に係る故意・過失 (争点5) ()6損害の額 (争点6) ()第3争点に関する当事者の主張1争点1-1(原告商品1の形態に係る周知商品表示性)【原告の主張】1原告商品1の形態に係る商品表示性について()ア原告商品1の特徴について原告商品1は,上下2段のテーブルを設けたフロントテーブルにおいて,下段テーブルの上面に凹みを設け,該凹みの表面にシート材を設けていること,上段テーブルにフランジが銀色のカップホルダ用装飾リングが取り付けられていること,外周面が銀色で上面にシート材を貼付されたコースターが設けられていること,下段テーブル部分及び上段テーブル部分の外周面に銀色のモールが設けられていることによって,フロントテーブル全体に統一感があり,落ち着いた高級感があることを特徴とするものである。
イ被告の主張に対する反論ありふれた形態ではないこと(ア)商品形態に商品表示性が認められるためには,需要者が特定の主体の商品であることを理解できる程度の識別力を備えたものであれば足りる。
原告商品1の形態の特徴は,前記各構成部分が有機的に結合して,全体的な統一感,高級感を奏するものであるから,仮に商品形態のうちの一部分がそれぞれ別個に存在するからといって,その識別力が否定されるものではない。
被告が指摘する平成14年1月16日発行の「スタイルワゴン (甲」18の資料2)に掲載されたオートガレージ販売のフロントテーブルには,下段テーブル上面に凹みがなく,シート材も設けられていないことは明らかであるが,他の商品形態が不鮮明であり,外周面が銀色で上面にシート材を貼付されたコースターが設けられていることや,下段テーブル及び上段テーブルの外周面に銀色のモールが設けられているかどうかは判然としない。仮に,これらが同フロントテーブルに設けられていたとしても,同フロントテーブルの販売数量は不明であり,また,同フロントテーブルは,原告商品1の販売開始前に原告が製造販売していたフロントテーブルの模倣品である。
また,被告が指摘する平成13年1月10日発行の「ドレスアップマニュアル (甲18の資料1)に掲載されたエム商マジックジャパン販 」売のフロントテーブルは,凹みはあるものの,該凹みは下段テーブルのほぼ全面にわたる大きなものである上,シート材は貼付されておらず,カップホルダ用装飾リングのフランジは銀色でなく,コースターも設けられていない。しかも,同フロントテーブルの販売数量も不明である。
したがって,被告が主張するフロントテーブルが原告商品1の販売開始前に販売されていたとしても,原告商品1の形態が商品表示性を有するとの結論に影響しない。
機能的な形態ではないこと(イ)商品の形態が,その機能に由来する制約を受けるとしても,形態全体には,取引者,需要者の好み等を考慮して製造者が選択し得る一定の幅が存在する。それにもかかわらず,他人の商品形態と同一又は類似の商品形態を選択することは許されない。
しかるところ,被告は,原告商品1とは異なる商品形態のフロントテーブルが存在するにもかかわらず,原告商品1と実質的に同一の商品形態を使用しているのである。
エピ調,エピデザインについて(ウ)被告が主張する「エピ」はルイ・ヴィトンが当該柄を使用する権利を独占しているものではない。したがって,エピ調,エピデザインを使用していることをもって,権利濫用であるとする被告の主張は失当である。
「D.A.D」及び「GARSON」なる文字標章について(エ)「D.A.D」なる文字標章及び「GARSON」なる文字標章は,異なる文字からなるものであり,原告商品1の出所を示す表示が1つに限られるものではない。
原告商品1における「D.A.D」なる文字を付したオーナメントは,購入後に貼付するものであり 「GARSON」なる文字が入っている ,のはカップホルダ用装飾リングのフランジ部分であることからすれば,原告商品1の形態の特徴的な部分が,需要者に強い印象,記憶を与えているのであり,その形態が識別標識として機能している。
2原告商品1の形態の周知性()ア原告商品1の販売数量及び売上高平成19年8月16日までの原告による原告商品1の販売数量及び売上高は別紙実績表1ないし4に記載のとおりであり,同商品の平成17年12月末までの販売数量の累計は7836台(売上額1億7433万9524円 ,平成18年1月末までの販売数量の累計は8112台(売上額1 )億8052万8984円 ,平成19年8月16日までの販売数量の累計 )は1万2159台(売上額2億7094万9621円)である。
フロントテーブルの形態は自動車の型式毎に異なるものであり,原告商品1の対応する型式の自動車保有者も,その数は限定されているから,上記販売数量をもって周知性が認められる。
この点,被告は,自動車の保有者全てが需要者である旨主張するが,原告商品1の雑誌広告には「彼女と,そして家族と,さらには自分ひとりでドライブに出かける時にも役立つフロントテーブル」と記載されており,自動車の保有者全てがフロントテーブルの需要者でない。
イ雑誌広告原告が平成15年9月から同19年11月までの間に行った原告商品1に係る雑誌広告は,保持部材ありのリングを装着したものにつき別紙雑誌掲載一覧表(保持部材あり)記載のとおりであり,保持部材なしのリングを装着したものにつき,別紙雑誌掲載一覧表(保持部材なし (以下「別)紙雑誌広告一覧表(保持部材あり 」と併せて 「別紙雑誌広告一覧表」 ),ともいう )記載のとおりである。このほかも,原告はオプションパーツ 。
としての原告商品2-2を掲載した雑誌広告を31回行っている。
原告商品1の広告を掲載した雑誌の販売部数は 「カスタムカー」が年 ,21万部 「VIPCAR」が年20万部 「VIPワゴン」が年15 , ,万部 「ONE&ONLY」が年5万部 「WAGONIST」が年12 , ,万部 「KSTYLE」が年8万部 「VIPSTYLE」が年12万 , ,部 「スタイルワゴン」が年10万部 「スタイルRV」が年3万部 「ス , , ,タイルワゴンクラブ」が年7万部(合計年113万部)である。
上記広告の大きさは,雑誌の1頁ないし2頁を全面使用するものである。
ウ展示会原告は,平成16年3月26日から平成20年3月9日までの間,原告商品1を名古屋オートトレンド,東京オートギャラリー,東京スタイルワゴンフェスタ,東京オートサロン,大阪オートメッセ,福岡オートサロン(展示会)に出品した。その延べ日数は44日,来場者数の合計は285万4688人,各展示会における来場者数及び展示場所の広さは別紙展示会来場者数等に記載のとおりである(なお,同別紙における「コマ数」とは,展示場所の広さを示すものであり,1コマの広さは「間口3m×奥行き3m」である。。)エウェブサイト平成16年6月から平成20年1月までの44か月間における,原告商品1が掲載された原告のウェブサイトへの累計アクセス数は,7206万7862件(月平均約16万3800件)である。
オカタログ平成16年8月から平成20年3月までの間における,原告商品1が掲載された原告の総合カタログの配布部数は6万8792部である。
3アンケートの結果()原告は,平成21年の東京オートサロン会場(平成21年1月9日〜11日 ,大阪オートメッセ会場(同年2月13日〜15日)及び名古屋オート )トレンド会場(同年3月6日〜8日)において,それぞれアンケートを行った。その結果は,別紙アンケート結果のとおりである。
上記アンケート結果によると,フロントテーブルを購入した者は主に雑誌でフロントテーブルのことを知り,特に,小物置き,ドリンクホルダー,全体的な統一感に着目して購入する一方で,モール,コースター,オーナメント,出っ張り(ライン)等テーブルの形状にはそれ程着目することなく購入している。また,原告商品1-1A,同1-1B及び同1-1C(以下,併せて「原告商品1-1」ともいう )の対応車種であるアルファード(型式 。
:MNH10W・MNH15W・ANH10W・ANH15W,年式:平成14年5月〜同20年5月 ,原告商品1-2A,同1-2B及び同1-2 )C(以下,併せて「原告商品1-2」ともいう )の対応車種であるエステ 。
ィマ(型式:MCR30W・MCR40W・ACR30W・ACR40W,年式:平成11年12月〜同18年1月 ,原告商品1-3A,同1-3B )及び同1-3C(以下,併せて「原告商品1-3」ともいう )の対応車種。
であるオデッセイ(型式:RA6・RA7・RA8・RA9,年式:平成11年12月〜同15年10月)及び原告商品1-4A,同1-4B及び同1-4C(以下,併せて「原告商品1-4」ともいう )の対応車種であるス 。
テップワゴン(型式:RF1・RF2,年式:平成8年4月〜同13年4月)の4車種(以下,車種名のみで表記した場合は上記型式・年式のものを指す )を所有し,フロントテーブルを購入した者の間では,原告商品1の 。
購入者の占める割合が高い。
したがって,小物置き,ドリンクホルダー,全体的な統一感に特徴を有する原告商品1の形態が,商品表示として需要者である原告商品1の対応車種の保有者に広く知られていることは明らかである。
4よって,原告商品1の形態は,遅くとも平成17年12月ころには,原告()商品1の商品表示として,需要者の間に広く認識されていた。
【被告の主張】1原告商品1の特徴について()アありふれた形態平成14年1月16日発行の「スタイルワゴン (甲18の資料2)に 」掲載されたオートガレージ販売のフロントテーブルは,下段テーブル及び上段テーブルの外周面にメッキモールが設けられており,ドリンクホルダーには,クロムコーティングが施されている。したがって,これらの点は,ありふれた形態であり,原告商品1の独自の特徴ではない。
また,下段テーブルに凹み(小物置き)が設けられている点についても,平成13年1月10日発行の「ドレスアップマニュアル (甲18の資料」1)に掲載されたエム商マジックジャパン販売のフロントテーブルにその構成が存しており,ありふれた形態である。
イ機能的形態小物置き用の凹みにマットを敷く点は,その上に置いた小物がカタカタ音を立てるのを防止するとともに,滑り止めの効果をも有する。このように,下段テーブルの凹みにシート材が設けられている点は,機能的形態である。
また,コースターにゴムマットが設けられている点も,同様の効果をもたらすための機能的形態である。
なお,コースターの外周面に銀色の縁取りが設けられている点は,コースターとしてありふれていることはいうまでもない。
ウエピ調,エピデザイン原告商品1の凹みに設けられたレザーと,コースターに貼付されたゴムには,不規則な皺模様が設けられているところ,原告は,この不規則な皺模様を「エピデザイン」と表現し,雑誌等の記事では 「エピ調「EP,」,I調」と表現している。この原告が強調する「不規則な皺模様」は,いわゆる「エピ・ライン」に酷似した模様であり 「エピ・ライン」は,ルイ ,・ヴィトンのバッグや小物革製品のレザー柄として著名な模様である。
そうすると,原告商品1の上記不規則な皺模様が,原告商品1の形態上の最大の特徴である。したがって,原告商品1に接した需要者が,小物置きやコースター表面の模様からルイ・ヴィトンを想起することはあり得ても,原告商品1の形態全体から,原告の商品であると理解するとは考えられない。
また,仮に,原告商品1に接した需要者が,不規則な皺模様に注目し,同種商品と識別できたとしても,それは,その不規則な皺模様がルイ・ヴィトンの模様として著名な「エピ・ライン」と酷似していることを原因とするものであり,原告は「エピ・ライン」の強い識別力にフリーライドしているのである。よって,原告商品1の形態を自己の商品表示と主張することは,権利濫用として許されない。
エ「D.A.D「GARSON」の強い識別力 」,需要者が,原告商品1について出所を認識するとすれば,原告商品1の形態からではなく 「D.A.D「GARSON」なる表示からにほか ,」,ならない。原告も,カタログ(甲24の2枚目)において 「D.A.,D」につき「本物だけに与えられた勲章」などと記載し,それによる出所表示を強調している。
また,原告は,カタログ(甲24の2枚目)において「ドリンクホルダーには新たなデザインのおしゃれなGARSON刻印入りドリンクホルダーを装着しております」などと記載し 「GARSON」の刻印による出 ,所表示も強調している。
上記のとおり,原告商品1において,出所表示となるのは下段テーブル左手前に付されたプレートに表示された「D.A.D」のロゴと,カップホルダ用装飾リングに表示された「GARSON」の刻印であることは明らかである。
オ以上より,原告商品1の形態は,同種の商品と識別し得る独自の特徴を有するものではない。
なお,平成20年2月時点では,原告商品1と同じ形態を有する商品が多数存在しており,原告商品1の形態は,すべてありふれた形態となっている。したがって,同時点においては,もはや原告商品1の形態が商品表示性を有することはあり得ない。
2原告商品1の形態の使用について()ア販売期間及び販売数量について原告の主張によれば,原告商品1Aの販売開始時期は平成15年8月であり,平成20年2月現在までの期間は4年6か月にすぎず,長期間とはいえない。
また,販売数量について,原告が主張する数量は,請求書や納品書控えと突き合わせをしたわけではなく,システム上の数字をそのまま印字しただけであり,信用できない。
しかも,原告商品1のようなフロントテーブルの需要者は主に乗用車を保有する者であるところ,平成19年10月末における日本の乗用車(普通車,小型車,軽四輪車)の車両保有数は5786万8518台であり,原告商品1の需要者は乗用車を有する約6000万人となる。そうすると,仮に原告が主張する原告商品1の販売数量(1万2159台)を前提としても,6000万人の乗用車保有者のうち約1万2000人しか原告商品1を購入しておらず,比率にして5000人に1人しか購入していない。
イ雑誌広告について被告商品1の販売開始時期との関係(ア)原告は,保持部材ありのリングを装着した雑誌広告について,平成17年7月号から行っている旨主張するが,被告は,被告商品1を平成18年1月から販売しており,平成17年7月から約6か月しか経過していない。しかも,平成17年7月から同年12月までの「DADフロントテーブル&テーブルリング」の広告の回数は,別紙雑誌広告一覧表(保持部材あり)によれば,わずか14回にすぎない。
雑誌の販売数 (イ)原告は雑誌の年間発行部数を主張しているが,その部数のうち原告商品1の形態が掲載されているものが何部あるかは明らかでない。
広告の大きさについて(ウ)原告は,広告の大きさが雑誌の1頁ないし2頁を全面使用するものであると主張しているが,原告従業員の陳述書(甲45)に「前記広告の大きさは,雑誌の1頁ないし2頁を全面使用しています」という記載があるのみであり信用できない。
別紙雑誌広告一覧表が不正確であること(エ)原告はP1の陳述書から別紙雑誌広告一覧表のとおりの雑誌広告を行った旨主張するが,その中には被告商品1の広告があったり,本件において原告が主張する原告商品1の対応車種とは異なるフロントテーブルが掲載されているものがあるなど,その内容は極めて不正確である。
また,原告商品1が掲載されている雑誌についても,写真が小さいためにフロントテーブルの形態の認識が困難なもの,文字かぶりや小物により形態が認識できないものも多く含まれている。
ウ展示会について原告は,原告が出展した展示会が大規模であること,来場者が多数であることを主張しているが,いかに多くの来場者があっても,原告のブースに何人が訪れたかは不明であり,また,原告のブースを訪れた者のうち,原告商品1を見た者が何人いるかは不明である。
しかも,原告は,展示に当たり,ショーケースの中に他の小物グッズと共にフロントテーブルを展示していたのであり,原告のブースを訪れた来場者としても,フロントテーブルの存在に気付いたか否かは分からない。
エウェブサイトについて原告は,ウェブサイトへのアクセス件数が約7000万件であると主張するが,その件数自体信用できない上,この数字は,原告のウェブサイトへのアクセス件数であり,原告商品1が掲載されているページにアクセスした件数ではない。また,同ウェブサイトにどのような写真がどのような態様で掲載されていたかも不明である。
オカタログについて原告は,総合カタログの配付部数について主張しているが,このカタログがどのようなものか不明である上(甲29の1・2では,原告商品1の形態を容易に認識することができない,原告商品1が掲載されている 。)カタログの配布部数も明らかではない。
3アンケートについて()アアンケート数原告がアンケートを行った東京オートサロンは,例年20万人程度の来場者があるが,原告が回答を得た数は1025名にすぎない。このような,ごく一部のアンケートを取ったからといって統計上の有意性が存するわけではなく,アンケート結果に意味はない。
イアンケート場所原告のアンケートは,原告ブランドであるギャルソンのブース内で,オリコの担当者によって行われたものである。ギャルソンブースにギャルソンのファンが多いことは当然であり,アンケートの結果も偏った内容とならざるを得ない。したがって,アンケート結果を需要者一般のものと同一視することはできない。
ウステッカーの配布原告のアンケートに応じた者にはサービスステッカーがプレゼントされており,ステッカー欲しさにアンケートに応じるファンも多くいるはずである。現に,アンケートには,ほとんど記載のないもの,質問に対する回答となっていないものなどがある。
エ展示品原告が東京オートサロンで展示した商品は原告商品1ではないので,アンケート結果は原告商品1の特徴の根拠とはならない。
オ以上のとおり,原告の行ったアンケートの結果は信用できない。
4小括()以上より,原告商品1の形態が,原告商品1の商品表示として需要者の間で広く認識されているとはいえない。
2争点1-2(被告商品1と原告商品1との類似性)【原告の主張】1後記5【原告の主張】のとおり,被告商品1の形態は,少なくとも原告商()品1Cの形態と実質的に同一である。また,保持部材は,原告商品1Cの形態の特徴の一つであるが,少なくとも,原告商品1Cの形態が,保持部材がない原告商品1A及びBの形態と類似していることは明らかである。
2よって,被告商品1の形態は,原告商品1に共通する商品形態と類似する()ことは明らかである。
【被告の主張】1原告商品1Aのフロントテーブルにおいては,?コースターの底壁表面に()不規則な皺模様のゴム板が設けられている点及び?下段テーブル部分の凹みに不規則な皺模様のレザーが設けられている点が最大の形態上の特徴である。
2上記?について,原告商品1のコースターの底壁表面には不規則な皺模様()のゴム板が設けられているのに対し,被告商品1のコースターには細やかで平行な直線が均等間隔で描かれており,その美感は全く異なる。
3上記?について,原告商品1の下段テーブルの凹みには不規則な皺模様の()レザーが設けられているのに対し,被告商品1の凹みには細やかで平行な直線が均等間隔で描かれたゴム板が設けられている。
また,原告商品1では,コースターと凹みのシート材は,それぞれゴム板とレザーという全く異なる材質を用いており,統一感を有していないのに対し,被告商品においては,コースターと凹みのシート材は,全く同じゴム板を用いており,統一感を醸し出している。
4よって,被告商品1は原告商品1の特徴を有しておらず,類似性はない。
()3争点1-3(混同のおそれ)【原告の主張】原告商品1の形態が周知であること,被告商品1の形態が同一又は類似していること,原告商品1と被告商品1はいずれも自動車のフロントテーブルという同一の商品であることからすれば,被告が被告商品1を製造,販売すれば,原告の商品と混同を生じさせることは明らかである。
【被告の主張】被告商品1には,自動車パーツ業界では有名な被告の商標である「FABULOUS」なる文字が,カップホルダー装飾リングの上面に記載されており,出所混同を生じるおそれは全くない。
4争点1-4(営業上の利益侵害の有無等)【原告の主張】1営業上の利益侵害()被告による被告商品1の製造販売により,原告の営業上の利益が侵害された。
2被告商品1の所持()被告は被告商品1を所持している。
【被告の認否】1営業上の利益侵害について()否認する。
2被告商品の所持について()否認する。
被告は,被告商品1を受注生産しており,在庫は存在しない。
5争点2-1(被告商品1と原告商品1との実質的同一性)【原告の主張】1原告商品1及び被告商品1の形態()原告商品1の形態は,別紙原告商品目録1-1(A)ないし1-4(C)の各第3項に記載のとおりである。
被告商品1の形態は,別紙被告商品目録1-1ないし1-4記載の各第3項に記載のとおりである。
2原告商品1の形態上の特徴点()原告商品1は,上下2段のテーブルを設けたフロントテーブルにおいて,下段テーブルの上面に凹みを設け,該凹みの表面にシート材を設けていること,上段テーブルにフランジが銀色のカップホルダ用装飾リングが取り付けられていること,外周面が銀色で上面にシート材を貼付したコースターが設けられていること,下段テーブル部分及び上段テーブル部分の外周面に銀色のモールが設けられていることによって,フロントテーブル全体に統一感があり,落ち着いた高級感があることを特徴とするものである。
3被告商品1-1と原告商品1-1の形態の対比()ア一致点被告商品1-1の形態のうち構成1A'-1,1B'-1,1B'-2,1C'-1,1C'-2,1C'-3,1D'-2,1E'-1,1E'-3,1F'-1及び1F'-2は,原告商品1-1Cの形態のうち構成1A-1,1B-1,1B-2,1C-1,1C-2,1C-3,1D-2,1E-1,1E-3,1F-1及び1F-2とそれぞれ一致する。
イ相違点被告商品1-1の形態と原告商品1-1Cの形態とは,以下の点において相違する。
?原告商品1-1Cでは上下方向に間隔を置いて2つの凹部が設けられた銀色のモールであるのに対し,被告商品1-1では突出した4本の銀色の帯状部及びその間の3本の黒い帯状部を有するモールである点。
?原告商品1-1Cでは2つの貫通部分に共通の略正方形状のコースターが1つ設けられるのに対し,被告商品1-1では2つの貫通部分の真下にそれぞれ長方形状のコースターが設けられている点。
?レザー調シート材の上に施された模様が,原告商品1-1Cよりも,被告商品1-1の方が間隔が狭く,小さいという点。
ウ実質的同一性上記相違点?について,原告商品1-1Cのモールの凹部は光の当たり方によって被告商品1-1の帯状部と同様の黒い帯状に見える。また,同凹部は2本であり,被告商品1-1の黒い帯状部は3本であるが,かかる差異は些細なものであり,美感を異にするものではない。
上記相違点?について,被告商品1-1の長方形状のコースターは,前後方向に隣接して配設され,合わせて略正方形状となっており,原告商品1-1Cの略正方形状のコースターと美感を異にするものではない。
上記相違点?について,細かい横縞状の模様という点で同一であり,しかも,黒地の素材に文様が施されているため,見た目がほとんど変わらない。
したがって,被告商品1-1と原告商品1-1Cの形態は,実質的に同一である。なお,原告商品1-1A及び原告商品1-1Bには保持部材がないが,仮に保持部材の有無が原告商品1-1の形態の特徴でないならば,被告商品1-1と保持部材のない原告商品1-1A及び原告商品1-1Bの形態も,実質的に同一であることとなる。
4被告商品1-2と原告商品1-2の形態の対比()ア一致点被告商品1-2の形態のうち構成2A'-1,2B'-2,2C'-1,2C'-2,2C'-3,2E'-1,2E'-3,2F'-1及び2F'-2は,原告商品1-2Cの形態のうち構成2A-1,2B-2,2C-1,2C-2,2C-3,2E-1,2E-3,2F-1及び2F-2とそれぞれ一致する。
イ相違点被告商品1-2の形態と原告商品1-2Cの形態とは,以下の点において相違する。
?原告商品1-2Cでは上下方向に間隔を置いて2つの凹部が設けられた銀色のモールであるのに対し,被告商品1-2では突出した4本の銀色の帯状部及びその間の3本の黒い帯状部を有するモールである点。
?原告商品1-2Cでは2つの貫通部分に共通の略正方形状のコースターが1つ設けられるのに対し,被告商品1-2では2つの貫通部分の真下にそれぞれ長方形状のコースターが設けられる点。
?レザー調シート材の上に施された模様が,原告商品1-2Cよりも,被告商品1-2の方が間隔が狭く,小さいという点。
?原告商品1-2Cでは,本体取付部の左右側壁は斜めに延び,その前面にモールが設けられているのに対し,被告商品1-2では,取付本体部が下段テーブルの後端延長部に設けられ,また,この取付本体部にモールが設けられていない点。
?被告商品1-2では,下段テーブルの前縁の中央近傍から右側にわたって谷山と波打った形状である点。
ウ実質的同一性上記相違点?ないし?については,前記(3)ウと同じ。
上記相違点?について,取付本体部は車両に取り付けた状態では,ほとんど外側に露出せず,フロントテーブルの形態上の特徴点を構成するものではないので,かかる差異は形態上の同一性を失わせるものではない。
上記相違点?について,右半分が手前に張り出しいる点では一致しており,上段テーブルの下に位置する下段テーブルの張り出した部分が谷山と波打った形状であるか否かがフロントテーブル全体に及ぼす影響は微弱である。したがって,かかる差異は形態上の同一性を失わせるものではない。
よって,被告商品1-2と原告商品1-2Cの形態は,実質的に同一である。なお,原告商品1-2A及び原告商品1-2Bには保持部材がないが,仮に保持部材の有無が原告商品1-2の形態の特徴でないならば,被告商品1-2と保持部材のない原告商品1-2A及び原告商品1-2Bの形態も,実質的に同一であることとなる。
5被告商品1-3と原告商品1-3の形態の対比()ア一致点被告商品1-3の形態のうち構成3A'-1,3B'-2,3C'-1,3C'-2,3C'-3,3D'-1,3E'-1,3E'-3,3F'-1,3F'-2は,原告商品1-3Cの形態のうち構成3A-1,3B-2,3C-1,3C-2,3C-3,3D-1,3E-1,3E-3,3F-1,3F-2と一致する。
イ相違点被告商品1-3の形態と原告商品1-3Cの形態とは,以下の点において相違する。
?原告商品1-3Cでは上下方向に間隔を置いて2つの凹部が設けられた銀色のモールであるのに対し,被告商品1-3では突出した4本の銀色の帯状部及びその間の3本の黒い帯状部を有するモールである点。
?原告商品1-3Cでは2つの貫通部分に共通の略正方形状のコースターが1つ設けられるのに対し,被告商品1-3では2つの貫通部分の真下にそれぞれ長方形状のコースターが設けられる点。
?レザー調シート材の上に施された模様が,原告商品1-3Cよりも,被告商品1-3の方が間隔が狭く,小さいという点。
?原告商品1-3Cでは,本体取付部の左右側壁は斜めに延び,その前面にモールが設けられているのに対し,被告商品1-3では,取付本体部が下段テーブルの後端延長部に設けられ,また,この取付本体部にモールが設けられていない点。
?被告商品1-3では,下段テーブルの前縁の中央近傍から右側にわたって谷山と波打った形状である点。
?原告商品1-3Cでは取付本体部に矩形状の開口部が設けられているのに対し,被告商品1-3ではかかる開口部が設けられていない点。
ウ実質的同一性上記相違点?ないし?については,前記(3)ウと同じ。
上記相違点?及び?については,前記(4)ウと同じ。
上記相違点?について,被告商品1-3では原告商品1-3Cの取付本体部の開口部を単に塞いだだけのものであって,かかる差異は形態上の同一性を失わせるものではない。
したがって,被告商品1-3と原告商品1-3Cの形態は,実質的に同一である。なお,原告商品1-3A及び原告商品1-3Bには保持部材がないが,仮に保持部材の有無が原告商品1-3の形態の特徴でないならば,被告商品1-3と保持部材のない原告商品1-3A及び原告商品1-3Bの形態も,実質的に同一であることとなる。
6被告商品1-4と原告商品1-4の形態の対比()ア一致点被告商品1-4の形態のうち構成4A'-1,4B'-2,4C'-2,4C'-3,4D'-2,4E'-1,4E'-3,4F'-1,4F'-2は,原告商品1-4Cの形態のうち構成4A-1,4B-2,4C-2,4C-3,4D-2,4E-1,4E-3,4F-1,4F-2と一致する。
イ相違点被告商品1-4の形態と原告商品1-4Cの形態とは,以下の点において相違する。
?原告商品1-4Cでは上下方向に間隔を置いて2つの凹部が設けられた銀色のモールであるのに対し,被告商品1-4では突出した4本の銀色の帯状部及びその間の3本の黒い帯状部を有するモールである点。
?原告商品1-4Cでは2つの貫通部分に共通の略正方形状のコースターが1つ設けられているのに対し,被告商品1-4では2つの貫通部分の真下にそれぞれ長方形状のコースターが設けられる点。
?レザー調シート材の上に施された模様が,原告商品1-4Cよりも,被告商品1-4の方が間隔が狭く,小さいという点。
?被告商品1-4では上段テーブル部分の右半分は手前に張り出している点。
ウ実質的同一性上記相違点?ないし?については,前記(3)ウと同じ。
上記相違点?について,下段テーブル部分の右部に沿って長手方向に伸びている点では一致しており,上段テーブル部分の右半分が手前に張り出しているか否かということがフロントテーブル全体に及ぼす影響は微弱であり,かかる差異は形態上の同一性を失わせるものではない。
したがって,被告商品1-4と原告商品1-4Cの形態は,実質的に同一である。なお,原告商品1-4A及び原告商品1-4Bには保持部材がないが,仮に保持部材の有無が原告商品1-4の形態の特徴でないならば,被告商品1-4と保持部材のない原告商品1-4A及び原告商品1-4Bの形態も,実質的に同一であることとなる。
7小括()以上のとおり,被告商品1の形態は,原告商品1の形態と実質的に同一である。
【被告の主張】1原告商品1及び被告商品1の形態()原告商品1-1Cの形態は,別紙原告商品1-1Cの形態(被告)記載のとおりである。
被告商品1の形態は,別紙被告商品1-1の形態(被告)ないし別紙被告商品1-4の形態(被告)記載のとおりである。
2原告商品1-1Cと被告商品1-1との対比()ア共通点について原告商品1-1Cの形態と被告商品1-1の形態上の共通点は以下のとおりである(なお,以下の各部位に付した数字は,別紙原告商品目録1-。)。 1(C)添付の写真掲記の符号を指す。以下,他の商品においても同じフロントテーブル2は,車両の助手席側に固定して取り付けられる取(ア)付部4と,この取付部4の上に載置した下段テーブル6と,この下段テーブル6の上方に配設される上段テーブル8とを備え,上段テーブル8は,下段テーブル6の右部に設置された3つの支持脚10により支持されており,下段テーブル6の左部の上方は開放されている(構成A 。)下段テーブル6は,左半分は角部分にアールのついた略長方形状であ(イ)る(構成Cの前段 。)下段テーブル6の左部の上面に凹み12が設けられ,この凹み12の(ウ)表面にシート材14が貼付されている(構成Dの前段 。)上段テーブル8は,平面視「への字」に折れ曲がっている(構成Eの(エ)前段 。)上段テーブル8には4つの貫通部分が設けられ,中央と右寄りに2つ(オ)の貫通部分が長手方向に間隔を置いて設けられている。これら貫通部分は円形状であり,カップホルダ用装飾リング16,18が取り付けられている(構成F 。)上段テーブル8の左側には,残りの2つの貫通部分20,22が前後(カ)方向に間隔を置いて設けられ,これら貫通部分20,22は略四角形状となっている(構成G 。))。
(キ) 取付部に,左壁,右壁,上壁,中壁及び下壁がある(構成Hの前段コースター24,26は,下段テーブル6の上面に載置固定されてお(ク)り,カップホルダ用装飾リング16,18が装着された貫通部分の真下に位置する。これらコースター24,26は円形状であり,上面にはシート材30が貼付されている(構成Jの一部 。)コースター32は,下段テーブル6の上面に載置固定されており,略(ケ)四角形状の貫通部分20,22の真下に位置する(構成Kの前段 。)コースター32の上面にはシート材36が貼付されている。
上段テーブル8の円形の上記貫通部分に嵌着された装飾リング16,(コ)18は,上鍔を有し,その上鍔には文字が記載されている(構成Mの一部 。)装飾リング16,18の内側には,保持部材αが設けられており,保(サ)持部材αは,先端部は弧状に形成されている(構成Nの一部 。)装飾リング16,18,コースター24,26,32の外周面は,銀(シ)色である(構成O 。)イ相違点について原告商品1-1Cの形態と被告商品1-1の形態上の相違点は以下のとおりである。
外周面について(ア)a 下段テーブル,上段テーブルの外周面(構成B)原告商品1-1Cの下段テーブル6及び上段テーブル8の外周面には金具15,21が設けられ,金具15,21は各一枚の帯板状からなり上下方向に間隔を置いて2つの凹部17,23が形成されているのに対し,被告商品1-1においては,突出した4本の銀色メッキの線状体及びその間の3本の黒い帯状部17'が設けられている。
b下段テーブルの形状(構成C)原告商品1-1Cの下段テーブルの形状は,右半分が手前に張り出した直線端部を有しているのに対し,被告商品1-1においては,右半分は手前に張り出した曲線端部を有しており,曲線端部の右端は弯曲凸状に手前に突出している。
c上段テーブルの形状(構成E)原告商品1-1Cの上段テーブルは,折曲位置から左側と右側はほぼ同じ長さであるのに対し,被告商品1-1においては,折曲位置から左側と右側は約10:25の比として右側が長い。
d外周面の対比外周面の形態は,運転席,助手席から最も目に入る部分であって,需要者が注目する部分であり,全体の形状を形作っているのであるから,フロントテーブル全体の印象に占める割合は最も大きい。
この点,原告商品1-1Cと被告商品1-1とは,外周面の形態において大幅な相違があり,異なる印象を与えている。
そして,この相違は,被告が費用と労力をかけて従来にない極めて特徴的なモールの形態を製作したことによるものである。
装飾リングについて(イ)a装飾リング(構成M)原告商品1-1Cの装飾リング16,18は,約8mmの幅寸法の上鍔を有し,クロムコーティングが施されて 「○GARSON○GA ,RSON○GARSON○GARSON」と刻印がなされているのに対し,被告商品1-1の装飾リング16',18'は,約10mmの幅寸法の上鍔を有し,銀色メッキが施されて 「FABULOUS●FA ,BULOUS●」と黒色にて幅いっぱいの大きな文字表示が施されている。
b保持部材(構成N)原告商品1-1Cの保持部材αは黒色で,板状であり 「GARS,ON」なる文字が記載され,通常状態は上方約10度に傾斜しているのに対し,被告商品1-1においては,保持部材は,銀色メッキで,後方上傾の弧状傾斜面を有し,肉厚(約5mm)に見え,通常状態は略水平である。
c色(構成O)原告商品1-1Cの装飾リングは,白っぽい銀色のクロムコーティングであるのに対し,被告商品1-1の装飾リングは黒っぽい銀色の三価クロムメッキである。
d装飾リングの対比装飾リングは,上段テーブルの上面に設けられ,見えやすい位置にあり,その形態は需要者が注目する部分の一つであるところ,両者の形態は,上記のとおり大幅に相違しており,異なる印象を与えている。
凹みに設けられたシート材の模様(ウ)aシート材(構成D)原告商品1-1Cのシート材14は黒色のレザーであり,その表面に不規則な皺模様が描かれているのに対し,被告商品1-1においては,シート材14'は黒色であり,その表面に細やかな平行直線が均等間隔で描かれている。
bシート材の対比下段テーブルの凹みに設けられたシート材は,その大きさからして,ある程度目につく部分であり,ありふれたものともいえない。さらに,同シート材は,著名な「エピ・ライン」と酷似しており,ルイ・ヴィトンを想起させる。
したがって,同シート材は,同種商品が有していない構成であり,需要者が注目する形態の一つであるといえる。
このように,原告商品1-1Cの不規則な皺模様(エピデザイン)は,ルイ・ヴィトンに由来する高級感を醸し出すのに対し,被告商品1-1においては,ルイ・ヴィトンとの関連性を需要者に感じさせない,すっきりとしたデザインであり,需要者が受ける印象は大きく異なる。
取付部について(エ)a取付部の前面(構成H)原告商品1-1Cの取付部の左壁・右壁の前面及び上壁,中壁,下壁の前面には,金具が設けられ,金具は各一枚の帯板状からなり,幅方向に間隔を置いて2つの凹部が形成されているのに対し,被告商品1-1においては,突出した4本の銀色メッキの線状体及びその間の3本の黒い帯状部17'が設けられている。
b取付部の左右側壁(構成I)原告商品1-1Cの取付部の左右側壁は,凸凹凸を有する曲線状であるのに対し,被告商品1-1においては,斜めストレート状である。
c取付部の対比上記相違点は,運転席・助手席からあまり見えない部分であり,重視されない。
コースター(オ)aコースターの外周面(構成J)原告商品1-1Cのコースター24,26の外周面には,クロムコーティングが施されているのに対し,被告商品1-1においては,コースターの外周面には銀色メッキ28'が施されている。
また,外周面の高さ,深さについては,原告商品1-1Cでは,高さ約6mm,深さ約2mmであるのに対し,被告商品1-1では,高さ約9mm,深さ約4.5mmと大幅に異なっている。
b四角のコースター(構成K)原告商品1-1Cにおいては,コースター32は,1個の略正方形状であり,外周面にはクロムコーティングが施されているのに対し,被告商品1-1のコースター32',33'は,2個の長方形状であり,外周面には銀色メッキ34'が施されている。
cコースターのシート材(構成L)原告商品1-1Cのコースターに貼付されたシート材30,36は,シート材14と異なりゴム材であり,その表面に不規則な皺模様が描かれているのに対して,被告商品1-1のコースターに貼付されたシート材30',36'は,いずれもシート材14'と同じ材質であり,細やかで平行な直線が均等間隔にて描かれている。
d色(構成O)原告商品1-1Cのコースター24,26,32の外周面に施されたクロムコーティングは,白っぽい銀色であるのに対し,被告商品1-1のコースター24',26',32',33'の外周面に施された銀色メッキは,三価クロム系の黒っぽい銀色である。
eコースターの対比上記コースターの形態については,その大きさが小さいことに加え,助手席に座った者からは,上段テーブルの影になり見えにくい部分であり,需要者が注目する点とはいえない。
ウ以上のとおり,需要者が最も注目する外周面の形態について,被告商品1-1の外周面の形態は,従来にない極めて特徴的な形態を有しており,上下段テーブルのラインの違いも考慮すると,両フロントテーブルの形態が需要者に与える印象は相当に異なったものとなっている。さらに,需要者が注目する部分であるシート材のデザイン,装飾リングの形態において,原告商品1-1Cと被告商品1-1とは異なった形態を有している。
そうすると,前記のとおり共通点があるものの,相違点の印象が共通点の印象を凌駕し,異なる印象を有するものであるから,被告商品1-1の形態は,原告商品1-1Cの形態と実質的に同一とはいえない。
3原告商品1-1C以外について()ア原告商品1-2Cと被告商品1-2の実質的同一性原告商品1-2Cと被告商品1-2の各形態は,上段テーブル,下段テーブル及び取付部の形態を除き,原告商品1-1Cと被告商品1-1の各形態と同様である。
そして,上段テーブル,下段テーブルのラインにおいて,原告商品1-2Cと被告商品1-2は異なる形状を有し,特に被告商品1-2の下段テーブルの前縁の凹凸凹のカーブは,格別の優雅さを印象づけるものであり,原告商品1-2Cの下段テーブルのラインと異なる印象を有している。
また,取付部についても根本的構造自体を全く異にしている。
これらを考慮すると,被告商品1-2の形態は,原告商品1-2Cの形態と実質的に同一であるということはできない。
イ原告商品1-3Cと被告商品1-3の実質的同一性原告商品1-3Cと被告商品1-3の各形態は,上段テーブル,下段テーブル及び取付部の形態を除き,原告商品1-1Cと被告商品1-1の各形態と同様である。
そして,上段テーブル,下段テーブルのラインにおいて,原告商品1-3Cと被告商品1-3は異なる形状を有し,特に被告商品1-3の上下段テーブルの前縁の山谷山のカーブは,格別の優雅さを印象づけるものであり,原告商品1-3Cの下段テーブルのラインと異なる印象を有している。
また,取付部については,基本的構造は共通するものの,開口部の有無の点で,大きく印象を異にする。
これらを考慮すると,被告商品1-3の形態は,原告商品1-3Cの形態と実質的に同一であるということはできない。
ウ原告商品1-4Cと被告商品1-4の実質的同一性原告商品1-4Cと被告商品1-4の各形態は,上段テーブル,下段テーブル及び取付部,凹みの形態を除き,原告商品1-4Cと被告商品1-4の各形態と同様である。
そして,上段テーブル,下段テーブルのラインにおいて,原告商品1-4Cと被告商品1-4は,異なる形状を有し,特に被告商品1-4の上段テーブルがZ字型折曲形状である点は,格別の優雅さを印象づけるものであり,原告商品1-4Cの上段テーブルのまっすぐなラインと異なる印象を有している。
また,被告商品1-4は被告商品1-4に比べ全体的に奥行きが大きい点は,上段テーブルの形状の差異を,増幅している。
さらに,凹みの形状自体が異なる点も,印象に相当の違いを与えている。
これらを考慮すると,被告商品1-4の形態は,原告商品1-4Cの形態と実質的に同一であるということはできない。
エ原告商品1A,1Bについて原告商品1A及び1Bは,保持部材を有しておらず,原告商品1C以上に,被告商品1との共通点が少なく,相違点が多いことから,実質的同一性を有しないことは明らかである。
6争点2-2(依拠性)【原告の主張】1原告商品1Aは平成15年8月4日に販売が開始され,原告商品1Bは平 ()成16年7月1日に販売が開始され,その後も広告宣伝がなされてきたものであり,原告商品1Cは平成17年7月1日から販売が開始され,広告宣伝がなされてきた。
これに対し,被告商品1は,原告商品1Aの販売開始後,約2年4か月経過した平成17年12月1日発売の「ワゴニスト2006年1月号」で広告され,平成18年2月ころから販売が開始されたものである。
したがって,被告が原告商品1Cの形態に依拠して,あるいは少なくとも原告商品1A又は原告商品1Bの形態に依拠して,被告商品1の形態を作り出したことは明らかである。
被告は,平成17年12月ころまでは,自動車のフロントテーブルを企画,設計,製造,販売したことがなく,フロントテーブルの設計製造ノウハウが全くなかったにもかかわらず,唐突に,原告商品1と形態が実質的に同一である被告商品1の販売を開始したのであり,被告が原告商品1の形態に依拠して,被告商品1を製造,販売していることは疑いがない。
2原告商品1の円形のコースターの直径は,原告が独自に開発したものであ()るにもかかわらず,被告商品1の円形のコースターの直径は,原告商品1の円形のコースターの直径と一致する。このことは,被告が原告商品1の形態に依拠したことの証左である。
3被告は,原告が有する特許権(特許第3818656号)に係る特許発明()の技術的範囲に属するコースター及びテーブルユニットを用いたフロントテーブルを製造販売しようとしており,また,これを用いていないにもかかわらず,当該発明の作用効果を奏する状態の写真を用いて広告している(甲12 。)4被告は,元原告の従業員であるP2を平成16年10月ころ従業員として()採用していた。また,以前に原告のフロントテーブルを製造していた株式会社オダ(以下「オダ」という )に本体部分のデザインを提供させていた。 。
5したがって,被告商品1の形態は,原告商品1の形態に依拠して作り出さ()れたものである。
【被告の主張】1被告が,フロントテーブルについて,製造販売に至る経緯は下記のとおり()である。
ア被告は,平成17年2月ころから,フロントテーブルの企画,設計を始め,同年4月12日には,有限会社ハーテリーのP3氏と被告従業員P4が打ち合わせをして,リングやコースターの大まかなスケッチを作成した。
その後,修正を繰り返し,同年10月中旬にリングとコースターの設計が一応完成し,金型を発注した(乙5 。)イまた,被告は,高級感のあるモールの開発に取り組み,同年10月,モールの金型を発注した。
本体部分については,オダがデザインを提供し,これをハーテリー及び被告において検討して,各車種ごとにデザインの修正を行い,同年11月ころ,本体部分についてキャドのプログラムが完成した。
こうして,同年11月,試作品が完成し,その後の検討を経て,製造を開始した。
ウ被告は,同年12月 「ワゴニスト」1月号に,被告商品1の広告を掲 ,載し,その後,平成18年1月に,東京オートサロンで展示した。
2コースターの直径について()350mlの缶ジュースの直径は決まっており,コースターの機能から,コースターの大きさ(直径)は必然的に80?程度となる。したがって,直径の同一性が依拠の証拠とはならない。
むしろ,原告商品1のコースター外周面の高さは,コースターの表面から測定して約2?であるのに対し,被告商品1では約5?であり,大幅に異なっている。
3原告の特許権との関係()被告は,フロントテーブルの設計段階で,発光ダイオードを用いてコースター及びコースター上の飲み物をライトアップすることを企画していたが,原告がこれを特許出願し,平成17年12月22日,公開特許公報に掲載された。被告は,平成18年1月ころにこれを知り,急遽,原告との間で紛争を生じることのないよう,予定していたライティング装置を取り付けずに販売を開始したものである。
被告は,架空の商品を広告したのではなく,既に開発していたコースターライトアップの企画を断念して,フロントテーブルの販売を開始したにすぎない。
4P2の採用()P2が原告に勤務していたこと及び被告がP2を従業員として採用した事実は認め,その余は否認する。
被告がP2を採用するに当たり,被告代表者は原告代表者の了承を得ていた。また,P2は,被告の営業課長として,代理店,販売店本部及び各ショップに対しての営業活動を行ったにすぎず,フロントテーブルの開発には関与していない。
5オダによる本体部分のデザイン()原告のフロントテーブルをオダが製造していたことは認める。しかし,以下のとおり,本体部分のデザインは,もともとオダに帰属しており,原告に帰属するものではない。
ア原告は,以前,オダに対してフロントテーブルの製造を委託しており,フロントテーブルの本体部分(上段テーブル,下段テーブル,取付部の木製部分)の開発はオダが行ったものである。原告は,コースターの設定を加えただけであった。
イフロントテーブルは,多くの車種に対応させるために,多くの型(合板を切り取るデザインを記録したキャドのプログラム)が必要になるところ,この型は,従来からオダが作成したものであった。
そして,原告とオダとの間では,かかる型のデザインがオダに帰属するが確認されており,オダは,原告以外の会社からフロントテーブルの製造委託があった場合,この型を流用することができる旨を確認していた。
ウ原告は,平成14年末から同15年ころ,オダとの取引を止め,DADブランドのフロントテーブルの製造販売を開始した。このフロントテーブルの本体部分の形態は,オダが開発した形態と実質的に同一である。
エ被告は,オダが有する本体部分のデザインにつき,オダから提供を受け,このデザインを変更して,これと異なるデザインを採用したものである。
6よって,被告商品1の形態は,原告商品1の形態に依拠したものではない。
()7争点2-3(保護期間)【原告の主張】被告は,原告商品1Cを模倣した被告商品1を販売等しているのであるから,被告が模倣した商品形態を備えたフロントテーブルである原告商品1Cが日本国内において最初に販売された「平成17年7月1日」をもって,不正競争防止法19条1項5号イに規定する「日本国内において最初に販売された日」とすべきである。
【被告の主張】1原告商品1Aについて()原告商品1Aを先行品とする主張については,販売を開始した平成15年8月4日から3年を経過した平成18年8月4日以降は,適用除外となっている。
2原告商品1B及び1Cについて()原告商品1B及び1Cは,いずれも原告商品1Aに比べ,装飾リングの形態が異なるだけであり,他の部分の形態は共通している。装飾リングの形態の変更は,全体の形態に与える影響はそれほど大きくはなく,また,装飾リングのモデルチェンジに,不正競争防止法による保護に値する程の開発費用・労力を要したとも考えられない。
とすれば,原告商品1B及び1Cを先行品とする主張についても,3年の起算点は,原告商品1Aの販売開始日である平成15年8月4日と解すべきである。
3したがって,仮に被告商品1の製造販売が不正競争防止法2条1項3号の()不正競争に該当するとしても,本件訴訟において同号違反に基づく損害賠償の対象となる期間は,平成18年1月から平成18年8月3日までの期間の被告の行為についてだけである。
8争点3-1(意匠の類否)【原告の主張】1本件登録意匠の構成()本件登録意匠に係る物品は,カップホルダ用装飾リングであり,その構成態様は以下のとおりである。
ア本件登録意匠の基本的構成態様Aリング本体と,このリング本体の内側部に設けられた保持部材とを備えている。
Bリング本体は,円筒スリーブ状の挿入スリーブ部と,この挿入スリーブ部の上端部に設けられたフランジ部とを有する。
Cフランジ部は径方向外方に突出し,フランジ部の外周部には下方に突出するリング状凸部が設けられている。
D挿入スリーブ部には,その一部を径方向外方に突出する略矩形状の取付突出壁部が設けられ,この取付突出壁部によって取付凹部が設けられ,この取付凹部の上端部に保持部材の基部が揺動自在に装着されている。
E保持部材は,略矩形状であり,その先端部は弧状に形成されている。
F保持部材は,通常状態において略水平やや上向きに径方向内方に突出する突出位置に保持される。
イ本件登録意匠の具体的構成態様a取付凹部を規定する挿入スリーブ部の一部(取付突出壁部)の外面は平坦になっている。
bフランジ部の外径と内径との比率は約6:5,フランジ部の外径とその幅との比率は約10:1,フランジ部の外径とその厚みの比率は約20:1,フランジ部の外径とリング本体の高さとの比率は約9:2である。
cフランジ部の上面は,径方向外方に向けて下方に約20度傾斜して延びている。
d保持部材の厚みと幅の比率は,約1:15である。
e保持部材の裏面には,その全体形状とほぼ相似形状の凹部が設けられている。
f保持部材と挿入スリーブ部との間にはばね部材が介在されている。
gばね部材は保持部材の軸部(取付凹部に装着するためのもの)に装着され,その一端部は挿入スリーブ部の上記一部(取付突出壁部)に係止され,その他端部は保持部材に設けられた係止突部に係止されている。
h挿入スリーブ部の外周面には,下方に延びる取付フック部が三つ設けられ,各取付フック部の下端部には係止爪が設けられている。
2本件登録意匠の要部()本件登録意匠は,径方向外方に突出した取付凹部及び保持部材の基部が,リング本体と同様に円形状のフランジ部の下にコンパクトに収納され,平面視した場合に,取付凹部及び保持部材の基部が隠れ,円形状のフランジ部のみが見えるものであり,ボートやクルーザなどの船舶の乗員席又は客席や自動車の助手席などに取り付けられるテーブルの円形状開口に装着することを可能に構成し,円形状のフランジ部と融合した極めて優れた美感をもたらすものであり,この点に新規性,創作性を有するものである。
そして,本件登録意匠に係る物品は,ボートやクルーザなどの船舶の乗員席又は客席や自動車の助手席などに取り付けられるテーブルの円形状開口に装着され,平面視したときに見えない部分が需要者の注意を強く引くことはない。
したがって,本件登録意匠の要部は,リング本体の内側部に設けられた保持部材を備え,挿入スリーブ部には,その一部を径方向外方に突出する略矩形状の取付突出壁部が設けられ,この取付突出壁部によって取付凹部が設けられ,この取付凹部の上端部に保持部材の基部が揺動自在に装着されている点にある。
3被告意匠の構成()被告は,業として,被告商品2を製造し,被告商品1及び被告商品3ないし5に装着して販売等している。
被告商品2はカップホルダ用装飾リングであり,その構成(以下「被告意匠」という )は以下のとおりである。 。
ア被告意匠の基本的構成態様A' リング本体と,このリング本体の内側部に設けられた保持部材とを備えている。
B' リング本体は,円筒スリーブ状の挿入スリーブ部と,この挿入スリーブ部の上端部に設けられたフランジ部とを有する。
C' フランジ部は径方向外方に突出し,フランジ部の外周部には下方に突出するリング状凸部が設けられている。
D' 挿入スリーブ部には,その一部に径方向外方に突出する略矩形状の取付突出壁部が設けられ,この取付突出壁部によって取付凹部が設けられ,この取付凹部の上端部に保持部材の基部が揺動自在に装着されている。
E' 保持部材は,略矩形状であり,その先端部は弧状に形成されている。
F' 保持部材は,通常状態において略水平やや上向きに径方向内方に突出する突出位置に保持される。
イ被告意匠の具体的構成態様a' 取付凹部を規定する挿入スリーブ部の一部(取付突出壁部)の外面は,フランジ部の外径と同心状の弧状になっている。
b' フランジ部の外径と内径との比率は約9:7,フランジ部の外径とその幅との比率は約9:1,フランジ部の外径とその厚みの比率は約15:1,フランジ部の外径とリング本体の高さとの比率は約9:2である。
c' フランジ部の上面は,径方向外方に向けて下方に約15度傾斜して延びている。
d' 保持部材の厚みと幅との比率は,約1:6である。
e' 保持部材の裏面には,その全体形状とほぼ相似形状の凹部が設けられている。
f' 保持部材と挿入スリーブ部との間にはばね部材が介在されている。
g' ばね部材は保持部材の軸部(取付凹部に装着するためのもの)に装着され,その一端部は挿入スリーブ部の上記一部(取付突出壁部)に係止され,その他端部は保持部材に設けられた係止突部に係止されている。
h' 保持部材の基部の一角部には,ばねを収容するための矩形状の切欠きが設けられている。
4本件登録意匠と被告意匠の対比()ア物品の対比被告商品2は,車両のフロントテーブルなどに装着して使用されるカップホルダ用装飾リングであり,本件登録意匠に係る物品と同一である。
イ構成の対比本件登録意匠の構成態様aと被告意匠の構成態様a'について (ア)両意匠は,本件登録意匠では挿入スリーブ部の一部(取付突出壁部)の外面が平坦であるのに対し,被告意匠の取付突出壁部の外面が弧状である点において相違する。
しかし,本件登録意匠における挿入スリーブの上記一部の平坦面は,周方向に約40度の角度範囲にわたって設けられ,また被告意匠の挿入スリーブ部の取付突出壁部の弧状面も周方向に約40度の角度範囲にわたって設けられていること,周方向に40度程度の角度範囲においては弧状であることが形態的に強調されることはなく,カップホルダ用装飾リングをフロントテーブル等に装着した状態では見えない些細なものであって,需要者の注意を引かない部分である。
本件登録意匠の構成態様bと被告意匠の構成態様b'について(イ)両意匠は,カップホルダ用装飾リングの全体の大きさであるフランジ部の外径とリング本体の高さとの比率が約9:2(外径/高さ?4.5)である点において共通するが,これらのフランジ部の外径と内径との比率,フランジ部の外径とその幅との比率及びフランジ部の外径とその厚みとの比率において相違する。
しかし,フランジ部の外径と内径との比率については,本件登録意匠では約6:5(外径/内径?1.2)であるのに対し,被告意匠では約9:7(外径/内径?1.3)であり,フランジ部の外径とその幅との比率については,本件登録意匠では約10:1(外径/幅?10)であるのに対し,被告意匠では約9:1(外径/幅?9)であり,またフランジ部の外径とその厚みとの比率については,本件登録意匠では約20:1(外径/厚さ?20)であるのに対し,被告意匠では約15:1(外径/厚さ?15)であり,その差は些細なものである。
本件登録意匠の構成態様cと被告意匠の構成態様c'について(ウ)両意匠は,本件登録意匠ではフランジ部の上面における傾斜角度が約20度であるのに対し,被告意匠ではその傾斜角度が約15度である点において相違する。
しかし,フランジ部の上面における傾斜角度の5度の角度差は,角度差としては非常に小さく,傾斜面に及ぼす形態的影響はほとんどない。
本件登録意匠の構成態様d及び被告意匠の構成態様d'について(エ)両意匠は,本件登録意匠では保持部材の厚みと幅との比率が約1:15(厚み/幅?0.07)であるのに対し,被告意匠では保持部材の厚みと幅との比率が約1:6(厚み/幅?0.17)であり,被告意匠の保持部材が本件登録意匠の保持部材よりも厚いという点において相違する。
しかし,この程度の厚みの差異がカップホルダ用装飾リング全体の美感に与える影響は,非常に小さいものである。
本件登録意匠の構成態様hと被告意匠の構成態様h'について(オ)本件登録意匠では挿入スリーブ部の外周面に取付フック部が設けられているが,被告意匠にはこのような取付フック部が設けられていない。
しかし,本件登録意匠における取付フック部は径方向の厚みが小さく,カップホルダ用装飾リング全体の美感に与える影響は非常に小さい。しかも,取付フック部はカップホルダ用装飾リングをフロントテーブルに装着した状態では見えない些細なものであり,需要者の注意を引かない部分である。
また,本件登録意匠では保持部材に切欠きが存在しないが,被告意匠では,ばねを収容するための切欠きが存在する。しかし,被告意匠の切欠きは保持部材の基部の一角部に設けられ,保持部材の通常の状態(略水平に延びた状態)では,フランジ部に隠れて外側に露呈しておらず,保持部材に切欠きが存在するかしないか不明で美感に与える影響は全くない。
以上のように,本件登録意匠と被告意匠とは基本的構成態様において(カ)全く同一であり,本件登録意匠の具体的構成態様e,f及びgと被告意匠の具体的構成態様e',f'及びg'が同一である上,被告意匠は,本件登録意匠の要部を備え,その大部分において本件登録意匠と一致している。また,本件登録意匠の具体的構成態様a,b,c,d及びhと被告意匠の具体的構成態様a',b',c',d'及びh'との一部相違点も些細な差異であって,本件登録意匠と被告意匠とは実質的に同一のものである。
また,本件登録意匠と被告意匠とは,少なくとも,需要者が混同する程よく似ていることは明らかであるから,全体として観察した場合,被告意匠は,少なくとも本件登録意匠に類似していることは明らかである。
【被告の主張】1物品の対比()被告商品1及び被告商品3の物品は「フロントテーブル ,被告商品4の」物品は「センターテーブル ,被告商品5の物品は「サイドテーブル」であ 」り,本件登録意匠に係る物品である「カップホルダ用装飾リング」とは異なる。
したがって,被告商品1及び被告商品3ないし5に係る物品は,いずれも本件意匠登録に係る物品とは類似しない。
2本件登録意匠の構成()ア本件登録意匠の基本的構成態様あ リング本体と,このリング本体の内側部に設けられた保持部材とを備○えている。
い リング本体は,円筒状の挿入スリーブ部と,この挿入スリーブ部の上○端部に設けられたフランジ部とを有する。
う フランジ部は径方向外方に突出状に形成されている。
○え 挿入スリーブ部には,その一部を径方向外方に突出する取付突出壁が○設けられ,この取付突出壁部によって取付凹部が設けられ,この取付凹部の上端部に保持部材の基部が上下揺動自在に装着されている。
お 保持部材は,通常状態において径方向内方に突出する突出位置に保持○される。
イ本件登録意匠の具体的構成態様か 取付凹部を規定する取付突出壁部の外周面は平坦壁面部に形成されて○いる。
き フランジ部の上面は,径方向外方に向けて下方に約20度傾斜して延○びている。
く 保持部材は,一片の薄板状であり,先端部は円弧線状とした略矩形状○である。
け 保持部材の厚みと幅の比率は,約1:15である。
○こ 保持部材の裏面の凹部は極浅く(肉厚の30% ,目立たない。
○)さ 保持部材は,先端上傾状に約10度傾斜している。
○し 保持部材と挿入スリーブ部との間には,ばね部材が介在されているが,○取付凹部の一側面と保持部材との微少間隙部に介在しており,コイル部は,挿入スリーブ部の肉厚寸法の2.5倍の軸心方向長さと極めて小さい。
す 平面図において,ばね部材の一部が保持部材の横に露出して見え,底○面図において保持部材の裏面に垂設された小円錐ピンにばね部材の一方の先端が係止している。
せ 挿入スリーブ部の外周面には,帯状の取付フック部が三つ設けられ,○各取付フック部の下端部には係止爪が設けられている。この係止爪は,挿入スリーブの最下端縁よりも下方へ突出し,かつ,外径方向に鋭く突出している。
そ フランジ部の横断面形状は,横倒台形状である。その横倒台形状のフ○ランジ部の下面には、浅くかつ細い凹細溝が形成されている。
た (底面図において)取付凹部を規定する取付突出壁部の平坦壁面部よ○りも外側に三日月型にフランジ裏面が平坦面状に見えるとともに,このフランジ裏面に凹細溝が短く凹設されている。
3本件登録意匠の要部()ア注意を引く部分カップホルダ用装飾リングは,車両の助手席の前部に取り付けられる(ア)フロントテーブル等のカップホルダの保持開口部を装飾するための物品であり,フロントテーブルに取り付けられた状態で,前方斜め上から観察することが多い。
それゆえ,まず,前方斜め上からの視点で,リング内部に保持された保持部材の形状が注意を引きやすいといえる。
また,カップホルダ用装飾リングの主な需要者は,フロントテーブル(イ)のカップホルダ用装飾リングを取り替えることを目的としている者であることから,カップホルダ用装飾リングの取付けが容易かどうかは関心事であり,底面視における挿入スリーブ部の外周形状も,需要者が注目する箇所であるといえる。
イ公知意匠の参酌フランジ部について(ア)本件意匠登録の出願前から,カップホルダ用装飾リングにおいて,挿入スリーブ部とその上端部に設けられたフランジ部を有する意匠が公知である(原告商品1B 。)保持部材について(イ)カップホルダにおいて,挿入スリーブ部の内側部に保持部材が上下揺動自在に装着されている点は,出願前に公知であった(乙6,11,12,14 。)取付凹部について(ウ)乙第14号証の図1(A)には,取付凹部も設けられている。
保持部材の形状(エ)本件登録意匠の保持部材が一片の薄板状であり,先端部は円弧線状とした略矩形状である点もありふれている。
ウ要部の検討以上からすると,本件登録意匠の要部は,底面視の挿入スリーブ部の外周形状たる具体的構成態様 か 及び挿入スリーブの外周面に突出している○ストッパーたる具体的構成態様 せ である。
○仮に,保持部材の形状を要部として検討するとしても,具体的構成態様あ , え 及び お は,従来からある構成であり,また物品の機能を確保す○ ○○るために不可欠な形態であるから要部たり得ず, く 及び け が要部とされ○○るべきである。
4被告意匠の構成()被告商品1の上段テーブルに嵌着された被告商品2に係る意匠(被告意匠)の構成態様は以下のとおりである。
ア被告意匠の基本的構成態様ア リング本体と,このリング本体の内側部に設けられた保持部材とを備○えている。
イ リング本体は,円筒状の挿入スリーブ部と,この挿入スリーブ部の上○端部に設けられたフランジ部とを有する。
ウ フランジ部は径方向外方に突出状に形成されている。
○エ 挿入スリーブ部には,その一部に径方向外方に突出する取付突出壁部○が設けられ,この取付突出壁部によって取付凹部が設けられ,この取付凹部の上端部に保持部材の基部が上下揺動自在に装着されている。
オ 保持部材は,通常状態において径方向内方へ突出する突出位置に保持○される。
イ被告意匠の具体的構成態様カ 取付凹部を規定する取付突出壁部の外周面は(円周面の一部の)円弧○面を外面に有する円弧ドーム型である。
キ フランジ部の上面は,径方向外方に向けて下方に約15度傾斜して延○びている。
ク 保持部材は,先端部には弧状傾斜面を有し,斜め上方から見れば肉厚○の約4倍の厚みに見える。
ケ 保持部材の厚みと幅の比率は,約1:6である。
○コ 保持部材の裏面には(基端皿を除き)三辺を下方へ折れ曲げることに○よって,深さ3?以上(肉厚の200%以上)の深い凹窪部が形成される。
サ 保持部材は略水平状(約2度程度)で,その傾斜はほとんど目立たな○い。
シ 保持部材と挿入スリーブ部との間には,ばね部材が介在されているが,○保持部材の基端角部に切欠部を形成して,この切欠部に8?の長い軸を設けて,ばね部材を巻設しており,ばね部材のコイル部は約5?と長い。
ス 通常状態では,上方からは,ばね部材が見えず,保持部材を下方へ揺○動させると,約5?のコイル部が露出する。保持部材の裏面には,その基辺に沿って,2本の軸部が左右対称形に設けられ(ただし,一方は上記コイル部巻設用で他方はダミーとして ,ばね部材の一方の先端が係 )止する実隆部が上記軸部の一方から連接されている。
セ 挿入スリーブの外周面は (取付突出壁部以外は)滑らかな円周面で○,ある。帯状突出部も爪も全くない。
ソ フランジ部の横断面形状は横倒L字型である。フランジ部の外周端縁○には,垂下壁が縁取られている。
タ 取付突出壁部の円弧面は,フランジ部の外周端縁と隣接しており,そ○の外側に平坦面はない。
チ フランジ部上面には 「FABULOUS●FABULOUS●」と○,の文字が黒字で刻まれている。
5本件登録意匠と被告意匠との対比()ア構成態様の対比本件登録意匠の構成態様と被告意匠の構成態様を対比すると,基本的構成態様( あ 〜 お )については,共通しているが,具体的構成態様( か○ ○○〜 た 及び チ )については,すべて異なっている。
○○イ要部の対比本件登録意匠と被告意匠の挿入スリーブ部の外周形状を対比すると,本件登録意匠の取付凹部の取付突出壁部の外周面は,平坦壁面部であるのに対し,被告意匠においては,円弧面を外面に有する円弧ドーム型である。
また,本件登録意匠の挿入スリーブ部の外周面には,帯状の取付フック部が三つ設けられ,各取付フック部の下端部には係止爪が設けられているのに対し,被告意匠においては,帯状突出部も爪も全くなく,滑らかな円周面である。
本件登録意匠と被告意匠の保持部材の具体的形状を対比すると,保持部材の先端部が平面視において円弧状である点で共通するものの,本件登録意匠の保持部材は一片の薄板状であるのに対し,被告意匠の保持部材は先端部には弧状傾斜面を有し,斜め上方から見れば約4倍の厚みに見える。
また,本件登録意匠の保持部材の厚みと幅の比率は約1:15であるのに対し,被告意匠では約1:5.5である。
6非類似()このように,本件登録意匠と被告意匠とは,要部においてその構成態様が全く異なっており,被告意匠は本件登録意匠と美感を異にするので,両者は類似しない。
9争点3-2(意匠法3条2項違反の無効理由の有無)【被告の主張】1本件登録意匠は, A 外鍔を有する略短円筒状リング本体, B 円弧凹状縁()○○部を先端に有する揺動可能な保持部材, C 同保持部材が揺動可能に枢着さ○れる略短円筒状リング本体の枢着部分は矩形状に突設され,リング本体はの形状である。
2本件登録意匠における A は,出願前に販売されていたことの明らかな原()○告商品1A,1Bにより公然知られていた。すなわち,原告は,本件意匠登録に係る出願前から原告商品1Bを販売しており,このフロントテーブルには,挿入スリーブ部とその上端部に設けられたフランジ部を有するカップホルダ用装飾リング(以下「1Bリング」という )が装着されていた。 。
また,原告だけでなく,多くの業者により A の形状を有する装飾リング○が装着されたフロントテーブルが製造・販売されていた(甲36の2 。)3本件登録意匠における B は周知な形状である(乙6,乙11,乙14,()○乙15,乙18等 。)4本件登録意匠における C についても周知の断面形状である(乙15の()○【図8 ,乙18の【図1。 】】)5上記のように,本件登録意匠は,本件登録意匠登録に係る出願前に公然知()られた A , B 及び C の意匠を,当業者にとってありふれた手法により単○ ○○に寄せ集めたものにすぎない。すなわち,外鍔を有する短円筒状リングの意匠を基礎として,保持部材を,その短円筒状リングの内部に枢着するに際して,その保持部材の形状につき,ありふれた(周知の)形状を選定し,かつ,周知のごとく揺動可能に枢着したものにすぎない。しかも,保持部材を揺動可能に枢着するに当たっても,周知の横断面形状を流用したにすぎない。
なお,リング本体の外周面に係止爪を形成することは,貫孔への円筒体(リング)の嵌合構造としては周知の形状である。
6よって,本件意匠登録は,意匠法3条2項の規定に違反して登録されたも()のである。
【原告の主張】1本件登録意匠の構成態様()本件登録意匠の構成態様は,前記8【原告の主張】(1)のとおりである。
2公知意匠について()ア乙第6号証掲載の意匠について同証拠掲載の意匠は,本件登録意匠と異なり,円形状のフランジ部分がない上,取付凹部が設けられているか否か,保持部材の基部が取付凹部に収容されているか否かが不明である。
また,同証拠掲載の意匠は,保持部材が収容開口の上端部に設けられている上,本体部分の側面が収容開口を有する上面部から底面まで略面一であり,テーブルの開口部に装着させ得る形状になっていない。
イ乙第11号証掲載の意匠について同証拠掲載の意匠は,本件登録意匠と異なり,収容開口の上端部がきれいな円形状になっていない上,保持部材の基部が取付凹部に隠れるように取り付けられていない。また,本件登録意匠の挿入スリーブに相当する部分がなく,テーブルの開口部に装着させ得る形状になっていない。
ウ乙第14号証掲載の意匠について同証拠掲載の意匠は,収容開口の上端部がきれいな円形状になっていない上,保持部材が収容開口の上端部に設けられている。また,テーブルの開口部に装着させ得る形状になっていない。
エ乙第15号証及び乙第18号証掲載の各意匠について同証拠掲載の各意匠は,いずれも収容開口の上端部がきれいな円形状になっておらず,保持部材が収容開口の上端部に設けられている上,ホルダー本体の側面にルーバーが設けられているなどテーブルの開口部に装着させ得る形状になっていない。
3創作非容易性について()原告商品1A,1Bに装着されたカップホルダ用装飾リングは,略矩形状の取付突出壁部,取付凹部,取付凹部の上端部に基部が揺動自在に装着された保持部材を,いずれも具備していない。
また,前記(2)の各意匠は,テーブルの開口部に装着させ得る形状になっていない上,収容開口の上端部がきれいな円形状になっておらず,保持部材が収容開口の上端部に設けられており,保持部材の基部が取付凹部に隠れるように取り付けられていない。
そのため,当業者が,原告商品1A,1Bに装着されたカップホルダ用装飾リングと,前記(2)の各意匠に基づいて,平面視した場合に,取付凹部及び保持部材の基部が隠れ,円形状のフランジ部のみが見え,円形状のフランジ部と融合した極めて優れた美感を有する本件登録意匠の創作をすることは容易ではない。
10争点3-3(意匠権侵害の成否)【原告の主張】1被告商品1及び被告商品3ないし5に係る意匠権侵害(主位的請求)()ア被告商品1について被告商品2を装着した被告商品1を販売することは,被告商品2の使用,譲渡等に該当するものである上,少なくとも,被告商品2を装着した被告商品1は本件登録意匠を利用するものであり,本件意匠権を侵害するものである。
よって,原告は,被告に対し,本件意匠権に基づき,被告商品1の製造販売等の差止め並びに被告商品1及び被告商品2の製造用金型の廃棄を求める。
イ被告商品3ないし5について本件登録意匠は,平面視した場合に取付部及び保持部材の基部が隠れ,円形のフランジ部のみが見え,保持部材が折れた状態でもフランジ部がきれいな円形状のままとなる構成に新規性・創作性がある。したがって,本件登録意匠の要部は,リング本体の内側部に設けられた保持部材を備え,挿入スリーブ部には,その一部を径方向外方に突出する略矩形状の取付突出壁部が設けられ,この取付突出壁部によって取付凹部が設けられ,この取付凹部の上端部に保持部材の基部が揺動自在に装着されている点にある。
これら本件登録意匠の特徴は,被告商品2を装着した被告商品3ないし5において,全て破壊されることなく,他の部分と区別しうる態様において存在しており,被告商品3ないし5全体の意匠を実施すると,必然的に本件登録意匠を実施することになる。
したがって,被告商品3ないし5は,本件登録意匠に係る物品であるカップホルダ装飾リングと同一又は類似の商品ではないとしても,本件登録意匠を利用するものであるから,被告商品3ないし5を販売等する行為は本件意匠権を侵害する。
よって,原告は,被告に対し,本件意匠権に基づき,被告商品3ないし5の製造販売等並びに被告商品3ないし5及び被告商品2の製造用金型の廃棄を求める。
仮に,被告商品3ないし5が本件登録意匠の利用意匠ではない場合であっても,被告商品2の「譲渡」には該当するので,被告意匠が本件登録意匠と類似である以上,被告商品2を装着した被告商品3ないし5の上記差止請求等が認められるべきである。
2被告商品2に係る意匠権侵害(予備的請求)()仮に被告商品2が商品として譲渡されることがないとしても,被告商品2の製造,製造者に対する提供(譲渡又は貸渡し)及び使用は,本件登録意匠又はこれに類似する意匠を実施するものであり,本件意匠権を侵害するものである。
よって,仮に被告商品3ないし5の差止請求が認められない場合には,本件意匠権に基づき,被告商品2の製造等の差止め並びに被告商品2及びその製造用金型の廃棄を求める。
【被告の主張】1利用関係の不存在()被告商品2をフロントテーブル,センターテーブル及びサイドテーブルの円形開口部に装着すると,本件登録意匠の特徴であるストッパー,挿入スリーブ部の外周形状が外部から見えなくなり,本件登録意匠の特徴は破壊される。また,全体として一体となり,カップホルダ用装飾リングのみを区別しうる態様において存在しているとはいえない。
したがって,被告商品1及び被告商品3ないし5において,本件登録意匠の利用関係は認められない。
2被告商品2の物品性()ア被告は,被告商品2の製造を外部に委託し,これを仕入れてフロントテーブル等に装着(のり付け)して販売しており,被告商品2を交換部品としても販売していない。したがって,被告商品2には,物理的にも経済的にも独立性はなく,独立した取引対象として流通過程に置かれるべき「物品」ではない。
イしたがって,フロントテーブル等の構成部分である被告商品2のみを切り離して意匠法の規制の対象とすることはできない。
よって,被告商品2の製造を委託し,これを仕入れる行為は,本件意匠権を侵害しないので,原告の差止請求はいずれも争う。
11争点4-1(他人の商品性)【原告の主張】1原告は,平成17年7月1日から原告商品2-1を販売している。
()原告商品2-1はフロントテーブル等に装着して販売するのが通常であるが,原告は,これを単体で補修部品として販売したことがある。
2原告は,平成17年7月30日ころから原告商品2-2を販売している。
()3仮に,原告商品2-1が単体で販売されることがなかったとしても,被告 ()商品2をフロントテーブル,センターテーブル及びサイドテーブルに装着して販売する行為は,不正競争防止法2条1項3号の不正競争に該当する。
【被告の主張】1原告商品2-1はフロントテーブル等の一部にすぎず 「商品」に当たら() ,ない。原告は,原告商品2-1を単独で販売したことがある旨主張するが,否認する。
原告商品2-2が単体で取引されていることは認める。
2被告が被告商品2を製造していることは認める。しかし,被告は,被告商()品2をフロントテーブルに装着して販売しているのであり,単体としてこれを「譲渡し,貸し渡し,譲渡若しくは貸渡しのために展示し,輸出し,又は輸入する行為」をしていない。
したがって,被告商品2は,フロントテーブルと物理的にも経済的にも独立しておらず 「商品」には当たらない。 ,3よって,原告商品2-1及び被告商品2の形態は,当該商品の構成部分で()あって「商品の形態」ではない。
したがって,原告商品2-1の形態を先行商品の形態とする原告の主張は,失当である。
12争点4-2(実質的同一性)【原告の主張】1原告商品2-1の形態と被告商品2の形態との実質的同一性()ア原告商品2-1の形態原告商品2-1の形態は,フランジ部に「GARSON」なる英文字が4個それぞれの間に「○」を挟んで並んでいるほかは,前記8【原告の主張】(1)のとおりである。
イ被告商品2の形態被告商品2の形態は,フランジ部に「FABULOUS」なる英文字が2個それぞれの間に「●」を挟んで並んでいるほかは,前記8【原告の主張】(3)のとおりである。
ウ対比原告商品2-1の形態と被告商品2の形態を対比すると,各基本的構成態様が同一である上,具体的構成態様については,原告商品2-1の具体的構成態様e,f及びgと被告商品2の具体的構成態様e',f'及びg'が同一である。他方,本件登録意匠の具体的構成態様a,b,c,d及びhと被告商品2の具体的構成態様a',b',c',d'及びh'において一部相違するが,これらの相違は些細な差異である(詳細は前記9【原告の主張】(4)のとおり。。)また,原告商品2-1と被告商品2とは,フランジ部に英文字が複数個並んでいる点は同一であり,それぞれの間に「○」又は「●」を挟んで並んでいる点や具体的な英文字は相違するが,これらの相違点が美感に与える影響は全くなく,需要者に異なる印象を与えるものではない。
エよって,原告商品2-1と被告商品2の各形態は実質的に同一である。
2原告商品2-2の形態と被告商品2の形態との実質的同一性()ア原告商品2-2の形態は,フランジ部分に「GARSON」なる英文字が2個 「D.A.D」なる英文字が2個,5個ずつ一連のクリスタルの ,石が交互に配置されているほか,原告商品2-1の形態と同一である。
イしたがって,被告商品2にはフランジ部分にクリスタルの石が配置されていないが,この点を除き,原告商品2-1の形態と実質的に同一であることは,原告商品2-1について主張したとおりである。
そうすると,原告商品2-1のフランジ部分に「GARSON」なる英文字が2個と 「D.A.D」なる英文字が2個と,5個ずつ一連のクリ ,スタルの石を交互に配置したにすぎず,原告商品2-1の形態と実質的に同一である原告商品2-2の形態も,被告商品2の形態と実質的に同一である。
【被告の主張】1原告商品2-1の形態()原告商品2-1の形態は,前記8【被告の主張】(2)に掲げたほか,以下の ち ないし て の構成を備える。
○○ち フランジの上面には 「○GARSON○GARSON」と凹文字で刻○,印がなされている。
つ 保持部材の色は黒色である。
○て リング本体は,白っぽい銀色のクロムコーティングが施されている。
○2被告商品2の形態 ()被告商品2の形態は,前記8【被告の主張】(4)に掲げたほか,以下の ツ○及び テ の構成を備える。
○ツ 保持部材の色は銀色である。
○テ リング本体は,三価クロム系の黒っぽい銀色の銀色メッキが施されてい○る。
3原告商品2-1の特徴的な形態()ア原告商品2-1の特徴的な形態は,底面視の挿入スリーブ部の外周形状及びストッパーに関する以下の点である。なぜなら,需要者は,フロントテーブル等に装着できるかどうかに,大きな関心を有しているからである。
か 取付凹部を規定する取付突出壁部の外周面は平坦壁面部に形成されて○いる。
せ 挿入スリーブ部の外周面には,帯状の取付フック部が三つ設けられ,○各取付フック部の下端部には係止爪が設けられている。この係止爪は,挿入スリーブの最下端縁よりも下方へ突出し,かつ,外径方向に鋭く突出している。
イまた,原告商品2-1をフロントテーブル等に装着した場合には,需要者は,同商品を斜め上方から見ることが多く,その場合,保持部材の具体的形態にも注意が向くことから,同商品の特徴的な形態は,以下の点である。
く 保持部材は,一片の薄板状であり,先端部は円弧線状とした略矩形状○である。
け 保持部材の厚みと幅の比率は,約1:15である。
○つ 保持部材の色は黒色である。
○4対比()ア被告商品2の挿入スリーブ部の外周形状被告商品2における底面視の挿入スリーブ部の外周形状は,以下のとおりである。
カ 取付凹部を規定する取付突出壁部の外周面は(円周面の一部の)円弧○面を外面に有する円弧ドーム型である。
セ 挿入スリーブの外周面は (取付突出壁部以外は)滑らかな円周面で○,ある。帯状突出部も爪も全くない。
イ被告商品2の保持部材の具体的形態被告商品2における保持部材の具体的形態は,以下のとおりである。
ク 保持部材は,先端部には弧状傾斜面を有し,斜め上方から見れば肉厚○の約4倍の厚みに見える。
ケ 保持部材の厚みと幅の比率は,約1:6である。
○ツ 保持部材の色は銀色である。
○ウ以上より,被告商品2は,原告商品2-1の特徴において相違している上,被告商品2では,上鍔(フランジ)の幅寸法が大きく,厚みがあることから,保持部材の厚みとマッチして,原告商品2-1と異なる圧倒的な重厚感を醸し出している。
また,色についても,原告商品2-1は白っぽい銀色のクロムコーティングであり,あたたかく,軽く見えるのに対し,被告商品2は黒っぽい銀色の三価クロムメッキであり,冷たく,重く見え,異なった印象を与えている。
よって,被告商品2の形態は,原告商品2-1の形態と実質的に同一ではない。
5原告商品2-2について()原告商品2-2における特徴的形態は,フランジにクリスタルの石が配置されている点である。被告商品2には,クリスタルの石は配置されておらず,両者は印象を異にする。
よって,被告商品2の形態が原告商品2-2の形態と実質的に同一とはいえない。
13争点4-3(依拠性)【原告の主張】1原告商品2-1の依拠()原告商品2-1を装着した原告商品1Cは,平成17年7月1日から販売が開始されものであるところ,被告商品2を装着した被告商品1は,平成17年12月1日に広告され,平成18年2月ころから販売開始されたものである。
したがって,被告が原告商品1Cの形態に依拠して,被告商品1に装着する被告商品2の形態を作り出したことは明らかである(詳細は前記6【原告の主張】のとおり。。)2原告商品2-2の依拠()原告商品2-2は,平成17年7月30日ころから,販売が開始されたものであり,これより後に被告商品2を装着したテーブルの販売が開始されたことからすれば,被告商品2の形態は,原告商品2-2の形態に依拠したものである。
【被告の主張】否認する。
被告商品2の開発経緯は前記6【被告の主張】のとおりである。
14争点5(不正競争行為に係る故意・過失)【原告の主張】原告が原告商品1の広告宣伝を行ったことにより,その商品形態が商品表示として周知であるにもかかわらず,被告は原告商品1の形態に依拠して,これと実質的に形態が同一である被告商品1を製造販売していることなどからして,被告の不正競争行為(争点1,2)は,故意又は過失によるものである。
また,被告は,原告商品2に依拠して,これと実質的に形態が同一である被告商品2を装着した被告商品3ないし5を製造販売しているのであるから,被告の不正競争行為(争点4)も,故意又は過失によるものである。
【被告の認否】いずれも否認する。
15争点6(損害の額)【原告の主張】1被告商品1の販売によって被った損害()ア不正競争防止法5条1項,意匠法39条1項による算定原告商品1-1の1台当たりの利益は●●●●●●円を下らない。ま(ア)た,被告商品1-1の譲渡数量は少なくとも●●●台(同台数は,原告が製造販売可能であった原告商品1-1の台数を超えるものではない )を下らない。。
したがって,これらを乗じた●●●●●●●●●円が損害の額となる。
原告商品1-2の1台当たりの利益は●●●●●●円を下らない。ま(イ)た,被告商品1-2の譲渡数量は少なくとも●●●台(同台数は,原告が製造販売可能であった原告商品1-2の台数を超えるものではない )を下らない。。
したがって,これらを乗じた●●●●●●●●円が損害の額となる。
原告商品1-3の1台当たりの利益は●●●●●●円を下らない。ま(ウ)た,被告商品1-3の譲渡数量は少なくとも●●●台(同台数は,原告が製造販売可能であった原告商品1-3の台数を超えるものではない )を下らない。。
したがって,これらを乗じた●●●●●●●●円が損害の額となる。
原告商品1-4の1台当たりの利益は●●●●●●円を下らない。
(エ)また,被告商品1-4の譲渡数量は少なくとも●●●台(同台数は,原告が製造販売可能であった原告商品1-4の台数を超えるものではない )を下らない。。
したがって,これらを乗じた●●●●●●●●円が損害の額となる。
以上より,被告商品1の販売によって,原告は,少なくとも上記合計(オ)額●●●●●●●●●円の損害を被った。
イ不正競争防止法5条2項,意匠法39条2項による算定被告商品1-1の1台当たりの被告の利益は少なくとも●●●●●●(ア)円を下らない。また,被告は,被告商品1-1を少なくとも●●●台販売した。
したがって,被告は,これらを乗じた●●●●●●●●●円の利益を得た。
被告商品1-2の1台当たりの被告の利益は少なくとも●●●●●●(イ)円を下らない。また,被告は,被告商品1-2を少なくとも●●●台販売した。
したがって,被告は,これらを乗じた●●●●●●●●円の利益を得た。
被告商品1-3の1台当たりの被告の利益は少なくとも●●●●●● (ウ)円を下らない。また,被告は,被告商品1-3を少なくとも●●●台販売した。
したがって,被告は,これらを乗じた●●●●●●●●円の利益を得た。
被告商品1-4の1台当たりの被告の利益は少なくとも●●●●●●(エ)円を下らない。また,被告は,被告商品1-4を少なくとも●●●台販売した。
したがって,被告は,これらを乗じた●●●●●●●●円の利益を得た。
以上より,被告商品1の販売によって受けた原告の損害は,少なく(オ)とも上記合計額●●●●●●●●●円と推定される。
よって,被告商品1の販売行為によって,原告には,少なくとも●●●●●●●●●円の損害が生じた。
ウ不正競争防止法5条3項,意匠法39条3項による算定被告商品1の販売行為に対し受けるべき金銭の額(使用料相当額)は,被告商品1の売上額(少なくとも●●●●●●●●●円)の10%である●●●●●●●●円を下らない。
エ弁護士及び弁理士費用相当損害被告の不正競争行為及び本件意匠権侵害行為と相当因果関係のある弁護士及び弁理士費用相当損害として●●●万円が相当である。
オ原告は,被告に対し,上記アないしウで算定したうち最も高い額(なお,商品ごとに額が異なる場合は,商品ごとの最高額 )を選択的に損害賠償
として請求するとともに,上記エ記載の弁護士及び弁理士費用相当損害についても損害賠償として請求する。
2被告商品2の使用,譲渡によって受けた損害(本件意匠権侵害に係る損()害)ア意匠法39条1項による算定原告は,原告商品2-1を製造し,これを原告商品1やその他の自動車のフロントテーブル等に装着し,又は単独で販売していた。原告商品2-1の1個当たりの利益は●●●円を下らない。また,被告商品1及び被告商品3ないし5に装着された被告商品2の譲渡数量は少なくとも●●●●●●個(同個数は,原告が製造販売可能であった原告商品2-1の個数を超えるものではない )を下らない。具体的には,被告商品1に装着され 。
て譲渡された被告商品2は少なくとも●●●●個,被告商品3に装着されて譲渡された被告商品2は少なくとも●●●●個,被告商品4に装着されて譲渡された被告商品2は少なくとも●●●●個,被告商品5に装着されて譲渡された被告商品2は少なくとも●●●●個である。
したがって,●●●円に●●●●●●個を乗じた●●●●●●●円が,被告商品2の使用,譲渡行為によって原告が被った損害額となる。なお,上記金員のうち,●●●●●●●●円が被告商品3ないし5に装着された被告商品2(譲渡数量●●●●●●個)の使用,譲渡行為によって生じた損害である。
イ意匠法39条2項による算定被告は,被告商品1及び被告商品3ないし5の販売行為を行ったところ,これらに装着された被告商品2の1個当たりの利益は少なくとも●●●円を下らない。また,被告は,被告商品1及び被告商品3ないし5に装着された被告商品2を少なくとも●●●●●●個使用,譲渡した。
したがって,被告は,これらを乗じた●●●●●●●●円の利益を得たものであり,原告は同額の損害を受けたと推定される。なお,上記金員のうち,●●●●●●●●円が被告商品3ないし5に装着された被告商品2(譲渡数量●●●●●●個)の使用,譲渡行為によって生じた損害である。
ウ意匠法39条3項による算定被告商品1及び被告商品3ないし5の販売行為に対し受けるべき金銭の額(実施料相当額)は,被告商品1及び被告商品3ないし5に装着された被告商品2の1個当たり●●●円を下らない。また,被告商品1及び被告商品3ないし5に装着された被告商品2の使用,譲渡数量は●●●●●●個である。
したがって,これらを乗じた●●●●●●●●円が損害の額となる。なお,上記金員のうち,●●●●●●●●円が被告商品3ないし5に装着された被告商品2(譲渡数量●●●●●●個)の使用,譲渡行為によって生じた損害である。
エ弁護士及び弁理士費用相当損害被告の本件意匠権侵害行為と相当因果関係のある弁護士及び弁理士費用相当損害として●●●円が相当である。なお,上記金員のうち,●●●円が被告商品3ないし5に装着された被告商品2の譲渡行為と相当因果関係のある弁護士及び弁理士費用相当損害である。
オ原告は,被告に対し,上記アないしウで算定したうち最も高い額(なお,商品ごとに上記アないしウで算定した額が異なる場合は,商品ごとの最高額 )を選択的に損害賠償として請求するとともに,上記エ記載の弁護士 。
及び弁理士費用相当損害についても損害賠償として請求する。
3被告商品2を装着した被告商品1及び被告商品3ないし5の販売によって()受けた損害(形態模倣に係る損害)ア原告商品2-1の形態模倣に基づく損害不正競争防止法5条1項による算定(ア)前記(2)アと同じ。
不正競争防止法5条2項による算定(イ)前記(2)イと同じ。
不正競争防止法5条3項による算定 (ウ)前記(2)ウと同じ。
弁護士及び弁理士費用相当損害(エ)前記(2)エと同じ。
原告は,被告に対し,上記(ア)ないし(ウ)で算定したうち最も高い額(オ)(なお,商品ごとに上記(ア)ないし(ウ)で算定した額が異なる場合は,商品ごとの最高額 )を選択的に損害賠償として請求するとともに,上記 。
(エ)記載の弁護士及び弁理士費用相当損害についても損害賠償として請求する。
イ原告商品2-2の形態模倣に基づく損害不正競争防止法5条1項による算定(ア)原告商品2-2の1個当たりの利益は●●●●円を下らない。また,被告商品2の譲渡数量少なくとも●●●●●●個(同個数は,原告が製造譲渡可能であった原告商品2の個数を超えるものではない )を下ら。
ない。
したがって,これらを乗じた●●●●●●●●●円が,被告が被告商品2を被告商品1及び被告商品3ないし5に装着して譲渡した行為によって生じた損害となる。
なお,上記金員のうち,●●●●●円が被告商品3ないし5に被告商品2(譲渡数量●●●●●●個)を装着して譲渡した行為によって生じた損害である。
不正競争防止法5条2項による算定(イ)前記(2)イと同じ。
不正競争防止法5条3項による算定(ウ)前記(2)ウと同じ。
弁護士及び弁理士費用相当損害(エ)被告の不正競争行為と相当因果関係のある弁護士及び弁理士費用相当損害として●●●●円が相当である。
なお,上記金員のうち,●●●●円が被告商品3ないし5に装着された被告商品2の譲渡行為と相当因果関係のある弁護士及び弁理士費用相当損害である。
原告は,被告に対し,上記(ア)ないし(ウ)で算定したうち最も高い額(オ)(なお,商品ごとに上記(ア)ないし(ウ)で算定した額が異なる場合は,商品ごとの最高額 )を選択的に損害賠償として請求するとともに,上記 。
(エ)記載の弁護士及び弁理士費用相当損害についても損害賠償として請求する。
4損害賠償請求権相互の関係()ア上記(1)について不正競争防止法5条1項若しくは2項又は意匠法39条1項若しくは2項の損害算定に基づく損害賠償請求が認容されるとともに,上記(2)について意匠法39条1項又は2項の損害算定に基づく損害賠償請求又は上記(3)について不正競争防止法5条1項又は2項の損害算定に基づく損害賠償請求が認容された場合,同一の被告商品2を装着した被告商品1の製造,販売行為については,上記(2)の損害賠償請求権又は上記(3)の損害賠償請求権と,上記(1)の損害賠償請求権とは,重複する範囲で不真正連帯債権となる(なお,上記(2)の損害賠償請求又は上記(1)の損害賠償請求が意匠法39条3項又は不正競争防止法5条3項の損害算定に基づいて認容される場合には,それぞれの規定に基づいて算定された額を合算した額が損害の額となる。。)イ上記(3)の損害賠償請求は,上記(2)の損害賠償請求の予備的請求である。
ウ上記(2)及び(3)の損害賠償請求について,意匠権侵害に基づく損害賠償請求,原告商品2-1の形態模倣を理由とする請求及び原告商品2-2の形態模倣を理由とする請求については,重複する範囲において不真正連帯債権となる(なお,上記(2)の損害賠償請求,上記(3)の原告商品2-1の形態模倣を理由とする損害賠償請求又は原告商品2-2の形態模倣を理由とする損害賠償請求が,意匠法39条3項又は不正競争防止法5条3項の損害算定に基づいて認容される場合であって,テーブル全体に係る不正競争防止法2条1項1号又は3号違反による損害賠償請求が不正競争防止法5条3項の損害算定に基づいて認容される場合には,それらの額を合算した額が損害の額となる。。)【被告の認否】いずれも否認する。
第4当裁判所の判断1争点1-1(原告商品1の形態に係る周知商品表示性)について1はじめに()原告は,原告商品1の形態をもってその商品表示であると主張する。商品の形態は,それ自体として,直ちに当該商品の出所を表示するものではない。
しかし,当該商品の形態が他の商品とは異なる独自の特徴を有しており,かつ,その形態が特定の者によって長期間継続的かつ独占的に使用されるか,又は短期間でも極めて強力な宣伝広告活動や圧倒的な販売実績等があって,需要者において当該形態が特定の事業者の出所を表示するものとして周知となっている場合には,当該商品等の形態をもって,不正競争防止法2条1項1号の保護の対象となる商品表示と解することができる。
そこで,かかる観点から,原告商品1の形態が周知商品表示性を獲得しているかどうかについて検討する。
2原告商品1の形態上の特徴について()ア原告商品1の形態は,別紙原告商品目録1-1(A),1-2(A),1-3(A),1-4(A),1-1(B),1-2(B),1-3(B),1-4(B),1-1(C),1-2(C),1-3(C)及び1-4(C)の各第4項及び同別紙添付の写真に掲載のとおりである(争いがない。。)そして,原告は,原告商品1が「上下2段のテーブルを設けたフロントテーブルにおいて,下段テーブルの上面に凹みを設け,該凹みの表面にシート材を設けていること,上段テーブルにフランジが銀色のカップホルダ用装飾リングが取り付けられていること,外周面が銀色で上面にシート材を貼付されたコースターが設けられていること,下段テーブル部分及び上段テーブル部分の外周面に銀色のモールが設けられていることによって,フロントテーブル全体に統一感があり,落ち着いた高級感があることを特徴とする」ものであり,商品表示性を有すると主張する。
イ証拠(甲18の資料2)によれば,平成14年1月16日発行の「スタイルワゴンVIP2002大カタログ」において,自動車(乗用車)の助手席前方に取り付けて使用するフロントテーブルが掲載されているところ,ここに掲載された「AMS」販売の「ナビカウンター「フォーチュー」,ン」販売の「フロントテーブル「オートステージフォルテ」販売の 」,「フロントテーブル「エム商マジック」販売の「カウンターテーブ 」,ル「オートガレージ122」販売の「VIPカウンターテーブル , 」, 」「サウスコーポレーションヨコハマ」販売の「ラグジュアリーフロントテーブル「クラブ・バラムンディ」販売の「アクリルフロントテーブ 」,ル「クロスロード」販売の「フロントテーブル「スパイシーチュー 」, 」,ン」販売の「モダンアートテーブル」は,いずれも上下2段のテーブルを設け,上段テーブルは下段テーブルの右側に設置された支持脚により支持され,またドリンクホルダー用の円形の貫通部分が長手方向に間隔を置いて2箇所(ただし「モダンアートテーブル」においては3箇所)設けられていることが認められる。
また,上記フロントテーブルのうち 「フォーチューン」販売の「フロ ,ントテーブル」及び「オートガレージ122」販売の「VIPカウンターテーブル」には,下段テーブル及び上段テーブルの外周面に銀色のモールが設けられていることが認められる。
さらに,上記フロントテーブルのうち 「オートガレージ122」販売 ,の「VIPカウンターテーブル」の上段テーブルには,タバコや携帯電話を保持するための略四角形の貫通部分(シガレットホルダー,携帯電話ホルダー)が前後方向に間隔を置いて2箇所設けられており,下段テーブルには,上段テーブルのドリンクホルダー用貫通部分の真下に円形のコースターが2箇所設けられ,上段テーブルのシガレットホルダー,携帯電話ホルダー用貫通部分の真下にコースターが設けられていることも認められる(ただし,同コースターの外周面が銀色であるかどうか,シート材が貼付されているかどうかは,上記雑誌に掲載された写真からは判然としない。。)ウ証拠(甲18の資料1)によれば,平成13年1月10日発行の「ドレスアップマニュアル」に掲載されたフロントテーブルのうち 「エム商マ,ジックジャパン」販売の「カウンターシリーズ」は,上段テーブルと下段テーブルを備え,下段テーブルには小物を置くための凹みが形成されていることが認められる(ただし,同凹み部分にシート材が貼付されているかどうかは,上記雑誌に掲載された写真からは判然としない。。)エそこで検討するに,原告商品1Aの販売が開始された平成15年8月4日より前に,自動車の助手席前方に取り付けて使用するフロントテーブルにおいて,上下2段のテーブルを設け,上段テーブルは下段テーブルの右側に設置された支持脚により支持され,またドリンクホルダー用の円形の貫通部分が長手方向に間隔を置いて2箇所設ける形態は,周知なものであり,ありふれた形態であったことが認められる。そして,かかる形態は,原告商品1に接した需要者が認識する原告商品1の基本的な形態というべきであり,それでもなお原告商品1の形態をもって商品表示性を有するというためには,他の部分において相当程度特徴的な構成を備えていることを要するというべきである。
この点,原告は前記のとおり原告商品1の形態上の特徴を主張するが,下段テーブルにコースターを設けること,上段テーブル及び下段テーブルの外周面に銀色のモールを設けること,下段テーブル上面に凹みを設けることそれ自体については,いずれも原告商品1Aの販売開始前に採用例があることが認められる。また,原告商品1における上記コースター,モール及び凹み部分の形態を見ても,それらの形態において他の商品と際だって異なる特徴的な形態が採用されているとも認め難い。なお,原告は,上記採用例について,原告が当時販売していたフロントテーブルの形態を模倣したものであると主張する。しかし,原告が当時販売していたと推認されるフロントテーブル(甲18の資料2の2枚目右列上から3番目の「フロントテーブル? )には,少なくとも小物置きのための凹みは形成され 」ておらず,この点において上記採用例が「フロントテーブル?」の形態を模倣したものということはできないのであり,他に,上記採用例が原告のフロントテーブルを模倣したものと認めるに足りる証拠はない。
これに対し,原告が原告商品1の特徴の一つとして主張する「フランジが銀色のカップホルダ用装飾リング」について,原告商品1Aの販売開始前に,フロントテーブルのドリンクホルダーに装飾リングが設けられたものは見受けられない。しかし,他方で,原告商品1Aにはそもそも装飾リングが設けられておらず,原告商品1Bには装飾リングが設けられているものの保持部材は設けられておらず,原告商品1Cに至ってようやく保持部材付きの装飾リングが設けられているのであり,原告商品1は,装飾リングの形態において,大きく変遷しているのである。そうである以上,装飾リングの形態をもって,原告商品1の商品表示性の根拠たる独自の形態上の特徴と認めることはできない。
オ以上より,原告商品1は他の商品とは異なる商品形態を有していること自体は否定できないものの,その独自性は低いといわざるを得ない。
3原告商品1の形態の周知性について()ア原告商品1の販売数量及び売上高について原告は,原告商品1の販売数量及び売上高について,別紙実績表1ないし4のとおりであると主張し,原告従業員であるP1は,同別紙は原告の販売管理システムから集計したものであると証言する。
しかし,同別紙の販売数量等について,被告がその信用性を明確に争っているにもかかわらず,これを裏付ける納品書等の証拠が提出されていないことにかんがみると,P1の上記証言のみをもって,同別紙の信用性をたやすく肯定することはできないというべきである。
また,仮に同別紙の販売数量等が真実のものとしても,以下の理由により,その販売数量が原告商品1の形態の周知性を肯定するに足りる程度のものであったとは認め難い。すなわち,原告商品1は自動車(ただし,乗用車。以下同じ )に装着するものであるから,潜在的には自動車を保有 。
する全ての者が需要者となり得る。ただし,原告も主張するように,自動車の保有者の中でも,原告商品1のようなテーブルを自らの保有する自動車に取り付けるなどして,その内装に手を加えようとする者は,自動車の内装に特段の興味関心を有する一定の者に限られると考えられる。したがって,原告商品1の現実の需要者についても,自動車の保有者全てではなく,これら一定の者に限られるとは考えられる。しかし,これらの者の人数がおおよそどの程度になるかについて原告は何ら具体的な主張立証をしていない。なお,原告が原告商品1の広告を掲載していると主張する各雑誌の販売部数の年間販売部数の合計が113万部であること( カスタム「カー :年21万部 「VIPCAR :年20万部 「VIPワゴン : 」,」,」年15万部 「ONE&ONLY :年5万部 「WAGONIST :年 ,」,」12万部 「KSTYLE :年8万部 「VIPSTYLE :年12 ,」,」万部 「スタイルワゴン :年10万部 「スタイルRV :年3万部 「ス ,」,」,タイルワゴンクラブ :年7万部〔甲40の1・2 )や,原告が原告商 」 〕品1を展示したと主張する各展示会(名古屋オートトレンド,東京オートギャラリー及び東京スタイルワゴンフェスタ,東京オートサロン,大阪オートメッセ及び福岡オートサロン)の来場者数が,原告の主張(別紙展示会来場者数等)によれば平成16年から平成20年までの間で合計285万4688人であり,平成20年に限っても79万9361人であることからすれば,原告商品1の需要者は少なくとも数十万人程度は存在するのではないかと考えられる。かかる数字を前提とし,かつ,前記のように原告商品1の形態の独自性が低いことも併せ考慮すれば,原告が主張する原告商品1の販売数量(1万2159台)程度では,原告商品1の形態の周知性を肯定するには足りないというべきである。
イ宣伝広告について原告は,原告商品1の雑誌広告について,別紙雑誌掲載一覧表のとおりであると主張する。しかし,そのうち,原告から証拠として提出されていないものもあり,証拠として提出されているもの(甲21,36の1〜8,38,39,56)においても,掲載された原告商品1の写真が小さかったり,撮影の角度等によって原告商品1の一部しか写っていないものや,文字や小物に遮られて商品形態が十分に確認できないものがあるなど,雑誌広告において原告が原告商品1の商品表示として主張する商品形態が特に強調されているとまでは認められず,かえって「D.A.D」という原告のブランド名が強調されているものと認められる。
その他,原告は展示会への出展,ウェブサイトのアクセス件数及びカタログの配布について主張するが,これら原告が主張する事実を前提にしても,展示会では他の商品と並べて陳列されているにすぎず(甲22の1〜5,24 ,カタログ(甲29)についても,他の商品と共に掲載されて )いるのであり,特に原告商品1に限って,その商品形態を強調した宣伝広告が行われたとは認められない。
ウアンケートについて原告は,展示会において行ったアンケート結果を基に,原告商品1の形態の周知性を立証しようとする。しかし,P1の証言(甲57を含む )。
によれば,当該アンケートが行われたのは原告(ギャルソン)のブース内であり,しかも,アンケートの前に告知したのかどうかは不明であるものの,アンケートへの回答と引換えに非売品のステッカーを配布したというのである。上記アンケートの取り方に照らせば,アンケートを受ける者をして,もっぱら原告のフロントテーブルを念頭に置かせ,そのような先入観の下に答えさせることになることが明らかであるから,そのアンケート結果の客観性,信頼性については疑問があるといわざるを得ない。また,そのアンケート(甲57の別紙1)における質問事項も,フロントテーブルを装着しているか否か,購入したフロントテーブルを知った経緯のほか,「フロントテーブルを既に購入された方,あるいはこれから購入されようとしている方」を対象として「フロントテーブルのどの部分に着目して購入を決められますか 」と概括的に質問するものにすぎず,他社のフロン 。
トテーブルとの比較における原告商品1の形態の特徴に関する質問を含むものではないから,このアンケート結果をもって原告商品1の形態が周知の商品表示であることを根拠づけることができないことは明らかである。
そうとすれば,かかるアンケート結果に基づいて,原告商品1の形態に係る周知性を肯定することもできないというべきである。
4小括()以上のとおり,原告商品1における形態上の独自性は低いものといわざるを得ず,また,これにつき強力な宣伝広告や圧倒的な販売実績等があったとも認め難いことからすれば,原告が主張する形態上の特徴をもって,原告商品1の出所を表示するに足りる周知商品表示性を有するものと認めることはできない。
よって,不正競争防止法2条1項1号該当性(争点1)に係るその余の争点について判断するまでもなく,被告による被告商品1の製造販売が同号の不正競争に該当するとは認められないから,被告の上記行為が不正競争に当たることを理由とする同法3条及び4条に基づく原告の請求は,いずれも理由がない。
2争点2-1(被告商品1と原告商品1との実質的同一性)1原告商品1及び被告商品1の形態()原告商品1の形態は,別紙原告商品目録1-1(A),1-2(A),1-3(A),1-4(A),1-1(B),1-2(B),1-3(B),1-4(B),1-1(C),1-2(C),1-3(C)及び1-4(C)の各第4項及び同別紙添付の写真に掲載のとおりであり,被告商品1の形態は,別紙被告商品目録1-1ないし1-4の各第4項及び同別紙添付の写真に掲載のとおりである(争いがない。。)2原告商品1-1Cと被告商品1-1の実質的同一性()上記商品のうち,まず原告商品1-1Cと被告商品1-1との実質的同一性について検討する。
ア原告商品1-1Cの形態上記(1)及び弁論の全趣旨によれば,原告商品1-1Cの形態は以下のとおりであると認められる。
全体的形態(ア)Aフロントテーブル2は,車両の助手席側に固定して取り付けられる取付部4と,この取付部4の上に載置された下段テーブル6と,この下段テーブル6の上方に配設される上段テーブル8とを備え,上段テーブル8は,下段テーブル6の右部に設置された3つの支持脚10により支持されており,下段テーブル6の左部の上方は開放されている。
B下段テーブル6及び上段テーブル8の外周面には,銀色のモール15,21が設けられ,同モールは各1枚の帯板状からなり,それぞれ幅方向に間隔を置いて2つの凹部17,23が形成されている。
下段テーブルの形態(イ)C下段テーブル6の左半分は,角部分にアールのついた略長方形状であり,右半分は手前に張り出した直線端部を有している。
D下段テーブル6の左部の上面に凹み12が設けられ,この凹み12の表面にシート材14が貼付されている。このシート材14は黒色であり,その表面に不規則な横縞状の模様が施されている。
上段テーブルの形態(ウ)E上段テーブル8は,平面視「への字」に折れ曲がっているが,折曲位置から左側の部分と右側の部分はほぼ同じ長さである。
F上段テーブル8の中央と右寄りに,2つの円形状の貫通部分が長手方向に間隔を置いて設けられている。
G上段テーブル8の左側には,略四角形状の2つの貫通部分20,22が前後方向に間隔を置いて設けられている。
取付部の形態(エ)H取付部4の左壁及び右壁の各前面並びに上壁,中壁及び下壁の各前面には,銀色のモールが設けられ,同モールは各1枚の帯板状からなり,それぞれ幅方向に間隔を置いて2つの凹部が形成されている。
I取付部の左右側壁は,凸凹凸を有する曲線状である。
コースターの形態(オ)Jコースター24,26は下段テーブル6の上面に載置固定されており,カップホルダ用装飾リング16,18が装着された貫通部分の真下に位置する。これらコースター24,26は円形状であり,その外直径は80?で,外周面にはクロムコーティングが施されており,上面にはシート材30が貼付されている。
Kコースター32は下段テーブル6の上面に載置固定されており,略四角形状の貫通部分20,22の真下に位置する。コースター32は,1個の略正方形状であり,外周面にはクロムコーティングが施されており,上面にはシート材36が貼付されている。
Lコースター24,26,32に貼付されたシート材30,36の表面に不規則な横縞状の模様が施されている。
装飾リングの形態(カ)M上段テーブル8の円形の上記貫通部分には,カップホルダ用装飾リング16,18が嵌着されている。同リングは,約8mmの幅寸法の上鍔を有し,クロムコーティングが施されて 「○GARSON○GA ,RSON○GARSON○GARSON」と刻印がなされている。
N装飾リング16,18の内側には,黒色の保持部材αが設けられており,保持部材αは,比較的薄い(約2?)板状であり,先端部は弧状に形成され 「GARSON」なる文字が記載されている。保持部 ,材の通常状態は,上方約10度に傾斜している。
装飾リング,コースターの色(キ)O装飾リング16,18,コースター24,26,32の外周面に施されたクロムコーティングは,白っぽい銀色である。
イ被告商品1-1の形態上記(1)及び弁論の全趣旨によれば,被告商品1-1の形態は以下のとおりであると認められる。
全体的形態(ア)A’フロントテーブル2'は,車両の助手席側に固定して取り付けられる取付部4'と,この取付部4'の上に載置した下段テーブル6'と,この下段テーブル6'の上方に配設される上段テーブル8'とを備え,上段テーブル8'は,下段テーブル6'の右部に設置された3つの支持脚10'により支持されており,下段テーブル6'の左部の上方は開放されている。
B’下段テーブル6'及び上段テーブル8'の外周面には,突出した4本の銀色メッキの線状体及びその間の3本の黒い帯状部17',23'を有するモール15',21'が設けられている。
下段テーブルの形態(イ)C’下段テーブル6'の左半分は,角部分にアールのついた略長方形状であり,右半分は手前に張り出した曲線端部を有しており,曲線端部の右端は弯曲凸状に同手前に突出している。
D’下段テーブル6'の左部の上面に凹み12'が設けられ,この凹み12'の表面にシート材14'が貼付されている。このシート材14'は黒色であり,その表面に細かな横縞状の平行直線が均等間隔に施されている。
上段テーブルの形態(ウ)E’上段テーブル8'は,平面視「への字」に折れ曲がっているが,折曲位置から左側部分と右側部分の長さは約10:25の比で右側部分が長い。
F’上段テーブル8'の中央と右寄りに,円形状の2つの貫通部分が長手方向に間隔を置いて設けられている。
G’上段テーブル8'の左側には,略四角形状の2つの貫通部分20',22'が前後方向に間隔を置いて設けられている。
取付部の形態(エ)H’取付部4'の左壁及び右壁の各前面並びに上壁,中壁及び下壁の各前面には,突出した4本の銀色メッキの線状体及びその間の3本の黒い帯状部を有するモールが設けられている。
I’取付部の左右側壁は,斜めストレート状である。
コースターの形態(オ)J’コースター24',26'は下段テーブル6'の上面に載置固定されており,カップホルダ用装飾リング16',18'が装着された貫通部分の真下に位置する。これらコースター24',26'は円形状であり,その外直径は80?で,外周面には銀色メッキが施されており,上面にはシート材30'が貼付されている。
K’コースター32',33'は下段テーブル6'の上面に載置固定されており,略四角形状の貫通部分20',22'の真下に位置する。これらコースター32',33'は,2個の長方形状であり,外周面には銀。 色メッキが施されており,上面にはシート材36'が貼付されているL’コースター24',26',32',33'に貼付されたシート材30',36'は,いずれもシート材14'と同じ材質であり,細かな横縞状の平行直線が均等間隔に施されている。
装飾リングの形態(カ)M’上段テーブル8'の円形の上記貫通部分には装飾リング16',1, 8'が嵌着されている。同リングは,約10mmの幅寸法の上鍔を有し銀色メッキが施されて 「FABULOUS●FABULOUS●」 ,と黒色にて幅いっぱいの文字表示が刻印されている。
N’装飾リング16',18'の内側には,銀色メッキの保持部材α'が設けられており,保持部材は約5?の厚さで,先端部は弧状に形成され,後方上傾の傾斜面を有している。
装飾リング,コースターの色(キ)O’装飾リング16',18',保持部材α'及びコースター24',26',32',33'の外周面に施された銀色メッキは,黒っぽい銀色である。
ウ共通点上記によれば,原告商品1-1Cと被告商品1-1とは,次の点において共通する。
フロントテーブルは,車両の助手席側に固定して取り付けられる取付(ア)部と,この取付部の上に載置した下段テーブルと,この下段テーブルの上方に配設される上段テーブルとを備え,上段テーブルは,下段テーブルの右部に設置された3つの支持脚により支持されており,下段テーブルの左部の上方は開放されている(構成A・A' 。)下段テーブル及び上段テーブルの外周面には,銀色のモールが設けら(イ)れている(構成B・B' 。)下段テーブルの左半分は,角部分にアールのついた略長方形状である(ウ)(構成C・C'の一部 。)下段テーブルの右半分には手前に張り出した端部を有している(構成(エ)C・C'の一部 。)下段テーブルの左部の上面に凹みが設けられ,この凹みの表面に黒色(オ)のシート材が貼付されている(構成D・D'の一部 。)上段テーブルは平面視「への字」に折れ曲がっている(構成E・E'(カ)の一部 。)上段テーブル中央と右寄りに,円形状の2つの貫通部分が,長手方向(キ)に間隔を置いて設けられている(構成F・F' 。)上段テーブルの左側には,略四角形状の2つの貫通部分が前後方向に(ク)間隔を置いて設けられている(構成G・G' 。)取付部の左壁及び右壁の各前面並びに上壁,中壁及び下壁の各前面に(ケ)はモールが設けられている(構成H・H'の一部 。)円形状のコースターが下段テーブルの上面に載置固定されており,カ (コ)ップホルダ用装飾リングが装着された貫通部分の真下に位置する。また,同コースターの上面にはシート材が貼付されている(構成J・J'の一部 。)略四角形状のコースターが下段テーブルの上面に載置固定されており,(サ)略四角形状の貫通部分の真下に位置する。また,同コースターの上面にはシート材が貼付されている(構成K・K'の一部 。)上段テーブルの円形の貫通部分にはカップホルダ用装飾リングが嵌着(シ)されており,同リングは,上鍔を有し,その上鍔には文字が刻印されている(構成M・M'の一部 。)装飾リングの内側には,保持部材が設けられており,同保持部材の先(ス)端部は弧状に形成されている(構成N・N'の一部 。)装飾リング及びコースターの外周面は,銀色である(構成O・O'の(セ)一部 。)エ相違点他方,原告商品1-1Cと被告商品1-1とは,次の点において相違する。
上下2段の各テーブルの外周面及び形状に係る相違点(ア)a下段テーブル,上段テーブルの外周面(構成B・B')原告商品1-1Cの下段テーブル6及び上段テーブル8の外周面に設けられたモール15,21は,各一枚の帯板状からなり,それぞれ上下方向に間隔を置いて2つの凹部17,23が形成されているのに対し,被告商品1-1の下段テーブル6'及び上段テーブル8'の外周面に設けられたモール15',21'には,それぞれ突出した4本の銀色メッキの線状体及びその間の3本の黒い帯状部17',23'が設けられている。
b下段テーブルの形状(構成C・C')原告商品1-1Cの下段テーブル6の形状は,右半分が手前に張り出した直線端部を有しているのに対し,被告商品1-1の下段テーブル6'は,右半分が手前に張り出した曲線端部を有しており,曲線端部の右端は弯曲凸状に手前に突出している。
c上段テーブルの形状(構成E・E')原告商品1-1Cの上段テーブル8は,折曲位置から左側と右側はほぼ同じ長さであるのに対し,被告商品1-1の上段テーブル8'における折曲位置から左側部分と右側部分の長さは約10:25の比で右側部分が長い。
装飾リングに係る相違点(イ)a装飾リングの形状等(構成M・M')原告商品1-1Cの装飾リング16,18は,約8?幅の上鍔を有し,クロムコーティングが施されて 「○GARSON○GARSO ,N○GARSON○GARSON」と刻印がなされているのに対し,被告商品1-1の装飾リング16',18'は,約10mmの幅寸法の上鍔を有し,銀色メッキが施されて 「FABULOUS●FABUL ,OUS●」と黒色にて幅いっぱいの大きな文字表示が刻印されている。
b保持部材の形状(構成N・N')原告商品1-1Cの保持部材αは黒色で,約2?の薄い板状であり,「GARSON」なる文字が記載され,通常状態は上方約10度に傾斜しているのに対し,被告商品1-1の保持部材α'は,銀色メッキで,後方上傾の弧状傾斜面を有し,約5?の厚さであり,通常状態は略水平である。
c装飾リングの色(構成O・O')装飾リングの色は,原告商品1-1Cは白っぽい銀色のクロムコーティングであるのに対し,被告商品1-1は黒っぽい銀色メッキである。
下段テーブルの凹みに設けられたシート材に係る相違点(ウ)aシート材の模様(構成D・D')原告商品1-1Cのシート材14の表面には,不規則な横縞状の模様が施されているのに対し,被告商品1-1のシート材14'の表面には,細かな横縞状の平行直線が均等間隔に施されている。
取付部に係る相違点(エ)a取付部の前面(構成H・H')原告商品1-1Cの取付部の左壁及び右壁並びに上壁,中壁及び下壁の各前面に設けられたモールは,各一枚の帯板状からなり,それぞれ幅方向に間隔を置いて2つの凹部が形成されているのに対し,被告商品1-1の取付部に設けられたモールには,それぞれ突出した4本の銀色メッキの線状体及びその間の3本の黒い帯状部が設けられている。
b取付部の左右側壁(構成I・I')原告商品1-1Cの取付部の左右側壁は,凸凹凸を有する曲線状であるのに対し,被告商品1-1においては斜めストレート状である。
コースターに係る相違点(オ)a円形のコースター(構成J・J')原告商品1-1Cのコースター24,26の外周面は,クロムコーティングが施されているのに対し,被告商品1-1においては,コースターの外周面には銀色メッキが施されている。
b四角形のコースター(構成K・K')原告商品1-1Cのコースター32は,1個の略正方形状であり,外周面にはクロムコーティングが施されているのに対し,被告商品1-1のコースター32',33'は,2個の長方形状であり,外周面には銀色メッキが施されている。
cコースターのシート材(構成L・L')原告商品1-1Cのコースターに貼付されたシート材30,36の表面には,不規則な横縞状の模様が施されているのに対して,被告商品1-1のコースターに貼付されたシート材30',36'に細かな横縞状の平行直線が均等間隔に施されている。
dコースターの色(構成O・O')原告商品1-1Cのコースター24,26,32の外周面に施されたクロムコーティングは,白っぽい銀色であるのに対し,被告商品1-1のコースター24',26',32',33'の外周面に施された銀色メッキは,黒っぽい銀色である。
オ実質的同一性の検討不正競争防止法は,他人の商品の形態を模倣した商品の譲渡等を不正(ア)競争とするところ 「模倣」とは,他人の商品の形態に依拠して,これ ,と実質的に同一の形態の商品を作り出すことをいい(同法2条5項 ,)「商品の形態」とは,需要者が通常の用法に従った使用に際して知覚によって認識することができる商品の外部及び内部の形状並びにその形状に結合した模様等をいう(同条4項 。)したがって,他人の商品の形態との実質的同一性の有無を判断する際には,主として,需要者が通常の用法に従った使用をする際に認識する商品全体の形態を対比するのが相当である。この点,原告商品1及び被告商品1は,いずれも自動車の助手席前方に取り付けて使用するものであり,需要者たる自動車の保有者等が両商品を使用する際には同商品を正面上方又は左斜めの上方から俯瞰的に見ることになる。
そうすると,原告商品1-1C及び被告商品1-1(以下,この項〔オ〕において「両商品」ともいう )において,需要者が使用の際に 。
まず認識する商品形態は,上下2段のテーブルから成る構造,各テーブルの外周形状,上段テーブルに設けられた貫通部分及び下段テーブルに設けられた凹みであると考えられる。
上下2段のテーブルから成る構造及び各テーブルの外周形状について,(イ)。 両商品には,上記ウ(ア),(イ),(ウ),(エ)及び(カ)の共通点が認められるしかし,前記1(2)で認定したとおり,原告商品1Aの販売が開始された平成15年8月4日より前の時点で,フロントテーブルにおいて,上下2段のテーブルを設け,上段テーブルは下段テーブルの右側に設置された支持脚により支持される形態は,周知なものであり,ありふれた形態であったことが認められる。また,下段テーブルと上段テーブルの外周面に銀色のモールを設けることについても,複数の採用例があることが認められる。そうすると,上記共通点のうち,下段テーブルと上段テーブルを備え,上段テーブルは,下段テーブルの右部に設置された支持脚により支持されていること,下段テーブルの左部の上方が開放されていること(上記ウ(ア)の一部 ,下段テーブルと上段テーブルの外周面 )に銀色のモールを設けること(上記ウ(イ))も,ありふれた形態であるから,これら共通点は両商品の実質的同一性の判断において重視することはできないというべきである。
また,上記ウ(エ)及び(カ)の共通点についても,原告商品1のデザインに携わったP5の証言によれば,フロントテーブルの一部を折り曲げると圧迫感につながることから,折れ曲げる必要のないものは折れ曲げないところ,原告商品1-1Cにおいては,左側の小物置き用凹み(トレー)を大きくするとともに,車両の内装のデザインに合わせて折り曲げたと証言している。そうすると,下段テーブル及び上段テーブルの外周形状を,車両の内装形状に合わせて折れ曲げること自体は,車両に後付けするというフロントテーブルの性質,機能に照らして,通常採用される形態の範囲内と考えられる(ただし,そのデザインには幅があるので,必然的な形態であるとまではいえない。しかも,両商品の下段テー 。)ブル及び上段テーブルの具体的外周形状は,上記エ(ア)b及びcのとおり,一部異なっていることが認められる。そうすると,上記ウ(エ)及び(カ)の共通点は無視できないものの,さりとて重視することまではできないというべきである。
他方,両商品の下段テーブル及び上段テーブルの外周面の形態については,上記エ(ア)の相違点が認められ,中でもモールの形状に係る相違点(上記エ(ア)a)については,両商品を俯瞰的に見た際に容易に認識することができるものであり,被告商品1-1のようなモールの形状は,本件証拠上,他の商品には見受けられない特徴的なものと認められる。
したがって,かかる相違点は,需要者に相当異なる印象を与えるものと認められる。
上段テーブルに設けられた貫通部分について,両商品には上記ウ(キ)(ウ)及び(ク)の共通点が認められるほか,円形状の貫通部分については,カップホルダ用装飾リングに関し,上記ウ(シ)ないし(セ)(ただし,コースターに係る共通点を除く )の共通点が認められる。この点,前記1 。
(2)で認定したとおり,上段テーブルに円形状の2つの貫通部分を長手方向に間隔を置いて設ける形態については,原告商品1Aの販売開始前に周知なものであり,ありふれた形態であったことが認められる。また,略四角形状の貫通部分を前後方向に間隔を置いて設ける形態も,原告商品1Aの販売開始前に採用例があったことが認められ,原告商品1における特徴的な形態であったとは認め難い。
これに対し,円形状の貫通部分に装飾リングを設けることについては,原告商品1Aの販売開始前においてありふれた形態であったと認めるに足りる証拠はない。しかしながら,両商品のカップホルダ用装飾リングは,上記エ(イ)に掲げたとおり,色や上鍔の厚さ,刻印の態様が異なるほか,同リングに設けられた保持部材の形状においても相当異なっている。すなわち,原告商品1-1Cの保持部材は板状(約2?)であり,また色も装飾リングとは異なる黒色であるのに対し,被告商品1-1の保持部材は厚みもあり(約5? ,後方上傾の傾斜面を有しており,色 )も装飾リングと同色の銀色である。
このように,両商品の装飾リングにはいくつかの相違点が認められ,中でも保持部材については,その形状が相当異なることからすれば,装飾リングに係る上記相違点は,需要者に相当異なる印象を与えるものと考えられる。
下段テーブルに設けられた凹みについて,両商品には上記ウ(オ)の共(エ)通点が認められる。しかし,前記1(2)ウで認定したとおり,凹み部分を設けること自体は,原告商品1Aの販売開始前に採用例がある上,原告商品1の凹み部分の形態が特に特徴的なものであったとも認め難い。
しかも,上記エ(ウ)のとおり,両商品の凹みに敷かれたシート材の模様も異なっている。
上記シート材の模様の相違は,一見すると微細なもののように見えるが,原告は,原告商品1Aの販売開始時に,同シート材について 「E,PI LEATHER TYPEのデザインレザーパッドを施すことによりオシャレと高級感をなお一層高め」た旨宣伝しており(甲1 ,その)後も 「EPI調パッド (甲36の1・4「エピ調レザーデザイン ,」),パッド (甲36の2「エピ調のマット (甲36の3「エピ調マ 」),」),ット (甲36の5「EPI調デザインレザーパッド (甲36の 」), 」8)などとして,その模様を強調している。そして,かかる模様自体は,ルイ ヴィトン マルチエが我が国で登録を得た登録商標(登録番号:第4459738号,登録日:平成13年3月16日,指定商品:第18類かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ)と類似するものであると認められる(弁論の全趣旨 。なお,同商標は,その登録に係る審決取消 )訴訟における判決(東京高等裁判所平成11年(行ケ)第79号同12年8月10日判決)において 「指定商品に使用された結果需要者が何人 ,かの業務に係る商品であることが認識することができるものとなったことを肯定することができ」ると判断されたことが認められる(弁論の全趣旨 。そうすると,原告商品1-1のシート材に用いられた上記模様 )は,一定程度識別性のある特徴的な模様というべきである。したがって,原告商品1-1Cのシート材を見た需要者が,細かな横縞状の平行直線が均等間隔に施されているにすぎない被告商品1-1のシート材のごく単純なありふれた模様を,原告商品1-1のそれと識別することは可能であるというべきである。
以上のとおり,両商品のシート材の模様に係る相違は軽視することができないというべきである。
その他の共通点について,下段テーブルに設けられたコースターは,(オ)いずれも上段テーブルの陰に隠れており,両商品を俯瞰的に見た場合に,その商品形態を直ちに認識できるものではいえない。
また,取付部については,需要者がフロントテーブルを取り付けて使用する際には,下段テーブルに隠れ,その商品形態を認識することは困難である。
よって,これらの点に関する商品形態の異同を重視することはできない。
カ以上検討したとおり,原告商品1-1Cと被告商品1-1は,通常の用法に従った使用をする際に認識できる個別的な商品形態を対比しても相当異なっており,その結果,全体として見た場合にも,上記個別の相違点により,上記共通点を凌駕して,需要者に実質的に異なった印象を与えるものと認められる。
よって,被告商品1-1の形態が原告商品1-1Cと実質的に同一であるとは認められない。
3原告商品1-2Cと被告商品1-2との実質的同一性()ア原告商品1-2Cの形態上記(1)及び弁論の全趣旨によれば,原告商品1-2Cの形態は以下のとおりであると認められる。
全体的形態(ア)A上記(2)アAと同じ。
B上記(2)アBと同じ。
下段テーブルの形態(イ)C下段テーブル6は,右部は手前側に湾曲して斜めに伸び,左部は略長方形状であり,右半分は手前に張り出している。
D上記(2)アDと同じ。
上段テーブルの形態(ウ)E上段テーブル8は,下段テーブル6の右部の形状に沿って伸びている。
F上記(2)アFと同じ。
G上記(2)アGと同じ。
取付部の形態(エ)H取付部4の左右側壁の各前面には,銀色のモールが設けられ,同モールは各1枚の帯板状からなり,それぞれ幅方向に間隔を置いて2つの凹部が形成されている。
I取付部4の左右側壁は,斜めに伸びている。
コースターの形態(オ)J上記(2)アJと同じ。
K上記(2)アKと同じ。
L上記(2)アLと同じ。
装飾リングの形態(カ)M上記(2)アMと同じ。
N上記(2)アNと同じ。
装飾リング,コースターの色(キ)O上記(2)アOと同じ。
イ被告商品1-2の形態上記(1)及び弁論の全趣旨によれば,被告商品1-2の形態は以下のとおりであると認められる。
全体的形態(ア)A' フロントテーブル2'は,車両の助手席側に固定して取り付けられる取付部4'と,この取付部4'が設けられた下段テーブル6'と,この下段テーブル6'の上方に配設される上段テーブル8'とを備え,上段テーブル8'は,下段テーブル6'の右部に設置された3つの支持脚10'により支持されており,下段テーブル6'の左部の上方は開放されている。
B' 上記(2)イB'と同じ。
下段テーブルの形態(イ)C' 下段テーブル6'は,右部が手前側に湾曲して斜めに伸び,左部は略長方形状であり,右半分は手前に張り出し,かつ前縁の中央近傍から右側にわたって谷山と波打った形状であり,後端延長部は後方に伸びている。
D' 上記(2)イD'と同じ。
上段テーブルの形態(ウ)E' 上段テーブル8'は,下段テーブル6'の右部の形状に沿って伸びている。
F' 上記(2)イF'と同じ。
G' 上記(2)イG'と同じ。
取付部の形態(エ)H' 下段テーブルの左部分が奥方向(助手席側と逆)に長く伸びた延伸部を有し,その延伸部の上に支持部材が鳥居状に固定されて取付部を形成している。
I' 下段テーブルの下に取付部はない。
コースターの形態(オ)J' 上記(2)イJ'と同じ。
K' 上記(2)イK'と同じ。
L' 上記(2)イL'と同じ。
装飾リングの形態(カ)M' 上記(2)イM'と同じ。
N' 上記(2)イN'と同じ。
装飾リング,コースターの色(キ)O' 上記(2)イO'と同じ。
ウ実質的同一性の検討上記認定のとおり,原告商品1-2C及び被告商品1-2(以下,こ(ア)の項〔ウ〕において「両商品」ともいう )の各形態は,原告商品1- 。
1C及び被告商品1-1の各形態とそれぞれ比較して,下段テーブル及び上段テーブルの外周形状並びに取付部の形状において原告商品1-1C及び被告商品1-1の形態と異なるほかは,ほぼ同一の商品形態であることが認められる。
そこで,両商品の各形態が原告商品1-1C及び被告商品1-1の各形態と異なっている点について検討を加え,かかる観点から原告商品1-2Cと被告商品1-2の形態に係る実質的同一性の有無について検討することとする。
下段テーブル及び上段テーブルの外周形状(イ)両商品は,下段テーブルの右部が手前側に湾曲して斜めに伸びている点,左部が略長方形状であり,右半分が手前側に張り出しているという点(構成C・C')及び上段テーブルが下段テーブルの右部に沿って伸びているという点(構成E・E')において共通する。他方,被告商品1-2の下段テーブルは,前縁の中央近傍から右側にわたって谷山と波打った形状をしており,後端延長部は後方に伸びている点において相違する(構成C・C' 。)しかし,別紙原告商品目録1-2(C)添付のエスティマ装着写真及び,別紙被告商品目録1-2のエスティマ装着写真からすれば,エスティマはセンターコンソール部分の内装形状が比較的手前側に張り出しており,両商品は,その形状に合わせるために下段テーブルの形状が手前側に湾曲していると認められる。したがって,この点に原告商品1-2Cの形態上の特徴があるとは認め難い。また,上記のとおり,両商品は下段テーブル前縁の形状において若干異なっていることを併せ考慮すれば,下段テーブルの外周形状の上記共通点については,前記(2)オ(イ)で検討したところと同じく,これを重視することはできないというべきである。
なお,被告商品1-2の下段テーブルには後端延長部があり,この点が原告商品1-2Cと異なるが,同商品を車両に取り付けた際には見えなくなることから,この点の相違は両商品の実質的同一性の判断を左右するものではないというべきである。
取付部の形態(ウ)両商品は,取付部の形態において大きく異なると認められるところ(構成H・H',構成I・I' ,需要者がフロントテーブルを取り付け )て使用する際には,その形状を認識することは困難であるから,取付部の形態に係る異同を重視することはできない。
以上のとおり,両商品の各形態が原告商品1-1C及び被告商品1-(エ)1の各形態と異なる点を検討しても,両商品の実質的同一性の判断を左右するような事情は窺えない。
よって,原告商品1-1Cと被告商品1-1との実質的同一性を検討したところと同様,被告商品1-2の形態が原告商品1-2Cの形態と実質的に同一であるとは認められない。
4原告商品1-3Cと被告商品1-3との実質的同一性()ア原告商品1-3Cの形態上記(1)及び弁論の全趣旨によれば,原告商品1-3Cの形態は以下のとおりであると認められる。
全体的形態(ア)Aフロントテーブル2は,車両の助手席側に固定して取り付けられる取付部4と,この取付部4から延長した下段テーブル6と,この下段テーブル6の上方に配設される上段テーブル8とを備え,上段テーブル8は,下段テーブル6の右部に設置された3つの支持脚10により支持されており,下段テーブル6の左部の上方は開放されている。
B上記(2)アBと同じ。
下段テーブルの形態(イ)C下段テーブル部分6の左端側の端面は四半円形を描いており,右半分は手前に張り出している。
D上記(2)アDと同じ。
上段テーブルの形態(ウ)E上段テーブル8は長手方向直線状に伸びている。
F上記(2)アFと同じ。
G上記(2)アGと同じ。
取付部の形態(エ)H取付部4は,下段テーブル6の上面に設けられ,下段テーブル6の後端部がグローブボックス内に固定される。
I取付部4はダッシュボードに連続面状に取り付けられ,下段テーブル6の上面から起立しており,この起立部に矩形状の開口部が設けられている。
コースターの形態(オ)J上記(2)アJと同じ。
K上記(2)アKと同じ。
L上記(2)アLと同じ。
装飾リングの形態(カ)M上記(2)アMと同じ。
N上記(2)アNと同じ。
装飾リング,コースターの色(キ)O上記(2)アOと同じ。
イ被告商品1-3の形態上記(1)及び弁論の全趣旨によれば,被告商品1-3の形態は以下のとおりであると認められる。
全体的形態(ア)A' フロントテーブル2'は,車両の助手席側に固定して取り付けられる取付部4'と,この取付部4'から延長した下段テーブル6'と,この下段テーブル6'の上方に配設される上段テーブル8'とを備え,上段テーブル8'は,下段テーブル6'の右部に設置された3つの支持脚10'により支持されており,下段テーブル6'の左部の上方は開放されている。
B' 上記(2)イB'と同じ。
下段テーブルの形態(イ)C' 下段テーブル部分6'は,右半分は手前に張り出し,かつ,前縁の中央近傍から右側にわたって谷山谷山と波打った形状であり,左端側の端面は四半円形を描いている。
D' 上記(2)イD'と同じ。
上段テーブルの形態(ウ)E' 上段テーブル部分8'は下段テーブル部分6の右部の形状に沿って長手方向に伸びている。
F' 上記(2)イF'と同じ。
G' 上記(2)イG'と同じ。
取付部の形態(エ)H' 取付部4'は,下段テーブル6'の上面に設けられ,下段テーブル6の後端部がグローブボックス内に固定される。
I' 取付部4'はダッシュボードに連続面状に取り付けられ,凹部のない露出面を有し,下段テーブル6'の後縁から起立している。
コースターの形態(オ)J' 上記(2)イJ'と同じ。
K' 上記(2)イK'と同じ。
L' 上記(2)イL'と同じ。
装飾リングの形態(カ)M' 上記(2)イM'と同じ。
N' 上記(2)イN'と同じ。
装飾リング,コースターの色(キ)O' 上記(2)イO'と同じ。
ウ実質的同一性の検討上記認定のとおり,原告商品1-3C及び被告商品1-3(以下,こ(ア)の項〔ウ〕において「両商品」ともいう )の各形態は,原告商品1- 。
1C及び被告商品1-1の各形態とそれぞれ比較して,下段テーブル及び上段テーブルの外周形状並びに取付部の形状において原告商品1-1C及び被告商品1-1の形態と異なるほかは,ほぼ同一の商品形態であることが認められる。
そこで,両商品の各形態が原告商品1-1C及び被告商品1-1の各形態と異なっている点について検討を加え,かかる観点から原告商品1-3Cと被告商品1-3の形態に係る実質的同一性の有無について検討することとする。
下段テーブル及び上段テーブルの外周形状(イ)両商品は,下段テーブルの右半分が手前に張り出している点及び下段テーブル左端側の端面が四半円形を描いている点(構成C・C')において共通する。他方,被告商品1-3の下段テーブルは,前縁の中央近傍から右側にわたって谷山谷山と波打った形状をしている点において相違する(構成C・C' 。また,上段テーブルも,原告商品1-3Cで )は長手方向直線状に伸びているのに対し,被告商品1-3では,下段テーブルの形状に沿って伸びている点において相違する。
このように,両商品の下段テーブル及び上段テーブルの右側の外周形状は相当異なっている。
取付部の形態(ウ)両商品は,取付部が下段テーブルの上面に設けられ,下段テーブルの後端部がグローブボックス内に固定されるという点(構成H・H' ,)取付部がダッシュボードに連続面状に取り付けられ,下段テーブルの上面から起立している点において共通する(構成I・I' 。他方,原告)商品1-3Cでは,起立部に矩形状の開口部が設けられているのに対し,被告商品1-3ではかかる開口部がない点において相違する(構成I・I' 。)このように,両商品では,他の商品とは異なり,需要者がフロントテーブルを取り付けて使用する際に,取付部の表面が正面に見える態様になる。したがって,取付部表面の異同については,実質的同一性の判断に影響を及ぼし得るものであるところ,両商品の取付部表面は開口部の有無において相違し,これは実質的同一性の判断において無視できない相違であると認められる。
以上のとおり,両商品の各形態が原告商品1-1C及び被告商品1-(エ)1と異なる点を検討すると,実質的同一性の判断を否定する方向に作用する事情は窺えるが,これを肯定するような事情は窺えない。そこで,原告商品1-1Cと被告商品1-1との実質的同一性を検討したところと併せ考慮すれば,被告商品1-3の形態が原告商品1-3Cの形態と実質的に同一であると認める余地はない。
5原告商品1-4Cと被告商品1-4との実質的同一性()ア原告商品1-4Cの形態上記(1)及び弁論の全趣旨によれば,原告商品1-4Cの形態は以下のとおりであると認められる。
全体的形態(ア)A上記(2)アAと同じ。
B上記(2)アBと同じ。
下段テーブルの形態(イ)C下段テーブル部分6は,左半分の部位の前縁が手前に突出した形状である。
D下段テーブル6の左部の上面に左部の前縁が手前に突出した略長方形状の凹み12が設けられ,この凹み12の表面にシート材14が貼付されている。このシート材14は黒色であり,その表面に不規則な横縞状の模様が施されている。
上段テーブルの形態(ウ)E上段テーブル8は長手方向直線状に伸びている。
F上記(2)アFと同じ。
G上記(2)アGと同じ。
取付部の形態(エ)H取付部4の水平状下壁の前面及び左右側壁の前面には,銀色のモールが設けられ,同モールは各1枚の帯板状からなり,幅方向に間隔を置いて2つの凹部が形成されている。
I取付部4の水平状下壁と下段テーブル6との間には開口部が設けられている。
コースターの形態(オ)J上記(2)アJと同じ。
K上記(2)アKと同じ。
L上記(2)アLと同じ。
装飾リングの形態(カ)M上記(2)アMと同じ。
N上記(2)アNと同じ。
装飾リング,コースターの色(キ)O上記(2)アOと同じ。
イ被告商品1-4の形態上記(1)及び弁論の全趣旨によれば,被告商品1-4の形態は以下のとおりであると認められる。
全体的形態(ア)A' 上記(2)イA'と同じ。
B' 上記(2)イB'と同じ。
下段テーブルの形態(イ)C' 下段テーブル6'は,左半分の部位の前縁が手前に突出した形状である。
D' 下段テーブル6'の左部の上面に略長方形の凹み12'が設けられ,この凹み12'の表面にシート材14'が貼付されている。このシート材14'は黒色であり,その表面に細やかな横縞状の平行直線が均等間隔に施されている。
上段テーブルの形態(ウ)E' 上段テーブル8'は平面視,左側と右側が平行に後と前に位置ずれして中央が斜めに連結したZ字型折曲形状で折れ曲がっている。
F' 上記(2)イF'と同じ。
G' 上記(2)イG'と同じ。
取付部の形態(エ)H' 取付部4'の水平状下壁の前面及び左右側壁の前面には,突出した4本の銀色メッキの線状体及びその間の3本の黒い帯状部を有するモールが設けられている。
I' 取付部4'の水平状下壁と下段テーブル6'との間には開口部が設けられている。
コースターの形態(オ)J' 上記(2)イJ'と同じ。
K' 上記(2)イK'と同じ。
L' 上記(2)イL'と同じ。
装飾リングの形態(カ)M' 上記(2)イM'と同じ。
N' 上記(2)イN'と同じ。
装飾リング,コースターの色(キ)O' 上記(2)イO'と同じ。
ウ実質的同一性の検討上記認定のとおり,原告商品1-4C及び被告商品1-4(以下,こ(ア)の項〔ウ〕において「両商品」ともいう )の各形態は,原告商品1- 。
1C及び被告商品1-1の各形態と比較して,下段テーブル及び上段テーブルの外周形状並びに取付部の形状において原告商品1-1C及び被告商品1-1の形態と異なるほかは,ほぼ同一の商品形態であることが認められる。
そこで,両商品の各形態が原告商品1-1C及び被告商品1-1の各形態と異なっている点について検討を加え,かかる観点から原告商品1-4Cと被告商品1-4の形態に係る実質的同一性の有無について検討することとする。
下段テーブル及び上段テーブルの外周形状(イ)両商品は,左半分の部位の前縁が手前に突出した形状である点(構成C・C')において共通する。他方,上段テーブルについては,原告商品1-3Cでは長手方向直線状に伸びているのに対し,被告商品1-3では,平面視,左側と右側が平行に後と前に位置ずれして中央が斜めに連結したZ字型折曲形状で折れ曲がっている点において相違する。
このように,両商品の上段テーブルの外周形状は相当程度異なっている。なお,両商品では,下段テーブルの凹みの形状が若干異なっているが(構成D,D' ,その相違は微細なものであり,実質的同一性の判 )断を左右する程度のものとは認め難い。
取付部の形態(ウ)上記のとおり,両商品の取付部の形状は,モールの形状を除いて一致する(構成H・H',構成I・I' 。しかし,両商品の取付部は,フロ )ントテーブルを取り付けて使用する際には,下段テーブルに隠れて,これを認識することは困難であるから,取付部の一致を重視することはできない。
以上のとおり,両商品の各形態が原告商品1-1C及び被告商品1-(エ)1の各形態と異なる点を検討しても,両商品の実質的同一性の判断を左右するような事情は窺えない。
よって,原告商品1-1Cと被告商品1-1との実質的同一性を検討したところと同様,被告商品1-4の形態が原告商品1-4Cの形態と実質的に同一であるとは認められない。
6小括()以上のとおり,被告商品1の形態は,いずれも原告商品1の形態と実質的に同一であるとは認められない。
よって,不正競争防止法2条1項3号該当性(争点2)に係るその余の争点について判断するまでもなく,被告による被告商品1の製造販売が同号の不正競争に該当するとは認められないから,被告の上記行為が不正競争に当たることを理由とする同法4条に基づく原告の請求には理由がない。
3争点3-2(意匠法3条2項違反の無効理由の有無)について争点3(被告商品1ないし5に係る本件意匠権侵害の成否)については,事案にかんがみ争点3-2(意匠法3条2項違反の無効理由の有無)から判断することとする。
1本件登録意匠1の構成態様()証拠(甲25の2)によれば,本件登録意匠1の構成態様は別紙本件登録意匠の図面に記載のとおりであると認められる。
21Bリングの構成態様()前記争いのない事実等のとおり,原告は,本件意匠登録の出願日である平成17年5月31日より前の平成16年7月1日より,原告商品1Bの販売を開始した。
そして,原告商品1Bの上段テーブルの円形状貫通部分には,カップホルダ用装飾リング(1Bリング)が設けられており,その構成態様は別紙原告商品目録1-1(B),1-2(B),1-3(B)及び1-4(B)に添付の写真のとおりである。
3本件登録意匠の容易創作性()ア本件登録意匠と1Bリングとの対比原告は,本件登録意匠と1Bリングとの差異点について,1Bリングは,本件登録意匠における略矩形状の取付突出壁部,取付凹部及び取付凹部の上端部に基部が揺動自在に装着された保持部材を具備していないと主張する。
たしかに,本件登録意匠の円筒スリーブ状の挿入スリーブ部には,その一部に径方向外方に突出する略矩形状の取付突出壁部が設けられ,同取付突出壁部によって取付凹部が設けられ,同取付凹部の上端部に基部が揺動自在に装着された保持部材を備えていると認められるところ,1Bリングはこれらを備えていない。
そこで,以下,1Bリングに他の意匠を組み合わせて本件登録意匠を容易に創作できるかどうかについて検討する。
イ公知意匠証拠(乙6)によれば,平成9年5月30日に発行された意匠公報(ア)(意匠登録981966号公報)には 「自動車用飲料容器受け」の物 ,品において,揺動自在の保持部材が設けられていることが認められる。
証拠(乙11)によれば,平成13年9月18日に公開された公開特(イ)許公報(特開2001-253287号公報)に掲載された【図1】には,自動車用「ドリンクホルダの容器保持構造」に係る発明において,揺動自在の保持部材が設けられていることが認められる。
証拠(乙14)によれば,平成16年10月14日に公開された公開(ウ)特許公報(特開2004-284433号公報)に掲載された【図1】には 「自動車用カップホルダー」に係る発明において揺動自在の保持 ,部材が設けられていることが認められる。
証拠(乙15)によれば,平成5年8月20日に公開された公開実用(エ)新案公報(実開平5-62333号公報)に掲載された【図1】には,自動車用「飲料容器ホルダー」に係る実用新案において揺動自在の保持部材が設けられていることが認められる。
また,同公報に掲載された【図8】には略矩形状の突出壁部及び凹部が設けられていることが認められる。
証拠(乙18)によれば,平成8年7月2日に発行された登録実用新(オ)案公報(実登3026225号公報)に掲載された【図1】及び【図3】には,自動車用「飲料容器ホルダー」の実用新案において揺動自在の保持部材が設けられていることが認められる。
また,同各図には略矩形状の突出壁部及び凹部が設けられていることが認められる。
ウ検討上記イによれば,自動車用の飲料容器ホルダーにおいて,揺動自在の保持部材を設けることは広く行われている周知な構成であると認められるから,同じく自動車用のフロントテーブルに設けられた飲料用ホルダーである1Bリングに,かかる保持部材を設けることは,当業者にとって極めて容易であったというべきである。
また,上記イ(エ)及び(オ)によれば,飲料が差し込まれることによって保持部材が折れ曲げられた際に,保持部材を収納するためのスペースを設け,保持部材がホルダの内側に突出しないようにすることも,本件意匠登録に係る出願前にその構成が開示されていたことが認められる。したがって,1Bリングに保持部材を設ける際に,保持部材を収納するための矩形状の突出壁部及び凹部を形成することも容易であったと認められる。
これに対し,原告は,上記公知意匠では,保持部材が収容開口の上端部に設けられており,保持部材の基部が取付凹部に隠れるように取り付けられていないと主張する。しかし,保持部材を設け,保持部材を収納するための略矩形状の突出壁部及び凹部を形成することが容易である以上,その保持部材の位置を収容開口の上端部より若干下げることに困難さは窺えず,本件登録意匠において,かかる点に特段の創作があったとは認め難い。
したがって,本件登録意匠は,1Bリング及び上記公知意匠に基づき容易に創作することができたものと認められる。
4小括()以上より,本件登録意匠は,その出願前に当業者に公然知られた形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合に基づいて容易に創作をすることができた意匠と認められ,その結果,本件意匠登録は,意匠法3条2項の規定に違反して登録されたものであり,意匠登録無効審判により無効とされるべきものであるから,意匠法41条(特許法104条の3第1項)により,原告は被告に対して本件意匠権を行使することができない。
よって,意匠権侵害の成否(争点3)に係るその余の争点について判断するまでもなく,原告の本件意匠権に基づく請求はいずれも理由がない。
4争点4-1(他人の商品性)について原告は,原告商品2が不正競争防止法2条1項3号にいう「他人の商品」に当たるとして,被告による被告商品2の販売等が「他人の商品」である原告商品2の形態を模倣した商品の販売等に当たり,同号の不正競争であると主張する。この点,本件において,原告商品2-2が商品として単体で販売されていたことに争いはないが,原告商品2-1が商品として単体で販売されていたかについては争いがある。そこで,以下,原告商品2-1が「他人の商品」に当たるか否かについて検討する。
1原告商品2-1の販売について()原告は,原告商品2-1も単体で販売されていたと主張し,平成19年11月19日付けの納品書(甲55)を提出する。
しかし,同納品書は,その納品先が不明であるものの 「お客様コード」,との記載や「売掛」との取引形態の記載等からして,少なくとも一般の需要者に対する販売であったとは考えにくい。また,同納品書で納品されたリングの数量はわずか2個であり,商品名としても「DADテーブル用リングのみ」と記載されていることをも併せ考慮すれば,同納品書は,原告の商品の取引業者において,何らかの理由でカップホルダ用装飾リングを交換する必要があったことから,特別に交換部品として納入したものと推認される。そして,本件において被告が原告商品2-1の販売を否認しているにもかかわらず,原告から他に販売記録が提出されていないことをも併せ考慮すれば,原告商品2-1が原告商品1Cとは別に,それ自体として取引の対象となっていると認めることはできない。
2原告商品2-1は「他人の商品」に当たるか()原告は,仮に原告商品2-1が単体で販売されていないとしても,商品性は失われないと主張する。
しかし,不正競争防止法2条1項3号によって保護される商品の形態とは,その商品全体の形態である。そして,ここでいう「商品」とは,取引の対象となっている商品そのものを指すと解すべきである。したがって,取引の対象となる商品の一部分の形態をもって「商品の形態」と解することはできず,商品の一部分の形態を模倣したからといって,同号の不正競争に当たると解すべきではない。なお,ある商品の特徴的な一部分が模倣されることによって,商品全体の形態が模倣されたと認められるような場合も考えられるが,あくまで対比すべきは商品全体の形態である。
3上記(1)のとおり,原告商品2-1は,それ自体として取引の対象となっ()ていると認めることはできず,取引の対象とされる原告商品1Cの一部分を構成するものにすぎない。したがって,原告商品2-1の形態は,不正競争防止法2条1項3号の「他人の商品の形態」に当たるとは認められず,原告商品2-1の形態模倣に基づく原告の請求には理由がない。
なお,原告は,仮に原告商品2-1が単体で販売されることがなかったとしても,被告商品2を装着したフロントテーブル,サイドテーブル及びセンターテーブルを販売する行為は,不正競争防止法2条1項3号の不正競争に当たると主張する。たしかに,原告商品2-1を装着した原告商品1Cは「他人の商品」には該当するが,原告商品1Cと被告商品2を装着したフロントテーブル,サイドテーブル及びセンターテーブルの商品形態が実質的に同一とは認められない(前記2,甲46〜49 。)よって,いずれにしても原告商品2-1の形態を根拠とする不正競争防止法2条1項3号の不正競争該当性を認める余地はない。
5争点4-2(実質的同一性)について上記のとおり,原告商品2-1の形態は不正競争防止法2条1項3号の「商品の形態」に当たらないから,以下では原告商品2-2と被告商品2との実質的同一性の有無について検討する。
1原告商品2-2の形態()原告商品2-2の形態は,別紙原告商品目録2-2添付の写真のとおりであり,そのフランジにクリスタル様の石が配置されているほかは,原告商品2-1とほぼ同様の形態である(なお,原告商品2-2には,ブラックと銀色メッキがあるが,以下では銀色メッキのものと対比する。。)2被告商品2の形態()被告商品2の形態は,別紙被告商品目録2添付の図面のとおりである。
3実質的同一性の検討 ()原告商品2-2と被告商品2とは,原告商品2-2のフランジにはクリスタル様の石が配置されているのに対し,被告商品2には,このようなクリスタル様の石が配置されていない点において相違するほか,原告商品1Cと被告商品1の形態に係る実質的同一性の有無において検討した装飾リングに係る相違点(前記2(2)エ(イ))が認められる。
そうすると,クリスタル様の石の有無の点を除いても,前記2(2)オ(ウ)で検討したところと同様に,原告商品2-2と被告商品2の形態に係る相違点は,需要者に相当異なる印象を与えると認められる上,原告商品2-2にはクリスタル様の石が配置されているのであるから,原告商品2-2と被告商品2の形態が実質的に同一といえないことは明らかである。
したがって,被告商品2の形態が原告商品2-2の形態と実質的に同一といえない以上,被告商品2を被告商品1及び被告商品3ないし5に装着して販売したとしても,かかる行為が不正競争防止法2条1項3号の不正競争に当たる余地はない。
4小括()よって,不正競争防止法2条1項3号該当性(争点4)に係るその余の争点について判断するまでもなく,被告による被告商品1及び被告商品3ないし5の販売が,原告商品2-2の形態を模倣した商品の譲渡として同号の不正競争に当たるとは認められないから,被告の上記行為が不正競争に当たることを理由とする同法4条に基づく原告の請求には理由がない。
第5結論以上により,原告の本件請求は,その余の点について判断するまでもなくいずれも理由がないからこれを棄却することとし,主文のとおり判決する。
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